高山稲荷神社

 

龍が天に昇るような千本鳥居の絶景必見!高山稲荷神社
高山稲荷神社は、青森県つがる市に鎮座しています。津軽半島の中ほどで、日本海に程近い所に位置しています。

高山稲荷神社は青森県では有名な神社で、青森県出身の作家・太宰治の小説「津軽」の中にも登場しています。また、朱色の鮮やかな千本鳥居があることで知られています。

境内には日本庭園があり、春は桜・夏は緑・秋は紅葉・冬は雪と四季折々の美しさを味わえます。季節ごとの彩りと、朱色の千本鳥居との、色の対比は見応えがあります。

高山稲荷神社の境内は起伏があり、元々湿地で龍神池と呼ばれる水が湧き出す池があります。千本鳥居は、庭園の池や石のそばに蛇行して並べられています。この蛇行した鳥居は、龍が天に昇る姿に見立てているそうです。

高台から庭園と千本鳥居を見下ろすと、自然と調和したあまりの美しさに、異世界に迷い込んだような感覚を味わえます。秘密にしておきたいような、とっておきのスポットです。

稲荷大神を主祭神とする稲荷神社は、全国に3千社近くあります。境内社を含めると、3万社を超えるそうです。

稲荷とは「稲生り・いねがなる」という意味から付けられています。稲作を中心としてきた日本人にとっては大切な神社であり、五穀豊穣を願い各地に稲荷神社は祀られてきました。高山稲荷神社は、五穀豊穣や商売繁盛をはじめ、人々の生活に必要な全てのことにご利益があります。そのため、昔から多くの人々に親しまれ篤く崇敬されてきました。

高山稲荷神社の千本鳥居の始まりは、村の農業組合が鳥居を奉納したことです。先代住職が農業に理解があり、村民との間に深い信頼関係がありました。素敵なエピソードです。そのため、千本鳥居には奉納者名が一切記載されていません。朱い美しさが際立つのは、名前の記載がないことも関係しているのですね。

高山稲荷神社は本殿の他、摂社・末社が数多くあり見応えがあります。様々な稲荷社も祀られていますので、ぜひ参拝してみてはいかがでしょうか。静かで美しく清らかな高山稲荷神社は、記憶に残る忘れられないほどの美景で、何度も訪れたくなるような神社です。 

高山稲荷神社の特徴
高山稲荷神社の始まりは明らかではありませんが、鎌倉・室町時代にかけてこの地を治めていた豪族の安藤氏が創建したと伝えられています。

江戸時代この地には、三王(山王)坊山と古地図に記されています。境内の社・三王神社社伝によると、山王坊の日吉神社を中心とした十三宗寺が建つ一大霊場があったようです。

祈願所として安藤氏に庇護され繁栄しましたが、1443年(1432年説もある)頃、南部氏の焼き討ちによって焼失してしまいました。その時、山王大神様が流れ星のような黄金の光を放ち、高山の聖なる地に降臨されたと伝えられています。

その後は、高山稲荷神社の社伝によると、高山稲荷神社の創建には、遠く離れた赤穂藩(兵庫県)が関係していると記されています。

江戸時代1701年播磨の赤穂藩主・浅野内匠頭長矩(あさのたくみのかみながのり)の江戸城中(松の廊下)での刃傷事件により、赤穂藩が取り潰されました。赤穂城内に祀られていた稲荷大神の御霊代を、藩士の寺坂三五郎が奉戴しました。そして、寺坂三五郎が各地をさまよい、流れついた先は弘前城下でした。

その後、鯵ヶ沢に引越して醸造業を始め「赤穂屋」という名の店を構えて繁盛したそうです。さらに、寺坂三五郎の子孫が引越すことになった時「高山の霊地に祀れ」とのお告げを受け、稲荷大神を高山に遷座したと伝えられています。

これらの社伝から、当初は三王神社が高山に創建され、その後、江戸時代に稲荷神社が遷座したようです。そして、高山の地は昔から、神聖なる土地であったことが分かります。

境内にある山王神社の鳥居の上には、屋根のような装飾がついています。この鳥居の形は山王鳥居と呼ばれ、日吉神社で多く見られ神仏習合の特徴ある形です。元々は高山の地に三王神社が創建され、日吉の神が祀られていました。近くの岩木山は、天台密教の修験場として開山された事から、高山周辺には天台宗の霊場が広がっていたようです。

天台宗では日吉の神は護法神とされ、この高山の地にも三王神社が創建されたのではと考えられています。神仏習合の時代、神社と寺院の密接な繋がりが鳥居からも感じられます。

江戸時代には、稲荷信仰が盛んだったので稲荷神社が隆盛し今に至っています。そして、最初に創建された三王神社は、鳴りを潜めたように後退し境内の奥に祀られています。

高山稲荷神社を訪れた際は、忘れずに三王神社もお参りしたいですね。

高山稲荷神社は、長い歴史の中で様々な変遷をたどってきたことがよく分かります。ただ変わらないことは、この高山の地は神聖な場所であるということです。
 

高山稲荷神社のご祭神
宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)
 五穀豊穣を守護する神、農耕の神、衣食住・生業繁栄を守護する神

佐田彦命(さたひこのみこと) 別名:猿田彦命(さるたひこのみこと)
 厄払の神、道開きの神

大宮能売命(おおみやめのみこと) 別名:天鈿女命(あめのうずめ)
 家庭の和楽、芸能上達の神

この三柱が祀られています。また、この3柱は稲荷大神と呼ばれています。

 

高山稲荷神社のご利益
高山稲荷神社では、主に五穀豊穣・家内安全・商売繁盛・交通安全・海上安全・良縁安産・学業成就・厄除・病気平癒・開運招福・夫婦和合・諸願成就などのご神徳が授かれます。

人間生活のあらゆることを守護してくださり、広大無辺のご神徳を授けてくださる「福神さま」として人々に崇められています。
 

高山稲荷神社のどこが見どころか?
高山稲荷神社は、自然に調和した美しい神社で魅力に溢れています。見どころ満載ですが、広い境内は上り下りの起伏もあり、ゆっくりと時間をとって参拝していただきたいです。

大きな鳥居をくぐり、100段ほどの階段を上ると拝殿があります。

荘厳な佇まいの拝殿で参拝してから、拝殿を背にして左側の道を下っていくと、龍神宮があります。水を司る龍神様は、農民にとって欠かせないものとして昔から崇められてきました。稲荷大神と同じく、龍神様は農業の神として信仰されています。

龍神宮を過ぎると、池のそばには朱い千本鳥居が曲がりくねりながら並んでいます。また、池には朱い太鼓橋もかけられています。周囲の自然色と、朱い色のコントラストは見事で圧巻です。

この池の周辺は、小神祀公園と呼ばれる日本庭園になっています。手入れの行き届いた庭園は癒しの場となっています。季節や天候によっては、池に美しい千本鳥居が映りこんだり、蓮の花や魚の泳ぎなど、心が和む素晴らしい和の空間です。

 

千本鳥居をくぐり終えた先には、神明社が祀られています。

ここは一番の高台なので、庭園や千本鳥居の美しさが隅々まで見渡せる絶景のスポットです。曲がりくねった千本鳥居は、昇龍の姿に見立てているので、まさに龍のような躍動感や勢いを感じられる、神秘的な異空間となって惹きつけられます。

そして、神明社の脇には狐像・狛犬・祠などが並んでいます。これらは、東北地方の役目を終えた狐像などで、髙山稲荷神社においてご祈祷され、魂は抜かれ神の元に還されています。千本鳥居の神秘的な空間とは違った、不思議な雰囲気が漂っています。狐像の姿・形の違いを見比べるのも楽しい時間です。狐像などに感謝や労いの気持ちも沸いてきます。

また、高山稲荷神社には、宿坊も用意されています。立派な参籠所の一部の部屋からは、朝日に照らされた神秘的な大鳥居を眺められます。ご神域で、貴重な時間を味わえますね。

言葉では言い尽くせないほどの美しい高山稲荷神社は、人々を魅了する圧倒的なパワーが溢れています。
 

高山稲荷神社の一番パワーのある所
自然豊かで近くには海や山があり、パワーが交じり合う高山稲荷神社は、境内全体に力強いパワーが溢れています。最もパワーがある所は、拝殿前といわれています。拝殿で正しく参拝して、お力を頂きましょう。また、千本鳥居をくぐるだけで、心身ともに浄化されます。

小神祠公園の美しい景観からも癒しを頂けますので、ゆっくりと散策しながら高山稲荷神社の素晴らしいパワーを頂きましょう。

 

ライター 梅花桜花
 

基本情報
住所:〒038-3305 青森県つがる市牛潟町鷲野沢147-1
TEL:0173-56-2015
アクセス:
・五所川原駅より弘南バス小泊線(十三経由)乗車 約40分 高山神社入口下車 タクシーで約5分
・JR五能線・五所川原駅 津軽鉄道・津軽五所川原駅より車で30分

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