政宗公の栄光や情熱を感じる青葉神社
東北の英雄と言えば、初代仙台藩祖・伊達政宗(だてまさむね)の名前があがります。その政宗公が祀られた青葉神社は、宮城県仙台市青葉区の緑に囲まれた閑静な住宅街に鎮座しています。
明治初期に創建された比較的新しい青葉神社は、仙台のパワースポットとして知られ、また、歴史好きな方にはたまらない魅力的な神社です。江戸時代後期から明治時代初期にかけて、藩祖を祀る神社を創建することが全国的に流行しました。青葉神社もその一つで、旧藩士らの要望によって創建されたのです。
粋な格好の「伊達男」・「独眼竜」などと呼ばれた政宗公は、天下統一の野望があったものの、晩年は徳川家に忠義を尽くし三代将軍・家光公からは「伊達の親父殿」と慕われていました。
また豊臣秀吉公には、無礼を働き首を切られてもおかしくない窮地を、機転によって切り抜けています。政宗公があと10年早く生まれていたら、歴史が変わっていただろうと言われる程で、政宗公の大物ぶりが窺えます。
青葉神社は桜の名所でもあり、紅葉の景色も素晴らしく豊かな自然に溢れた神社です。毎年5月に開催される「仙台青葉まつり」神輿渡御(みこしとぎょ)でもよく知られています。
美しい「杜の都」と呼ばれる仙台ですが、近年、政宗公の時代から400年という時を経て「星の街」であることが発見されました。仙台市内の地図上「青葉神社・仙台東照宮・仙台城本丸・大崎八幡宮・愛宕神社・榴岡天満宮」を線で結ぶと、六芒星が現れるのです。六芒星の中心は芭蕉の辻と言われています。
六芒星は神聖な図形であり「ダビデの星」と呼ばれています。日本でも古来より魔除けとして用いられてきました。仙台の町並みには、六芒星の結界が張られていたのではと推測されています。「星の街」の真相はとてもミステリアスでわくわくしますね。偶然とは言い難く、意図して作られた「星の街」であるなら、政宗公の仙台を守る熱い思いが伝わってきます。
政宗公ゆかりの青葉神社は、静かながらも力強いパワーがあり、とても心が落ち着きます。ぜひ足を運んで、参拝してみてはいかがでしょうか。
青葉神社の特徴
江戸時代末期の1831年頃、政宗公を祀る神社を建てる許可を、当時の藩主・伊達斉邦(だてなりくに)が朝廷から得たにも関わらず中止になっていました。1873年(明治6年)に、旧藩士である松本喜蔵・丹野彦三郎・小泉長善を中心とした住民が、政宗公を祀る神社を建設する許可を宮城県に願い出たことが創建の始まりです。
当時の住民は政宗公を偲び、貞山講という講を結んで、忌日ごとに瑞鳳殿に集まっていました。神明社(現在の桜岡大神宮)の隣に社壇を設け神祭をしたいと申し出ます。その申し出が許可され、明治7年(1874年)7月に創営が始まり、本殿・拝殿・神楽殿・社務所を建立し、同年11月には落成・鎮座祭を行いました。
実際の青葉神社は、伊達家の菩提寺・北山五山の中心の東昌寺があった場所に創建されました。東昌寺の敷地の西側3分の2が、青葉神社となったのです。この年は、徳川家康を祀る日光東照宮が別格官幣社に認められています。そのため、諸藩の藩祖を祀る神社の創建申請が流行り、翌年にかけて全国で相次いで出された年でした。
青葉神社は、本殿・拝殿など6棟が、国の登録有形文化財に指定されています。伝統的な意匠を凝らし、格式高い雰囲気を醸し出しています。
本殿は、流造(ながれづくり)の社殿です。規模が大きく横長の三間社流造と呼ばれています。前方に屋根が長い向拝式で、防火性と耐久性の高い銅板で葺かれています。
拝殿は、入母屋造の銅板葺きで正面に向拝が付いています。天井は細長い木材を格子状に組んだ格天井(ごうてんじょう)で、釘を使わず細い角材を正方形の格子に組み、板を張っています。
政宗公の遺徳を後世に伝えるための青葉神社で、政宗公の栄光や情熱を感じてみてはいかがでしょうか。
青葉神社のご祭神
主祭神
武振彦命(たけふるひこのみこと)伊達政宗公の神号
本殿には、正室・愛姫(めごひめ)が合祀されています。境内には、政宗公に仕えた家臣を祀る祖霊社があります。
青葉神社のご利益
青葉神社では、開運福徳、心願成就、身体健康、病気平癒、子授祈願、安産祈願、縁結び、学業成就、合格祈願、家内安全、商売繁盛、五穀豊穣、国家安泰などのご利益が授かれます。
お守りや御朱印帳には、家紋「竹に雀」の紋や、政宗公の騎馬像のシルエットが入ったスタイリッシュなものなどがあります。
珍しい授与品に「清めの竹炭」があります。青葉神社の境内地で育った孟宗竹を、活性炭にしたものです。昔から竹には不思議な霊力が宿っていると言われています。パワーのある青葉神社の竹から作られた清めの竹炭は、土地の清めとして撒くことで、生命エネルギーが活性化され、乱れた磁場を整える力を持っていると言われています。
また豊富なミネラルが含まれた活性炭は、消臭、防臭、調湿などに効果があり、お茶パックなどに入れたり、直接振りかけて使用しても大丈夫です。
青葉神社の強いパワーを、生活に取り入れご利益を頂きたいですね。
青葉神社のどこが見どころか?
青葉神社と言えば「仙台青葉まつり」です。江戸時代の1655年に行われた「仙台祭」が始まりで、仙台東照宮の祭りとして藩をあげて盛大なお祭りが行われました。その後も仙台祭は毎年9月に開かれ、神輿渡御では多い時には70基もの山鉾が城下を練り歩いたそうです。
明治時代に入り青葉神社の例祭に変わり、政宗公の命日である5月24日に行われるようになって、このお祭りが「仙台青葉祭り」とも呼ばれるようになりました。昭和40年代後半には、交通事情等により途絶えます。しかし、伊達政宗公没後350年を迎えた昭和60年に、青葉まつりは「市民がつくる市民のまつり」として復活しました。
お祭りの見どころは、約4,000人による「時代絵巻巡行」で壮大な武者行列が見られます。また、躍動感溢れリズムのよい「仙臺・すずめ踊り」も見どころです。
まさに青葉の季節に、仙台の初夏を彩る「仙台3大まつり」の一つとなっています。多くの方々に愛されるまつりとして今もなお続いています。
青葉神社には、社宝として「時の太鼓」が拝殿に納められています。1736年に5代藩主伊達吉村(だてよしむら)公が作らせたものです。「時の太鼓」は今でも毎朝、仙台の時を知らせています。時代が移り変わる中、変わらずに時を刻み続け、大切に守られていることに歴史や重みを感じますね。
青葉神社の手水舎には、政宗公と龍の銅像が置かれています。小さいながらも力強さ・格好よさがあります。見逃さないでほしいポイントです。
静かな緑に囲まれた四季折々に美しい青葉神社は、見どころが溢れています。神聖な空気に触れて、身も心もリフレッシュできることでしょう。
青葉神社の一番パワーのある所
青葉神社は、六芒星の北のポイントに位置しています。陰陽道では、陽の星は五芒星、陰の星は六芒星で表されています。どちらも霊的な攻撃から守るために使われてきました。
政宗公のシンボルである兜の前立てが三日月であり、月は太陽に対して陰であることから、城下にも陰の六芒星を用いたと考えられています。当時の仙台城下には、伊達家の家臣と町人・商人などが六芒星に囲まれた所に住んでいました。お家の存続や、人々を守るために六芒星の結界を張ったようです。
六芒星にある主要な6神社は、伊達家4代にわたって建立されました。幕府に気付かれずに、密かに水面下で街を守るため造られたことに、政宗公を始めとする伊達家の仙台への熱い思いを感じます。
青葉神社は、全体が強いパワーに満ち溢れています。
基本情報
住所:〒981-0916 宮城県仙台市青葉区青葉町7-1
TEL:022-234-4964
アクセス:
・東北自動車道 仙台宮城IC下車 約20分
・JR仙台駅 下車 徒歩7分
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・JR仙台駅からバス利用 北山一丁目バス停 下車 徒歩5分
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