田無神社は五龍神が祀られパワーも5倍!
東京都田無に鎮座する「田無神社」は五龍神をお祀りすることで知られています。1柱の龍神でもご利益は大きいのですが、田無神社にはなんと5柱の龍神がお祀りされており、その効果も5倍と言われるなど全国屈指の龍神のパワースポットです。
五行思想にも基づく五龍神は「方位除け」のご利益があることで有名で、芸能人やスポーツ選手など数多く参拝に訪れています。それぞれ異なるご利益を持つ五色の龍神をご紹介しながら、田無神社の魅力をお伝えします。
田無神社の由来
田無神社は創建が鎌倉時代まで遡る歴史ある神社です。当時は今の鎮座地より、北へ約1キロ離れた北谷戸の宮山という場所にあり、「尉殿権現」と呼ばれていました。江戸時代になると、江戸城の増改築に伴い、漆喰の原料の石灰を運搬するための青梅街道が開通し、北谷戸の住人たちもそれに合わせて青梅街道沿いに移り住みます。これによって、「宿場町田無」の町は江戸と青梅のほぼ中間地点に位置し、交通の要所としての役割を担うことになりました。
後に、川越から江戸へと石灰を運ぶ舟ができると青梅街道を通行した石灰運搬は無くなりますが、青梅から甲府までの道が通ると、今度は甲州街道の裏街道として利用され再び賑わいを見せます。こうした歴史の中で、宮山に鎮座していた尉殿権現社は、17世紀には宮山から現在の場所へ遷座しました。
明治時代になると政府の「神仏分離」政策により、尉殿権現は明治5年(1872年)に田無神社へと社名が変わります。明治43年(1910年)には、町内5つの小社が合祀され、昭和24年(1949年)、大阪市阿倍野にある大鳥神社より、大鳥大神が分祀されて現在に至っています。
田無神社の御祭神・御利益
五龍神が祀られることで有名な田無神社ですが、御祭神はそれだけではありません。主祭神の大国主命をはじめ、須佐之男命・猿田彦命・八街比古命・八街比売命・日本武尊命・大鳥大神・応神天皇(八幡神)が祀られています。
また、境内にある摂社・末社では宇迦之御魂神・恵比寿天・大黒天・弁財天・少彦名神・煩大人神・塩土老翁と実に多くの神様が祀られています。このため、御利益も多種多様に渡り、田無神社にお参りすれば、多くの神様とのご縁を結ぶことができると云われています。
田無神社の最もパワーがある場所
五龍神
「五行思想」という言葉をご存知でしょうか。 五行陰陽説やアーユルヴェーダなど様々な伝承医学や学問の元にある思想とされています。身近なところでは「五臓」・「五味」・「五感」などの言葉を耳にしたことがあるかと思います。
田無神社は、その「五行思想」に基づき五龍神が祀られています。特に田無神社の五龍神さまは「方位除け」の神様として有名で、 龍神が四方を守護することにより、神社全体の気を高めています。
五行思想では「赤龍」は南方を守護し、赤は夏を意味します。「赤龍」は田無駅方面から一の鳥居をくぐったすぐ右手に祀られています。生きていく上でとても大切な「直感力」や、先々を見越す「先見力」などが授かり、勝運向上・成績向上の御利益が授かるとされています。
「青龍」は東の方位を守護します。拝殿向かって右奥にある「楠木正成像」の隣に安置しています。龍神と繋がれば物事がスピーディーに進むとされていますが、特に「青龍」は閉ざされていたものが開き出し、人生が発展するなど急速に事が運ぶとされています。技術向上・就業成就などの御利益が期待できます。
「白龍」は、一の鳥居をくぐった「龍神の道」を本殿へと向かう途中に位置しています。五行思想では白は西方向を守護し、秋を意味します。心身の浄化と豊かさを受け取る力をアップさせることができ、金運向上・良縁成就の御利益があるとされています。
北参道から入るとすぐに見えてくる「黒龍」は、北方を守護し冬を表す龍神です。新しく事を始めたい時や、辞めたいと思っている習慣、古い方法や手放したい時などにお願いすると効果があるとされています。また、家内安全・健康増進に効果があると云われています。
美しい本殿と拝殿は東京都の指定文化財を受け、景観上重要な歴史的建造物に選定されています。その本殿に祀られているのは、主祭神の尉殿大権現(じょうどのだいごんげん)の「金龍」です。中央を守護します。
級津彦命(しなつひこのみこと)と級戸辺命(しなとべのみこと)という2柱の神様でもあり、水・風・除災・豊穣の守護神でもあります。五行思想において、東西南北の中心を意味します。自分という軸を強化する、人生の基盤をつくることを強力に後押しするとされ、最も重要な場所に位置しています。幸福招来・運気向上の御神徳があります。
本殿の中に安置されているため、普段は見ることが出来ませんが、1年の中で酉の市の日だけ本殿・拝殿の特別参拝が行われます。先着順で人数限定がありますので、参拝希望の方は事前にチェックしておいた方が良いでしょう。
田無神社の見どころ
御神木
本殿正面の左手には市指定天然記念物の御神木である「金龍木」があります。金龍が休んでいるとされる御神木の周りを深呼吸しながら回り、木に触れることでパワーが授かると云われています。本殿正面の右手にはそれぞれ赤・青・白・黒4本のいちょうの龍木が並んでいます。木に触れるとそれぞれの龍神との縁が深まるそうなので試してみてはいかがでしょう。
撫龍
東参道には、石を掘った存在感抜群の撫(なで)龍が位置しています。龍が持つ玉と龍の頭を撫でれば、運気が上昇すると伝えられています。
道祖神
田無神社の手水舎隣に位置する道祖神は、結び糸がたくさん結ばれた縁結びのパワースポットです。厄災の侵入を防ぐ、村の守り神でもあり、集落の境や交差点などにお祀りされることも多い神様です。
田無神社の道祖神は、天孫降臨の時に道案内をした猿田彦大神と天鈿女命(あめのうずめ)のご夫婦の神様が祀られています。猿田彦大神は、天狗の姿をした異形の神様で、天鈿女命は、天照大神が天の岩戸へお隠れになった際、岩戸を開かせようと激しく踊りを舞った神様でもあります。とても仲睦まじい夫婦神は、良縁・子孫繁栄の御利益があり、それにあやかろうと多くの人がお参りに訪れています。
楠木正成像
楠木正成(くすのきまさしげ)の石像が、青龍神の近くに安置しています。 南北朝時代に、後醍醐天皇の命を受け、幕府軍と戦い「戦の神」と崇敬された武将です。石像はところどころ削られており、欠損が多く見受けられます。これは、御利益に厄除や勝運があることから、兵士が戦場へ向かう際、像の一部を削ってお守り代わりに持って行ったからだそうです。現在でも厄除けや勝負運の神様として崇拝されています。
大鵬ゆかりの土俵
境内には、昭和の大横綱大鵬が五穀豊穣を祈って開いた土俵があります。勝負運があるパワースポットです。土俵は神聖な場所であり、通常は上がることは出来ませんが、わんぱく相撲などで使用されています。
恵比寿・大国社
七福神の恵比寿神と大国神が祀られています。縁結びや商売繁盛の御利益があります。こちらの恵比寿神と大国神は触れることが出来ます。撫でながら金運や健康長寿、良縁結びを祈願します。恵比寿神の鯛が吊るされていますので、大黒様の小槌で鯛をたたいて参拝します。
鹽竈神社
塩土老翁(しおつちのおじ)神という海の神様が祀られる、鹽竈神社(しわひこじんじゃ・しおがまじんじゃ)があります。御利益は航海・遠征・安産などです。他にも「虫封じ」という珍しい御利益もあります。 子供の疳の虫を封じる、また浮気やギャンブル、酒癖などの悪癖を封じるなどに効果があり、古くより信仰されています。
2001年に、シジュウカラが塩窯神社のお賽銭箱に卵を産むという吉兆が見られ、その年には内親王愛子様が誕生しています。また毎年6月には、「塩窯神社」・「煩大人神社」・「本土俵」のお祭りが執り行われています。
津島神社
素戔嗚尊(すさのおのみこと)が祀られ、勝負運・疫病除け・子供の守護・農業・家畜の神様として信仰されています。7月の第2日曜日に津島神社祭が催され、御神輿も出るなど賑やかなお祭りです。
少彦名社
少彦名神(すくなひこなのかみ)が祀られています。病気平癒・身体安全・ 酒造・温泉の神様として信仰されています。特に医学に精通した神様で、「すくなひこのかみ」という名前は、「薬神」(くすしのかみ)と称されることもあります。小柄な神様ですが、大国主命と共に国造りを行っており、一寸法師のモデルとしても広く親しまれています。
弁天様
境内には七福神の弁天様が祀られています。御利益は芸事上達をはじめ、語学・技芸・金運があります。
子育て犬
4匹の子育てをする木彫りの犬の像があります。 撫でて祈願をすると子育てや子宝の御利益があると云われています。
親子石
仲良く並んだ2つの石が親子石です。子育て・子宝に御利益があります。
水神宮
浄化の御利益がある水の神様です。このあたりは地名が「田無」(たなし)と付けられるだけあり、田んぼも作れないほど水に恵まれない土地とされてきました。昔から水は貴重なものだったからこそ、水を神様として大切に敬っています。 子供たちが生き物に触れあえるように、境内には、「ビオトープ」という美しい池が造られています。
まとめ
一龍だけでもパワーがある龍神が五龍も鎮座する田無神社。それぞれの龍に異なる御神徳があるなど、とても力強い気が境内に満ちています。他にも多種多様な神様が祀られており、ここに参拝すれば、神様とのあらゆるご縁を結ぶことができる全国でも屈指のパワースポットと言えるでしょう。ライター/サクヤ凛
基本情報
住所:東京都西東京市田無町3-7-4
電話番号:042-461-4442
アクセス[電車]:西武新宿線「田無駅」北口より徒歩6分
アクセス[バス]:
・JR中央線「武蔵境駅」北口バス停留所より、ひばりヶ丘駅行きに乗車(所要時間約10分)「田無駅」バス停下車徒歩6分
・西武池袋線「ひばりヶ丘駅」バス停留所より、武蔵境駅行き/田無駅行きに乗車(所要時間約10分)「田無駅」バス停下車徒歩6分
・JR中央線「吉祥寺」バス停留所より、花小金井行きに乗車(所要時間約20分)「田無3丁目」バス停下車徒歩すぐ
・JR中央線「三鷹」バス停留所より、北裏、田無橋場行きに乗車(所要時間約 15分)「田無3丁目」バス停下車徒歩すぐ
公式HP:https://tanashijinja.or.jp/ *最新の情報は公式HPでご確認ください。