女性人気縁結びや美麗祈願で有名な下鴨神社と河合神社
京都府京都市左京区にある下鴨神社(賀茂御祖(かもみおや)神社)と河合神社は、勝利や導きなどのご利益のほか、縁結びと美を司る神様が祀られており、女性から多くの支持を集める京都最古の神社です。また、下鴨神社は「古都京都の文化財」の1つとして世界遺産に登録されています。
市街地にありながら、美しい自然と空気にあふれたこの神社にはいったいどんな魅力が詰まっているのでしょうか?今回は、そんな「下鴨神社と河合神社」の人気の秘密や見どころ等、ポイントごとに紹介していきます。
下鴨神社と河合神社はどんな神社なのか?
下鴨神社は、2,100年以上の伝統がある京都最古の神社で、正式名称は賀茂御祖(かもみおや)神社といいます。1994年(平成6年)には世界遺産に登録。社殿は2つが国宝に指定されており、31棟は国指定の重要文化財です。
JR京都駅からは市バスで約30分の場所に鎮座する市街地の神社ですが、世界遺産の貴重で豊かな「糺(ただす)の森」という大自然の中に社殿があります。
糺の森が関西ラグビーの発祥の地ということから、末社の1つである「雑太社(さわたしゃ)」はラグビーの神様としてラグビーファンが世界中から集まる社です。勝利、導き、縁結びのご利益があるといわれており、摂社の河合神社には美麗祈願のご利益があることで知られています。
河合神社は「方丈記」の作者の鴨長明(平安末期~鎌倉初期の随筆家)が幼少期を過ごしたとして縁が深いとされ、晩年過ごしたといわれる「方丈の庵」が河合神社に展示されていますが、「方丈記」はこの方丈庵で書かれたものと考えられます。
下鴨神社と河合神社の歴史
下鴨神社は社伝によると、初代天皇の神武天皇の御代にご祭神が御蔭山に降臨したと伝わっています。瑞垣の修造が紀元前90年(崇神天皇7年)に行われたという記録が残っていることから、実際はそれ以前に祀られていたと考えられ、少なくとも約2,100年以上の歴史があることになります。
奈良時代以前から下鴨神社は上賀茂神社と共に朝廷からの崇敬を受け、平安時代の807年には最高位にあたる正一位の神階に位置付けられ、名神大社に。明治期になると、全国の神社の代表として官幣大社の首位とされます。河合神社は下鴨神社の摂社で、こちらも創建年は不明ですが、古くから祀られています。
下鴨神社と河合神社のご祭神
下鴨神社と河合神社のご祭神は玉依姫命と賀茂建角身命の2柱です。
東殿:玉依媛命(たまよりひめのみこと)
東殿のご祭神である玉依媛命は、鵜葺草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)と結婚し、初代天皇の神武天皇や上賀茂神社のご祭神である賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)を産み育てたといわれています。玉依姫命は水を司る神で、縁結び、安産、子授け、子育て、精神の安定、月経の正常化、交通安全などのご利益を司っています。
西殿:賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)
西殿のご祭神は賀茂建角身命で、賀茂建角身命は玉依姫命の父君です。賀茂建角身命は京都の守護神として崇敬されてきた神で、農耕を広め民生の安定に努めたといわれています。また、八咫烏(やたがらす)は賀茂建角身命の化身ともいわれており、神武東征の際、八咫烏となって神武天皇を先導し、勝利に導いたとされる神です。
このことから、賀茂建角身命のご利益は、勝負運、導き・道開き、五穀豊穣、殖産興業、世界平和、厄除け、方除など多岐に亘ります。
下鴨神社と河合神社のご利益
下鴨神社と河合神社の主なご利益については以下の通りです。
勝利祈願
下鴨神社のご利益は多岐に亘っていますが、そのご利益の中でも特にご神徳が期待できるのが、「勝利」のお願いです。神武東征の時に八咫烏となって神武天皇の道案内をし、勝利に導いたご祭神の賀茂建角身命の伝説が由来となっています。
道案内・導き・道開き
道案内・導き・道開きもご祭神の賀茂建角身命が司るご利益で強力なものです。こちらも神武東征時の道案内に由来しています。下鴨神社を参拝することで、人生の岐路に迷った時や自分が進む道へのお導きをいただけるはずです。
縁結び
下鴨神社の最も有名なご利益がこの「縁結び」といえるでしょう。ご祭神の玉依姫命が縁結びの神様ということに加え、下鴨神社の末社「相生社(あいおいのやしろ)」には産霊神(むすひのかみ)が祀られています。相生社のすぐ横には連理の賢木(れんりのさかき)といわれる2本の寄り添う御神木があり、男女のご縁だけでなく、人と人とのご縁を繋ぐご利益が期待できます。
安産・子育て・子授け・家庭円満
ご祭神の玉依姫命は女性を守護する神様です。玉依姫命が司るご利益の中には、安産・子育て・子授けがあります。また、相生社にある連理の賢木は根元に子供の木が芽生えており、縁結びだけでなく、安産や育児、家庭円満のご神徳がいただけるといわれています。
美麗祈願
ご祭神の玉依姫命は女性の守り神。また、玉のように美しいといわれることからも「美麗の神」として崇められています。下鴨神社の摂社である河合神社の鏡絵馬に普段使用している化粧品でメイクを施し、美麗祈願をすると外見も内面も美しくなれるという事で女性の参拝者が後を絶ちません。
下鴨神社と河合神社の見どころ
次は下鴨神社と河合神社の見どころについて見ていきましょう。下鴨神社と河合神社の見どころについては以下の通りです。
国宝の東本殿・西本殿
ご祭神の玉依姫命と賀茂建角身命はそれぞれ東本殿と西本殿に祀られています。本殿は19世紀後半(江戸末期)に造営されました。東本殿も西本殿も共にユネスコの世界遺産であり、国宝にも指定されています。
残念ながら、通常は観ることはできないので、夏・冬に行われるイベントや春・秋の特別公開の機会を狙って拝観しましょう。柱と柱の間が三間ある三間社流造(さんげんしゃながれづくり)の美しい本殿は見ごたえバッチリです。
糺の森
下鴨神社の参道は、創建時から存在する野生の「糺の森」の緑に包まれています。世界遺産にも登録されたこの糺の森は、3万6千坪(約12万4千㎡)ともいわれており、その大きさは東京ドームの約3倍とも。
元々は495万㎡あったといわれますが、応仁の乱などの中世の戦乱による焼失や明治期の寺社領の没収などがあり、現在に至ります。平安時代の詩歌でもその景観の美しさを詠まれ、季節の花や紅葉、雪景色、小川など自然の神秘を味わうことができます。
相生社と連理の賢木
相生社は「連理の賢木」 の御神木とともに下鴨神社の縁結びスポットとしておなじみ。2本の木が1つになっている不思議な木は京の七不思議のひとつに数えられています。縁結び祈願で訪れる人は是非、相生社も参拝してみて下さいね。相生社にはご利益のある参拝の仕方があるようなので、詳しくは下鴨神社のHPへ。https://www.shimogamo-jinja.or.jp/enmusubi/
河合神社と方丈の庵
河合神社は鴨長明ゆかりの地としても知られており、河合神社の境内に鴨長明の方丈の庵が復元されています。河合神社は美麗祈願のパワースポットとして人気の場所でもあり、手鏡の形の絵馬にメイクを施し、キレイになりたいという願掛けをする女性の聖地となっています。
御手洗池(みたらしいけ)
「みたらし団子」の発祥の地ともいわれるのが、この御手洗池の湧水の泡がはじまりと考えられています。お清めのために下鴨神社を訪れた後醍醐天皇が御手洗池の水を手ですくった時、5つの泡が浮かび上がったことから生まれたのだとか。御手洗池ももちろんですが、下鴨神社を訪れたら、みたらし団子も味わっておきたいですね。
葵祭
京都三大祭の1つである「葵祭」は約1,400年前から続く伝統のお祭りで、毎年5月に開催されます。総勢500名ともいわれる平安装束をまとった王朝行列の儀は見ごたえ抜群で、葵祭を観に日本全国から多くの人が訪れます。5月3日に行われる流鏑馬神事も葵祭の重要なイベントの1つ。どちらも必見です!
下鴨神社と河合神社のお守り・御朱印帳・おみくじ
せっかく神社の参拝に訪れたなら、お守りや御朱印はチェックしておきたいですね。次は、下鴨神社と河合神社で販売されている「お守り」「御朱印帳」「おみくじ」について見ていきましょう。
お守り
下鴨神社のお守りは玉依姫命が女性の守護をされている神様ということもあってか、女性らしい可愛いデザインのものがいっぱい。中でも人気のお守りが、心願成就の「媛(ひめ)守」(初穂料1,000円)と開運招福の「レース守」(2,000円)。「媛守」は種類豊富で同じものは他に1つもないのだとか。素敵すぎて迷ってしまいそう。
小さいコンパクトサイズの「縁結び絵馬守」(800円)も可愛くておすすめ。下鴨神社のお守りは種類もたくさんあり、男性向けのものもあります。ラグビーの聖地ということもあり、「ラグビー御守」(1,000円)というのもありますよ。
御朱印帳
下鴨神社の御朱印帳は、シンプルな御朱印帳で、神紋の双葉葵と藤の花が描かれています(初穂料2,000円)。白のほか、紺とピンクがあり、ビニールのカバーが付いているのが嬉しいところです。その他、手作りの御朱印帳(1,500円)も素朴な和柄でとても素敵なデザイン。御朱印(初穂料500円)は、通常の御朱印だけでも6種類あり、ゲットしがいがありますね。
おみくじ
下鴨神社で人気のおみくじは「水占い」(初穂料300円)です。御手洗池に何も書かれていない「みずみくじ」を浮かべると文字が浮かんできます。水占いで運試しもやっておきたいですね。
鏡絵馬
河合神社で美麗祈願をする際に授与される手鏡型の鏡絵馬に思い思いのメイクを施し、裏には願い事を書いて奉納します。美しくなりたいのは全女性の願い。絵馬と合わせてお守りも買ってさらにご利益を高めたいところです。
下鴨神社と河合神社の特にパワーがある場所
下鴨神社と河合神社で特にパワーがある場所は連理の賢木がある相生社といわれています。縁結びのご利益も強力で、特に強力なパワーを感じられる場所ですので、お見逃しなく!
まとめ
女性に大人気の下鴨神社と河合神社。参拝・拝観する場合は、最低でも3時間は余裕を持って行くとゆっくりと回れます。特に縁結び祈願や美麗祈願はご利益のある参拝方法がありますので、作法に則ってみて下さいね。みたらし団子や甘味処などもしっかり堪能しちゃいましょう!
ライターネーム Kikumikan
基本情報
住所:京都市左京区下鴨泉川町59
電話番号:075-781-0010
営業時間:6:30~17:00
HP:https://www.shimogamo-jinja.or.jp/
駐車場:神社西側に駐車場あり(西駐車場・10台) ※周辺にも有料の駐車場が複数あり
アクセス:
・京阪本線 出町柳駅から徒歩約12分
・京都駅から市バス(4番・205番)で「下鴨神社前」下車
・その他行き方は→https://www.shimogamo-jinja.or.jp/access/
※記載した金額等は2022年3月時点のものであり、変更の可能性があります。