樹齢2100年以上とされる木に宿る神々を祀る「來宮神社」
熱海一帯の地主神「來宮神社」は、静岡県熱海市西山町に鎮座しています。來宮神社は江戸時代まで「木宮明神」と称され、「木」に宿る神々を祀る神社として崇敬を集めてきました。
來宮神社の境内には、本州最大で樹齢2100年以上と推測される大樹、国の天然記念物である「大楠」が根を下しています。「大楠」を前にして悠久の時間を思うと、自然に手を合わせたくなることでしょう。
來宮神社の「大楠」はパワースポットに他ならず、古くから多くの人々が、大きなご神徳や恵みを頂いてきました。生命力に溢れた「大楠」は、健康長寿・心願成就・子孫繁栄のご利益で知られています。
「大楠」の周りを1周すると寿命が1年延びるとされ、願いを誰にも言わず心に秘めながら1周すると成就すると伝えられてきました。
境内には、京都の伏見稲荷神社から勧請された來宮稲荷社や、「開運出世」の霊験ある來宮弁財天もなども祀られています。また、「大楠」は常時夜間ライトアップされ、幻想的な姿も見られます。
來宮神社には地元の人をはじめ、熱海を訪れた旅行客など、年間を通して何度も参拝に訪れる人が跡を絶ちません。青々と茂る木々に守られた來宮神社に流れる、力強いパワーを感じてみてはいかがでしょうか。
來宮神社の特徴
來宮神社には、霊験が伝えられています。藤原京から奈良に都が遷された710年の6月15日に、熱海の海で漁夫が網をおろしていました。
すると、網には木像のような物がかかります。漁夫が不思議に思っていると、そこに童子が現れ「我は五十猛命(いたけるのみこと)である」と言い、更に「この地の波の音が聞こえない所に、7体の楠の洞がある。そこに私を祀れ。そうすれば村人をはじめ、この地を訪れた者も守護しよう」と告げたそうです。
そこで村人一同、お告げの地として探し当てた場所が、現在の來宮神社の地です。
ご祭神の五十猛命は、樹木と自然保護の神です。素盞鳴尊(すさのおのみこと)の御子であり、素盞鳴尊と共に朝鮮に渡っています。そして、樹種を持ち帰り日本の国に播種した神とされています。
來宮神社では毎年6月15日(新暦7月15日)に海岸へ出て、当時を偲ぶお祭り「7月の例大祭・こがし祭」が行われています。海辺で神に「麦こがし」をお供えした故事に倣い、今でも古くから引き継がれてきた「麦こがし」を神に供えています。
來宮神社のご神木「大楠」は、古くからこの楠に神の霊をお招きして神を祀る、神の依り代となるヒモロ木です。來宮神社は「木宮明神」と称され、熱海の地主神であり、来福・縁起の神として人々に篤く信仰されてきました。
また、地元の人だけでなく、熱海を訪れた旅人をも守護する神として、旅人からの信仰も集めてきました。
平安時代初期には、征夷大将軍・坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)公が、來宮神社で戦勝祈願をしたそうです。そして、各地に御分霊が祀られたと伝えられています。全国に來宮神社は44社あり、熱海の來宮神社が総社となっています。
伊豆地方には來宮神社が十数ヶ所あり、各社には必ず千年以上のご神木が見られます。古来より木に宿る神々をお祀りし、生活・文化に欠かせない木への感謝を示すべく、篤く信仰されてきました。
江戸時代の終わりに、熱海の村では「大網事件」と呼ばれる漁業権をめぐる事件が勃発しました。
古記によると、その際に訴訟費などを捻出するために、來宮神社の境内に聳えていた7本の楠のうち、5本が伐採されてしまいました。残りの大楠も伐ろうと、木こりが大鋸を幹に当てようとした瞬間、怱然として白髪の老人が現れたそうです。
そして、老人が両手を広げ、伐採を遮る様な姿勢をとりました。すると、木こりの手にあった大鋸は、真っ二つに手元から折れ、同時に老人の姿が消えたそうです。これは神のお告げだとして、村人たちは大楠の伐採を中止しました。
残された楠が、現在の來宮神社の霊験あるご神木の2本です。「大楠」は天変地異にも耐え抜いてきた、超越した生命力から「不老長寿・無病息災」の象徴とされています。常緑樹である楠は、恒に青々と葉を茂らせ、古葉は落ち新葉が成長していきます。そこから「子孫繁栄・国家弥栄」の象徴でもあります。
「大楠」のように、どんなことが起きようとも動じず、ひたすら自分らしく生きて寿命を全うしたいものですね。「大楠」からは、力強く生きていく力を授かれるのではないでしょうか。
來宮神社のご祭神
ご祭神
日本武尊(やまとたけるのみこと)
五十猛命
大己貴命(おおなもちのみこと)
來宮神社のご利益
來宮神社は、縁結び・心願成就・不老長寿・子孫繁栄・国家の繁栄・無病息災・芸能上達・立身出世・営業繁昌などの、ご利益があります。授与品の御朱印帳には、楠の葉をあしらった木製のものがあり、木の温もりが感じられる珍しいものとして人気です。
また、.約40種類のお守りも授与され、御神木の大楠の葉が内符された「楠の葉守」、大楠と同じ楠の木で作られた「木肌守」なども人気となっています。
來宮神社のどこが見どころか?
來宮神社の境内は、緑と水の自然に囲まれた、心安らぐご神域となっています。江戸時代までは「木宮」と記されていた來宮神社の境内には、ご神木の「大楠」が聳えています。
悠久の時を経て根を下ろす「大楠」を思う時、神の気配が感じられるのではないでしょうか。大樹に宿る神に祈ることは、自分自身を見つめ直すための良い機会ともなることでしょう。
來宮神社では日没後の落ち着いた時間に、約160個の灯りで「大楠」が点灯されます。灯りは草木に宿る木霊を表したものです。闇夜に浮かぶ「大楠」はさらに神聖さが増し、見応えがあります。
境内には、4か所ほどカフェもあり、ゆっくりと寛いで過ごすことで、來宮神社に流れる力強いエネルギーを吸収できることでしょう。
大楠(国の天然記念物)
來宮神社の本殿裏に、樹齢約2100年を誇る大楠が聳えています。迫力ある大楠は、幹周り23.9m・高さ26mを誇ります。1周すると寿命が1年延び、心に願いを秘めつつ1周すれば願いが叶うとの言い伝えがあります。縁結び・禁酒・商売繁盛などのご利益もあるとされる、パワースポットとして有名です。
青々と葉を茂らせた圧倒的な生命力には、恐れすら感じられます。深く大地に食い込む根、巨岩を抱きかかえた幹は石のようなこぶとなり、それでも、衰えず伸びゆく樹勢に大いなるパワーを授かれることでしょう。
第二大楠
來宮神社の境内には、樹齢1300年とされる「第二大楠」もあります。「大楠」と同じくご神木として祀られています。第二大楠は約300年前の落雷により、幹の中が空洞状となっています。それでも、青々と葉をつけて生き長らえる「第二大楠」の生命力に、ただただ感動を覚えることでしょう。
神が宿りしご神木であることを実感します。木の中に入り祈願する事ができますが、雷に打たれた楠の内側を手で触ると、今でも黒いすすが付くので注意しましょう。祠には、縁結びの神・大己貴命が祀られています。
紡来の縁(つむぎのえん)
「大楠」のすぐ脇にある細い道を登っていくと「紡來の縁」と呼ばれる、大楠の方に突き出したデッキがあります。定員2名の制限がある細いデッキは、少し揺れますがフォトスポットとしても人気です。「大楠」をより近くに感じられることでしょう。
楠への小路
ご祭神・五十猛命の遷座1300年奉祝記念の事業の1つとして、境内緑化事業「楠への小路」の造成工事が行われました。「大楠」への参道には、元々あった真竹・孟宗竹に加え、アオキ・ヤツデ・オカメササ・ツワブキ)・キチジョウソウなど、日本古来の植物を中心に「祝い・災い除け」など意のある植物約6000株が植栽され、参道には珪藻土が敷かれています。
小路の緑のトンネルを抜けた先に、大楠の荘厳な姿が見られます。木々の間から差し込む木漏れ日の、優しい光に心も癒されることでしょう。
來宮弁財天
來宮弁財天は、開運出世・芸能上達・営業繁昌・身体強健のご利益があることで知られています。徳川家武臣・大久保将監は、奥州の金華山の弁財天を訪れ、神を拝するための種々の修法を授けられ、21日間水をとり熱心に祈願します。
満願の日には、滝壺から宝珠の石が現れたそうです。その霊体には「軍を破る七つの星」の姿が現れていたため、7年間日夜怠ることなく信心務めると、宝殊の玉威徳が現れました。そして、遂に諸願成就し、官位豊前の守にまで出世されたそうです。それ以降、この霊験を聞き祈願に訪れる人が後を絶ちません。
來宮弁財天像は、高村光雲(たかむらこううん)作で、年に1度の11月23日の弁天祭にのみ御開帳されます。
お水取り
來宮神社では、良い気に満ちたご神水をいただくことができます。健康成就・運勢開運などのご利益が授かれます。お水取り初穂料は一回1,000円ですが、霊験ある來宮神社のお水取りは人気があります。
來宮神社の一番パワーのある所
來宮神社は、力強いエネルギーに満ちています。樹齢2100年もの「大楠」には、特にパワーがあるとされています。
來宮神社のまとめ
静岡県熱海市西山町に鎮座する來宮神社は、古くより木に宿る神々を祀る神社として崇敬を集めてきました。境内には本州最大で樹齢2100年以上とされる、国の天然記念物「大楠」が聳えています。生命力に溢れた「大楠」は、健康長寿・心願成就・子孫繁栄のご利益があり、パワースポットとして人気です。
「大楠」は夜間ライトアップされ、幻想的な姿も見られます。青々と茂る木々に守られた來宮神社には、心地よい癒しの力と、生命力に溢れた力強いパワーが流れ、多くの参拝者が訪れています。
(ライター 梅花桜花)
基本情報
〒413-0034 静岡県熱海市西山町43-1
TEL 0557₋82₋2241
定休日 無
拝観時間 24時間参拝可能
拝観料 無
アクセス 東名高速道 早川ICより 30分
JR来宮駅から 徒歩5分
JR熱海駅から 十国峠行・西山循環バス 來宮神社前下車 すぐ
駐車場 有
https://kinomiya.or.jp

