貴船神社は日本三大縁結び神社の一つで女性に大人気
京都府京都市左京区にある貴船(きふね)神社は、全国でも名の知られる神社で、全国に450社あるといわれる貴船神社の総本社です。雪の降る季節の赤い灯籠は絶景で、外国人からも人気!
また、島根の出雲大社、石川の氣多大社と共に、「日本三大縁結び神社」といわれ、女性からも人気の高いパワースポットです。今回は、そんな「貴船神社」の人気の秘密や見どころ等、ポイントごとに紹介していきます。
貴船神社はどんな神社なのか?
貴船神社は水の神様をお祀りする神社。貴船山と鞍馬山に挟まれた場所に鎮座しています。貴船から鞍馬にかけては、源義経と鞍馬天狗ゆかりの地として、鞍馬寺とセットで観光・参拝する人も多いようです。
また、貴船神社は絵馬発祥の神社ともいわれています。参道沿いの貴船川の川床も趣があり、夏の風物詩に。古くから文学でも貴船神社は歌に詠まれており、新古今和歌集や千載和歌集、御拾遺和歌集などでも知ることができます。
駐車場の台数が少なく、貴船周辺にも一時利用の駐車場が殆ど無いことから、貴船神社に参拝に訪れる場合は、公共交通機関の利用がおすすめです。
貴船神社の歴史
貴船神社の創建年は不明ですが、ご社伝によると、第18代の反正天皇の御代(5世紀の初め頃)に神武天皇の母君の玉依姫命(たまよりひめのみこと)が黄色い船に乗ってこの地に上陸し、水神を祀ったのが始まりと言い伝えられています。
神社の名前の由来は、玉依姫命が乗ってきた黄色い船(=黄船)に由来しているのだとか。5世紀の初めからとすると、1,600年以上の歴史があることになり、京都有数の古社として歴代の朝廷からも篤く崇敬されてきました。現在の本殿・拝殿は2007年に改築されています。
貴船神社のご祭神
貴船神社のご祭神は高龗神の1柱です。
高龗神(たかおかみのかみ)
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉命(いざなみのみこと)の子で、火の神・軻遇突智(かぐつち)を産んだ時に火傷で伊弉冉命が亡くなってしまいます。伊弉諾尊がそれを嘆き悲しみ、軻遇突智を剣で斬った際に産まれたとされるのが、高龗神です。高龗神は雨を司る龍神として水を司り、そのご利益は水に関することのみならず、商売繁盛や縁結びにも至ります。
貴船神社のご利益
貴船神社の主なご利益については以下の通りです。
縁結び・復縁
貴船神社のご利益で最も強力といわれているのが「縁結び」。縁結びにご利益を与えて下さるのが、結の社(ゆいのやしろ)に祀られている「磐長姫命(いわながひめのみこと)」といわれています。磐長姫命は妹の木花之佐久夜毘売(このはなさくやひめ)と2人で瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の元に嫁がされますが、容姿が醜かった磐長姫命だけ送り返されてしまいます。悲しみの中、磐長姫命は「私はここに留まり、人々に良縁を授けよう」と縁結びの神として鎮座したといわれています。
平安時代の女流歌人・和泉式部も夫に浮気されて途方に暮れていたところ、復縁の祈願のために貴船神社を訪れたら、願いが叶い、復縁したという言い伝えからも、復縁のご利益もあるとのこと。もちろん、男女の縁だけでなく、仕事や学業、人間関係の縁結びにもご利益が期待できます。
運気隆昌・諸願成就
貴船神社は気の生ずる根源として「氣生根(きふね)」とされ、ご神気に触れることで気が満ちると考えられてきました。そうやって運気が上がり、願いも叶うことから、運気隆昌・諸願成就のご利益で知られています。
商売繁盛
ご祭神の高龗神は水の神ですが、商売繁盛のご利益も司っています。縁結びは金運につながるご縁も結びますので、金運の上昇も大いに期待できます。
祈雨・祈晴・厄除け
貴船神社は古来、京都の水源を守る神として、日照りが続く時は雨乞いをし、長雨が続いて晴れの日を願う時は祈願されていました。また、疫病が流行した時は厄除祈願がなされ、天下に大事がある時にもご祈念が続けられてきたといわれています。
夫婦和合
貴船神社に生えている御神木の「相生の大杉」はなんと樹齢1,000年!同じ根から2本の杉が生えており、こちらの御神木に夫婦円満の意味が込められています。また、2本の異なる木(杉と楓)が仲睦まじく伸びた「連理の杉」も夫婦和合のご利益があるといわれています。
貴船神社の見どころ
次は貴船神社の見どころについて見ていきましょう。貴船神社の見どころについては以下の通りです。
石段に並ぶ春日燈籠
貴船神社といえば朱赤の春日灯籠のイメージが浮かぶほど名物のもので、積雪のある冬には夜間ライトアップされた姿が美しく、外国人観光客にも人気です。紅葉の季節のライトアップも行われ、秋もまた違った彩りが楽しめます。この石段を上りきると、本殿に辿り着きます。
蛍岩(ほたるいわ)
和泉式部が「もの思へば沢の蛍もわが身より あくがれいづる魂かとぞみる」と詠んだのがこの蛍岩がある場所の辺りといわれています。この辺りはかつて蛍の名所で、6~7月には蛍の観賞もでき、復縁が叶うパワースポットとしても人気の場所です。
「本宮」「奥宮」「結の社」の三社参り
貴船神社は「本宮」→「奥宮」→「結の社(ゆいのやしろ)」の順で三社参りをするとご利益が強力になるといわれています。本宮はもともと奥宮のある場所にあったようですが、度重なる洪水の被害のため、1055年に現在の地に遷座されました。奥宮は玉依姫命が船で辿り着いた場所で、生い茂る緑の中にひっそりと佇んでいます。
そして縁結びのご利益を賜るには外せないのが「結の社」。ここに磐長姫命が祀られています。和泉式部が夫との復縁を願って参拝したのも結の社といわれており、三社すべてをお参りするのがおすすめなのは言うまでもありません。
奥宮の龍穴
「日本三大龍穴」の1つといわれ、貴船神社の奥宮の真下(地下)に巨大な龍穴があるとされています。誰も見ることが許されていないといわれており、本殿を修復していた際、大工が誤ってこの龍穴にノミを落としてしまったところ、突風が吹き荒れて、落としたノミを巻き上げたという言い伝えがあります。
樹齢1,000年の御神木「相生の大杉」
同じ根から伸びた2本の木がぴったりと寄り添うように立っている「相生の大杉」は樹齢1000年の巨木で、“夫婦円満の象徴”といわれています。本宮から奥宮に向かう途中にあります。また、杉と楓という異なる種の木が和合したとても珍しい「連理の杉」も奥宮にあるので、お見逃しなく。
天の磐船
「天の磐船」は結の社の境内にある船型の自然石で、結の社を訪れたらこの石も忘れずに見ておきたいところです。貴船の山奥から出土したとされる重さ6トンの苔生した自然石で、人と人とをつなげる縁結びの象徴ともいわれています。
ご神水
水の神様が祀られている貴船神社のご神水は非常に良質で、フランスの聖なる泉といわれる「ルルドの泉」と波動が似ていることから、「日本のルルドの泉」ともいわれています。本来は水占いをする場所ですが、ご神水はとても美味しく、汲んで持ち帰る人も多いのだとか。また、ご神水を使用した「ご神水ラムネ」も1本500円で販売されています。
七夕のライトアップ
貴船神社は七夕の季節にもライトアップされます。7/1~8/15までの期間に行われ、夏の風物詩としてライトアップを堪能することができます。浴衣を着て、笹に願いを託すのも素敵ですね。
貴船神社のお守り・御朱印帳・おみくじ
せっかく神社の参拝に訪れたなら、お守りや御朱印はチェックしておきたいですね。次は、貴船神社で販売されている「お守り」「御朱印帳」「おみくじ」について見ていきましょう。
お守り
貴船神社のお守りも種類豊富!特に人気はやはり縁結びの「むすび守」(初穂料1,000円)です。文型の「結び守」はピンクと水色の2色のタイプ。袋型は平安装束の男性と十二単の女性が描かれた2種類になっています。復縁や水除けには「水まもり」(1,000円)もおすすめです。水色と桃色の2種類あります。
そのほか、スマートフォンにつける「つなぐ守」(1,500円)や「肌守」(1,000円)、「子宝守」(1,000円)や「安産守」(1,000円)など、可愛らしいお守りもいっぱい!「ルアー御守」なんていう変わり種も面白いですよ。ご利益を高めるために、お守りも手に入れることをおすすめします。
御朱印帳
貴船神社の御朱印帳は水の神様ということもあってか、大ぶりの水玉模様の御朱印帳が3種類(ピンク、ゴールド、ブラック)。ピンクの「さくら」とゴールドの「きく」の御朱印帳も和柄で上品なデザインです。いずれも初穂料は1,500円。
また、季節ごとの限定御朱印帳も見逃せません。秋は紅葉の御朱印帳が、新緑の季節には青紅葉の御朱印帳が出るようです。御朱印帳かばんも販売されています。
おみくじ
貴船神社のおみくじは「水占い」が有名です!何も書かれていないおみくじ(200円)をご神水に浸すと文字が浮かび上がってきてそこに運勢が書かれています。当たると評判の水占いおみくじ。こちらも是非試してみて下さいね!
絵馬
貴船神社は「絵馬発祥の地」ともいわれています。古来、干ばつの時には黒馬を、長雨が続く時には白馬もしくは赤馬を奉納して祈願したとされており、馬型の板に色を付けて奉納したことから、これが絵馬の原形といわれています。貴船神社を訪れたら、3種類の絵馬も是非チェックしてみて下さいね。
貴船神社の特にパワーがある場所
貴船神社で特にパワーがある場所は龍穴がある「奥宮」です。不思議な言い伝えの残る龍穴は奥宮の本殿の真下にあります。実際に見ることはできませんが、龍穴の底知れぬパワーは強力!水の神様であり、龍神でもある高龗神のパワーが感じられる場所です。
まとめ
幽玄なライトアップが美しい貴船神社。季節ごとに楽しみたいところですね。縁結び祈願に訪れたら、三社を順番にお参りして、結び文に願い事を書き、結び処に結ぶと叶うといわれています。鞍馬寺と合わせて義経ゆかりの地を散策するのもいいですね。
ライターネーム Kikumikan
基本情報
住所:京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
電話番号:075-741-2016
営業時間:6:00~18:00(授与所は9:00~17:00) ※季節によって変更あり(ライトアップ期間中は延長)
HP:https://kifunejinja.jp
駐車場:有料駐車場(25台)あり
アクセス:叡山電鉄 貴船口駅から京都バス(33系統・貴船行き)で「貴船」下車→徒歩約1分
※記載した金額等は2022年2月時点のものであり、変更の可能性があります。