中尊寺

 

金の気が満ちる最強パワースポット中尊寺
中尊寺は、世界遺産「平泉の文化遺産」として知られる岩手県平泉町にある寺院です。平安時代の850年、比叡山延暦寺の僧・慈覚大師(じかくたいし)により開かれました。その後、奥州藤原氏・藤原清衡(きよひら)公により、1105年から大規模な堂塔などが建立されています。清衡公は、奥州藤原氏の4代100年に及ぶ栄華の礎を築いた人物です。

国宝である金色堂は、堂塔の中で唯一創建当初のまま現存しています。金色堂は際立って意匠が凝らされ、当時の工芸技術が集約された、金箔で覆われ輝く光を放つお堂です。清衡公の強い熱意によって、1124年に金色堂は上棟されました。清衡公は平等院鳳凰堂のように、浄土教の極楽浄土の様相を表現しようとしたのです。

清衡公は、平和の世を築くことを切望しました。度重なる戦で命を落とした人々、見方も敵も関係なく全ての人々の霊を弔い慰めるため中尊寺が建立されました。清衡公が、建立時に記した「中尊寺建立供養願文」というものがあります。この文書によると、争いのない平和な国にすることなどを強く誓っています。戦乱の中で家族を失った清衡公が、悲しみ苦しみを味わったからこそ、戦で命を落とした全ての人々を慰めるという思いに至ったのでしょう。清衡公の思いに胸が熱くなりますね。

中尊寺は、東西に長い標高130m程の丘陵に創建されました。月見坂と呼ばれる坂(参道)を上った所です。この月見坂の両側の老杉は、江戸時代に伊達藩によって植樹されたものです。その老杉に覆われた荘厳な坂を進むと、束稲山・北上川・衣川が望めます。

そして、弁慶堂・地蔵堂・薬師堂・中尊寺本堂などが視界に入ってきます。長くて少し急な坂ですが、ゆっくりと景色を堪能しながら進むことができる参道です。中尊寺は、20年もの歳月をかけて完成されています。金色堂を始め、二階大堂、様々な堂塔を建立し、池を掘って庭園を造りあげました。京から優れた匠を呼び寄せて、仏像・仏具・仏堂の内陣装飾・経文などを揃えています。都から遠く離れた東北の平泉にありながら、当時の最高技術が存分に発揮されています。

豊かな自然と建造物の調和は美しく、季節ごとの趣きを味わえます。広大な敷地をゆっくりとまわって、清衡公を始め藤原家の清らかな尊い思いを感じてみてはいかがでしょうか。 
 

中尊寺の特徴
山全体が中尊寺と呼ばれていて、本寺である中尊寺の他、山内に17ヶ院の支院で構成される一山寺院となっています。

中尊寺は平安時代初期に慈覚大師によって開かれ、そして平安時代後期に奥州藤原氏初代・清衡公によって大規模な造営が行われました。清衡公は始めに一基の塔を、そして、多宝寺・釈迦堂の順番で建立されています。これらの静粛な伽藍(がらん)は、「法華経」の中の有名な一場面を表現したものです。清衡公没後も、二代・基衡(もとひら)公、三代・秀衡(ひでひら)公と、藤原三代に渡り平泉の地で一大仏教文化が花開いていました。

輝かしい平泉の繁栄に影を落としたのは、平安時代末期です。平家を破り政権を握った源頼朝(みなもとよりとも)公は、実弟の義経(よしつね)公の討伐に動きます。義経公は、藤原氏を頼って平泉に逃げてきます。藤原家の四代・泰衡(やすひら)公は頼朝公の圧力に負け、義経公を自害に追い込みました。その後、泰衡公も義経公を保護したとして頼朝公に攻められ、1189年に奥州藤原氏は滅亡したのです。

鎌倉時代以降、大きな後ろ盾を失った中尊寺は衰退の一途を辿ります。しかし、1213年鎌倉幕府により中尊寺の修復が行われ、1288年には金色堂の修理と、美しい金色堂を守るための覆堂が造られています。しかし、残念なことに1337年の火災で、金色堂・一部の経蔵以外の堂塔・宝物が焼失しました。江戸時代に入り仙台の伊達藩領となり、参道の杉並木や、現存する建物などの多くが再び修復されました。

中尊寺創建時の姿を今に伝える唯一の金色堂は、堂の内外に金箔をあしらった「皆金色」の阿弥陀堂です。堂全体が美術工芸品のような、荘厳でまばゆいほどの見事なお堂です。光り輝く堂内の装飾には、4本の巻柱や須弥壇(仏壇)、長押まで、螺鈿細工(白く光る夜光貝)や、透かし彫り金具・漆蒔絵と、平安時代後期の最高技術が結集しています。

須弥壇の上には、ご本尊・阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩・地蔵菩薩(左右3体ずつ)が並んでいます。また最前列では、持国天・増長天が破邪の顔つきで守護しています。

孔雀が装飾された須弥壇には、中央に清衡公、左に基衡公、右に秀衡公のご遺体、そして、泰衡公の首桶も安置されています。親子四代にわたる血縁関係のはっきりしたご遺体は、世界で唯一のものと言われています。

中尊寺の池には、「中尊寺ハス」または「泰衡蓮」と呼ばれる古代ハスが咲きます。昭和25年の金色堂の発掘調査により、泰衡公の首桶から約100粒の蓮の種が発見されました。その種は、発芽・開花に成功し池に植えられたものです。

何百年もの時を経て咲き誇る蓮から、永遠の命・継承され続けていくものが感じられ、釈迦の説く「あまねく平等に開かれる仏への道」、古の人々全てが極楽浄土で生かされていたら良いなという願いのような思いがよぎります。

中尊寺は平安仏教美術の宝庫と称され、建築、絵画、書跡、工芸、彫刻、考古、民俗などの文化遺産が良好なまま現存されている貴重な寺院です。
 

中尊寺のご本尊
本堂   釈迦如来  
仏教の開祖・仏陀(ブッダ)が祀られています。
ご本尊・丈六の釈迦如来像は、像高2.7mほど、総高は台座・光背を含め5mにも及びます。丈六皆金色釈迦像を、鎮護国家のため大伽藍のご本尊として清衡公が祀っていました。そのため、平成25年に新本尊の造顕・開眼供養されています。   

・金色堂  阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩・地蔵菩薩
・大日堂  金剛界大日如来
・薬師堂  薬師如来・地蔵堂  地蔵菩薩

・弁慶堂  勝軍地蔵菩薩

・白山神社 十一面観音、正観音、毘沙門天
慈覚大師が、北方鎮守のために分霊した神社です。毘沙門天は、義経公の持仏が祀られています。

 

中尊寺のご利益
中尊寺のご利益は、金運、家内安全、厄難、人間関係運向上、心の安定などです。中尊寺付近は、金が産出されたため、強い金のパワーがあります。

また、小さな池に挟まれた、峯薬師堂に金箔で覆われた薬師如来が祀られています。珍しいことに、目のご利益があると言われお守りも授与品となっています。 

中尊寺のどこが見どころか?
中尊寺の参道・月見坂を上っていくと、荘厳たる雰囲気が漂った素晴らしい景色が現れてきます。四季折々の彩りと、建造物の調和は見事な美しさです。戦いで亡くなった全ての人々、生き物までもの御魂を極楽浄土に導き、平和を願い建立された多くの堂塔から、古の栄華や仏教美術の円熟した美しさが随所に感じられます。

また、数多くの重要文化財も収められています。丈六仏・金銅華鬘・金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅・紺紙金銀字交書一切経など、見どころ満載なので時間をかけて散策しましょう。

金色堂
清衡公が切に願った極楽浄土を明確に表わされ、当時の名工・匠による工芸技術が集約されたお堂です。お堂の内・外に押された輝きある金箔・螺鈿細工・象牙・宝石など、まばゆいほどの輝きを放つ装飾によって飾られています。

本堂
落ち着いた重厚感のある本堂も見事です。中尊寺山内にある、17ヶ所ある院の中心的な道場です。本尊・釈迦如来が安置され、両脇の燈籠には、比叡山から分火され送られた「不滅の法灯」が絶えることなく灯されています。

讃衡蔵
東北の地で永く繁栄した、藤原氏の文化財・3,000点余りも収蔵されています。平安時代の諸仏・国宝の中尊寺経・ご遺体の副葬品など、貴重なものばかりです。

弁慶堂
義経公と弁慶(べんけい)の木像が安置されています。平泉の別所にある義経堂は、義経公と弁慶の終焉の地です。弁慶は義経公が隠れたお堂入口で薙刀を振るい、無数の矢を受け立ったまま絶命した「弁慶の立往生」は、今でも語り継がれていますね。

丈六仏
讃衡蔵に入り、正面に3体安置されています。いずれも、平安時代後期の作品と言われる穏やかな表情の仏像です。

金銅華鬘
金色堂にかけられていた銅製鍍金で作られた花です。団扇形の内側には、極楽で咲く宝相華(ほうそうげ)が、中心に総角結びのかざり紐、左右に極楽で飛んでいる人面鳥・迦陵頻伽(かりょうびんが)が彫られています。極楽浄土の世界を表しています。

金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅
金泥で紺紙に、金光明最勝王経を塔の形で写したものです。一巻で一塔、合わせて十塔からなります。宝塔曼荼羅とは、写経・造塔造仏・経典解説の三功徳を一度に成就できると言われています。

紺紙金銀字交書一切経
銀泥で紺紙に界線を引き、金字・銀字で1行ごとに経文が書かれています。清衡公の願いにより、1117年から8年の年月をかけて完成しました。5,300巻ほどもあったようですが、多くは山外に移動し、15巻ほど中尊寺に現存しています。世界遺産「平泉の文化遺産」の中核である中尊寺は、国の宝の宝庫であり、まさに世界に誇れる仏教文化の遺産と言えます。

奥州藤原氏の滅亡から500年の時が流れ、江戸時代1689年に俳人・松尾芭蕉は奥の細道への旅を始めました。この平泉にも寄り、まず義経公の邸宅があったと言われる高館の丘に上って有名な句「夏草や 兵どもが 夢の跡」を残します。その後、芭蕉は中尊寺を訪れています。金色堂を見て「五月雨の 降り残してや 光堂」という句を詠んでいます。

ゆっくりと時間をかけて、奥州藤原氏の平泉の栄華、そして世の中全ての栄枯盛衰などに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。 

中尊寺の一番パワーのある所
中尊寺は、金の気が満ちるパワースポットとして有名です。中尊寺の周辺は、金の産地でした。また、月見坂から本堂に向かう参道を歩けば浄化されると言われています。

中でも、金色堂にはとても強い金のパワーがあります。中尊寺でゆっくりと参道を歩き、悪運や生涯などを浄化して、強い金のパワーをいただきましょう。

 

ライター 梅花桜花
 

基本情報
住所:〒029₋4102 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202
電話番号:0191-46-2211
アクセス:
・JR平泉駅より 徒歩で約20分、車で約4分
・東北自動車道  平泉前沢IC下車
・公式HP:https://www.chusonji.or.jp/

 

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