鳩森八幡神社の富士塚を登ってご利益パワーアップ
鳩森八幡神社は、昔から東京・千駄ヶ谷の総鎮守として人々に崇められてきました。境内には富士塚があり、東京都の有形民俗文化財に指定されています。その富士塚は今やパワースポットとして人気です。富士塚をぜひ登ってご利益パワーを頂きたいですね。
それから神社の隣には将棋会館があるので、将棋にも縁のある神社として知られています。王将と書かれた大きな駒が奉納されているお堂、将棋堂があります。勝運や技術の向上を願い、多くの棋士や将棋好きの方からも厚く信仰されている神社です。運が良ければ、有名な棋士の方に会えるかもしれないと思うと参拝する楽しみも増えます。
神社周辺には国立競技場・東京体育館・新宿御苑・明治神宮・代々木公園などがあります。そんな広い緑地帯や大きな神社と比べたら、鳩森八幡神社は住宅街の一角にひっそりとあると言われてしまうかも知れません。
あまり広くはない境内ですが、手入れが行き届いていて清らかで気持ちの良い場所です。桜・つつじ・紫陽花・菖蒲・紅葉・銀杏と、季節ごとの美しい花や景色を感じられる神社で、地元の方だけでなく多くの方に慕われています。
鳩森八幡神社の名前の由来となった鳩は、八幡大神の神使いとして有名です。昔、林の上空には良いことが起こる前兆である瑞雲がよく現れたそうで、ある時空から雲が降りてくるのを見た人が林に入っていくと、たくさんの白鳩が西に向かって飛び立ちました。それから、林に神様が宿る祠を営み、鳩森(はとのもり)と呼んだことが名前の由来となっています。
慈覚大師(じかくたいし)(円仁)が関東を巡って来た時に、地元の人々が鳩森のご神体を強く求めお願いしたので、応神天皇(おうじんてんのう)と神功皇后(じんぐうこうごう)のご尊像を作り正八幡宮として祀り鳩森八幡神社となりました。神社の由来には、縁起の良い鳩と瑞雲が関係していますね。このことからも、元々この地は強いパワーを持っていたことが分かります。
僧侶が神社を作るなんて不思議ですが、奈良時代には朝廷が八幡大菩薩に神号を贈っています。仏教が普及してからは八幡信仰も広がりました。鳩森八幡神社は、八幡神社として関東ではかなり古くからの由緒ある神社です。
鳩森八幡神社の特徴
鳩森八幡神社は、平安時代前期の860年に慈覚大師によって正八幡宮となりました。現在の社殿は、総欅造りで落ち着きのある壮観な造りとなっています。第二次世界大戦で焼失し、長い年月をかけて復興し1993年に竣工しました。昔の社殿のように復元されています。
幣殿や拝殿の天井には、108点もの草花や暮らしの道具の天井絵が描かれています。暮らしの道具の天井絵は珍しいですね。境内には他にも、立派な能楽堂や将棋堂があります。末社として、甲賀稲荷社・富士浅間神社・神明社もあります。
そして富士塚は、千駄ヶ谷の富士塚と呼ばれています。この富士塚は、実際の富士山の山肌を感じられるような作りになっています。富士山を模倣して作った富士塚は、江戸中期に築造されました。当時は自然崇拝・山岳信仰が厚く、富士山まではなかなか行けないのでミニチュア版として作られたのです。
また当時は霊験あらたかな富士山には女性や子供は入山出来なかったことや、体の弱い人など登山できない人のために、富士山を感じられる場所としても作られたようです。高さおよそ6メートルの富士塚には登山道があり、ルートも3つあります。頂上付近には溶岩が置かれ、登山道は自然岩で階段が作られて、クマザサも植えられています。関東大震災の被害を受け修復したことがありますが、今もなお美しい姿を留め一年中登山と参拝をすることが出来るありがたい富士塚です。
富士塚の4合目には富士浅間神社があり、山頂には奥宮があります。7合目には洞窟があって食行身禄(じきぎょうみろく)の像が置かれています。食行身禄は富士講の指導者でした。富士講とは、富士山とその神霊への信仰を行うための民衆信仰のことです。江戸を中心として流行しましていました。当時、江戸のあちこちに富士塚が作られていました。
近くにあるようで、なかなかたどり着けない美しい富士山。昔の人々の思いや願いが厚い信仰となり、富士塚は築造されていたのですね。現代の人々も、遠くに富士山が少し見えただけで、ありがたく幸せな気持ちになるのは、当時の人々の精神が受け継がれているのでしょうか。
鳩森八幡神社のご祭神
主祭神は応神天皇と神功皇后です。山城国石清水八幡宮に宇佐八幡宮を遷座したと言われる故事より、正八幡宮として応仁天皇と神功皇后の御尊像が祀られています。第15代天皇である応神天皇は、仲哀天皇と神功皇后の子です。
他に甲賀稲荷社・富士浅間神社・神明社のご祭神が鎮座しています。甲賀稲荷社のご祭神は、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)商売繁盛のお稲荷様です。富士浅間神社ご祭神は、木花咲邪姫命(このはなさくやひめのみこと)美しさの女神です。神明社ご祭神は、天照大神(あまてらすおおみかみ)太陽のような大御神です。
鳩森八幡神社のご利益
諸願成就・縁結び・子宝・安産・勝負運などのご利益があります。お守りの種類が豊富で、可愛らしいお守りなども揃っています。将棋との縁もある神社なので、大手勝守・大手守などの珍しいお守りもあります。
おみくじは、鳩みくじがとても可愛らしいです。おみくじを結んだときに鳩の絵柄になるようになっています。専用の場所に結び付けられたおみくじは、鳩がズラリと並んだようになりほっこりと癒されます。他にもお守りや絵馬・御朱印・授与品などにも、鳩の絵柄が入っていて可愛く人気があります。
祀られている木花咲邪姫命は、日本神話では絶世の美女・最も美しいと言われる女神です。美への憧れは誰でも少なからず持っているのではないでしょうか。富士塚に登って女神のご利益を頂きたいですね。
また将棋堂は将棋界の守護神となっていますが、将棋以外の勝運にもご利益があります。ここぞという時には足を運んでみてはいかがでしょう。
鳩森八幡神社のどこが見どころか?
鳩森八幡神社の一番の見どころは、何といっても富士塚です。頂上まで3分くらいで着いてしまいますが、富士山を再現した見事な富士塚です。富士塚を登れば富士山を登ったこととされ、富士山パワーを頂ける有難い素敵なスポットです。
それから、将棋堂も見どころの一つです。将棋堂は昭和61年に建てられた新しいお堂です。二本の立派な欅の間に作られたお堂は六角形で、天地と四方を合わせて六・全方位を表しています。
当時の将棋連盟会長だった大山康晴15世名人により、欅で作られた高さ120センチもの大きな王将の駒が奉納されました。その駒を収めるためのお堂として将棋堂が設けられました。駒の後ろには八幡神が祀られています。
また、ご神木である大銀杏はとても存在感があります。第二次世界大戦で神社は焼失しましたが、このご神木だけは戦火を免れたのです。強いパワーを頂けそうな大銀杏ですね。鳩森八幡神社の境内は四季折々の美しい景色をゆっくりと楽しめるので、何度も足を運びたくなる見どころたっぷりの神社です。
鳩森八幡神社の一番パワーのある所
パワースポットと言われる場所は、富士塚の山頂です。登ると穏やかで優しい空気を感じ、清々しい気持ちになれます。元々この地には龍脈が流れていたようです。龍脈とは、山の尾根などを通る気やエネルギーの流れる道のことを指します。
日本では昔から、目に見えないパワーを感じられる所に神社や寺院が作られていたのですね。このあたりは瑞雲が現れた、鳩が集まっていたと語り継がれているのですから、当時からパワーが満ち溢れていたことが分かります。富士塚の大いなる力を頂きましょう。
ライター 梅花桜花
基本情報
住所:〒150-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷1-1-24
TEL:03-3401-1284
アクセス:
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・JR総武線 「千駄ヶ谷駅」より徒歩5分