勝利・強運の神として信仰を集める「東郷神社」
東郷神社は、 東京都渋谷区神宮前に鎮座しています。原宿駅にも程近い東郷神社の境内には、豊かな緑と四季折々の花々に囲まれた美しい日本庭園があります。庭園には亀や鯉などが悠々と泳ぐ池もあり、静かで心安らぐ空間に、訪れた人々は都心であることを忘れてしまうことでしょう。
東郷神社のご祭神には、軍神・東郷平八郎(とうごうへいはちろう)命が祀られています。東郷平八郎氏は、幕末から昭和初期にかけて激動の時代を生き抜いた軍人です。日露戦争の海戦においては、東郷氏の戦法により小さな日本が、大国・ロシアを打ち破り大勝利を収めています。
これをきっかけに、「世界の東郷」「東洋のネルソン」「沈黙の提督」と尊敬され、国内のみならず世界の英雄として名を轟かせました。国家に忠節を尽くし、真面目に誠実に生き抜いた人生で、東郷氏は大いに賞賛された方です。
その東郷氏が天寿を全うされた後、国民の要望・浄財により、東郷神社は創建されました。東郷氏の御徳を後世まで語り継ぎ、顕彰するためです。劣勢でありながら勝利を掴んだことから、東郷神社は至誠・勝利・強運の神として親しまれています。
また、東郷氏は愛妻家であったことで知られ、縁結びの神としても知られています。受験や試験、恋愛成就、新しいことに挑戦する時などに、お参りされる人の姿が多く見られます。都心のパワースポットをゆっくりと散策して、強力なパワーをいただきましょう。
東郷神社の特徴
東郷神社のご祭神・東郷平八郎氏は、日露戦争において海軍の連合艦隊司令長官に任命されました。
当時、ロシアは世界屈指の戦力を誇り、バルト海に拠点を置くバルチック艦隊が7ヵ月をかけ日本海へと向かっていました。その間、東郷氏はリーダーシップを発揮し、日本軍は射撃・夜戦の訓練を積みました。海戦では「東郷ターン」と呼ばれる戦法で、敵艦を次々と炎上させ、大勝利を収めました。
東郷氏には、他にも多くの英雄伝が残されています。また、人柄においても素晴らしく、捕虜となったロシア兵などに対し、手厚く介抱し、日本に留まらせる自由をも与えました。そのような温かい人柄も相まって、世界の人々から功績が称えられています。
特に、ロシアと隣接するトルコでは、常にロシアの脅威に脅かされていたため、小さな日本を勝利へと導いた東郷氏を賞賛する声が高く、生まれた子に「トーゴ―」という名を付けるのが流行したほどです。東郷氏は、アメリカの雑誌「TIME」の表紙をも飾りました。
昭和9年に、東郷氏は88歳で天寿を全うします。東郷氏は生前「至誠(真心)は神に通じる」との思いを大切にされた方でした。
その東郷氏の功績を後世に伝えるべく、全国各地から海軍省に多くの献金が寄せられたそうです。そして、昭和15年に東郷神社が創建されました。しかし、東京大空襲により社殿は焼失しています。その後、昭和39年に東郷神社は再建されました。
東郷氏は、鹿児島県鹿児島市加治屋町の出身です。加治屋町は、薩摩藩の下級武士の居住地でした。実は東郷氏の近所には驚くことに、西郷隆盛(さいごうたかもり)・大久保利通(おおくぼとしみち)・大山巌(おおやまいわお)など、幕末〜明治に活躍した大物たちが住んでいたそうです。
この地域では「郷中教育」(ごじゅうきょういく)が行われ、地域(郷中)毎に年長者が年少者の面倒を見たそうで、相撲・剣術・儒教に至るまで学べるシステムだったそうです。薩摩藩独自の教育のクオリティは、輩出された多くの偉人からよく伝わりますね。
また、東郷氏は「肉じゃがを誕生させた」人という話も残されています。イギリスに留学経験があった東郷氏は、イギリスのビーフシチューの美味しさを忘れられず、艦上食として依頼しますが、洋食の材料が入手困難な時代でした。
そこで、料理長が苦肉の策として生み出したメニューが、「肉じゃが」と言われています。東郷氏の一声がなければ、日本食として定着した肉じゃがが生まれてなかったと思うと、感謝の思いもひとしおですね。世界に誇れる大英雄「東郷氏」ですが、温かい人柄と親しみをも感じられるのではないでしょうか。
東郷神社のご祭神
ご祭神
東郷平八郎命
東郷神社のご利益
東郷神社は、劣勢を強いられる戦いながら勝利を掴み取ったご祭神から、至誠・勝利・強運・縁結びの神として信仰されています。
授与品の「勝守・勝札」は、人気があります。東郷氏が海軍解散式の訓示を締めくくった言葉、「勝って兜の緒を締めよ」に因んだものです。戦国時代・北条氏綱(ほうじょううじつな)が遺した言葉を、東郷氏が引用した言葉として広く知られています。
東郷神社のどこが見どころか?
東郷神社の境内には、都会の喧騒を忘れさせる、豊かな自然が広がっています。社殿前の階段を下りた左側には、「神池」へと続く道があります。
回遊式の神池は、都会のオアシスとして親しまれ、荘厳な社殿を背景に、季節ごとの彩りを楽しめます。特に春の桜・秋の紅葉は美しく、夜には池全体がライトアップされ、神秘的な景色も見応えがあります。
境内を散策していると、「Z旗」と呼ばれる「赤・青・黒・黄色」のカラフルな旗が目につくことでしょう。このZ旗は、海軍では大成功を期する旗として掲げられていたものです。
神池には、築地・海軍用地に鎮座していた、水交神社の銅鳥居も見られます。海軍の方々を慰霊するためのお社や碑などもあり、激動の時代を生きた人々への感謝の思いが沸いてきます。参拝を済ませたら、境内をゆっくりと散策してみてはいかがでしょうか。
海の宮
昭和47年に境内霊社「海の宮」が、創建されました。海の宮とある通り、海軍をはじめ海事・水産関係者などが、合祀奉斎されています。重厚な黒の扉には金の装飾が施され、灯籠の装飾も美しく、境内でも存在感を放つ祖霊社です。
壁には東郷氏の一生を絵画で表した絵が展示され、解説を楽しむこともできます。
殉国碑
戦争の歴史が刻まれた「潜水艦殉国碑」は、大きな犠牲を払った潜水艦の殉国者の碑です。悲惨な戦争を今に伝え続けるため、戦争について記された碑文や、魚雷の模型も展示されています。
東郷蔵
境内には、東郷邸の一部・土蔵1棟のみ、居住地の麹町より移築されました。戦災で家屋が焼失した中、土蔵のみ残されるも、損傷が激しいため不燃の建物に建て替えられています。土蔵から当時の建築様式・扉の装飾など、時代の一端を垣間見ることができます。
至誠館
社殿に続く階段傍にある至誠館は、 10畳広間の茶室と、東郷氏ゆかりの品々を収蔵する小展示室があります。茶室は、畳廊下と広間・水屋からなり、茶会・迎賓接遇・結婚式などに利用されています。
東郷記念館
社殿の横の神池などの美しい庭園を望める場所に、令和4年にリニューアルされた東郷記念館があります。東郷記念館は結婚式でもよく知られ、他にもパーティーや記念日などに利用されています。
また、約2,000坪もの広さを誇る東郷の杜は、その自然を維持するため、平成25年より養蜂活動が始まりました。東郷記念館では、境内を元気に飛び回るミツバチから採取した、最高峰の蜂蜜を購入できます。
東郷神社の一番パワーのある所
東郷神社は、渋谷のパワースポットとして知られています。拝殿前が一番パワーがあるとされています。
東郷神社のまとめ
東京都渋谷区神宮前に鎮座する東郷神社は、至誠・勝利・強運の神として親しまれ崇敬されてきました。ご祭神の東郷平八郎命は、日露戦争の日本海海戦で大勝利へと導いた英雄です。
「世界の東郷」などと称され、世界の人々から賞賛されました。東郷氏が天寿を全うされると、国民の要望・浄財により、東郷神社が創建されました。
原宿駅のすぐ傍に鎮座していますが、都会とは思えないほどの、自然豊かで広大な敷地を誇ります。静かで心落ち着く東郷神社には、ご祭神の強力なパワーを授かろうと、多くの参拝客が訪れています。
四季折々の景色も美しく、特に桜や紅葉の季節は見事です。都心のパワースポットを、ゆっくりと散策してみましょう。
(ライター 梅花桜花)
基本情報
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-5-3
TEL 03-3403-3591
定休日 無
拝観時間 4〜10月 6:00~17:00
11〜3月 6:30~17:00
拝観料 無
アクセス JR山手線 原宿駅 竹下口より徒歩3分
東京メトロ(千代田線・副都心線)明治神宮前駅 5番出口より徒歩5分
首都高速 3号線・池尻インター 4号線・外苑インター 下車
駐車場 有(有料 6:45~24:00)
https://togojinja.or.jp/

