開運パワーがいただける札幌村神社
北海道札幌市東区の静かな住宅街に、札幌村神社は鎮座しています。社名の札幌村とは、石狩川下流の左岸部に存在した村名です。神社の鎮座地・東区が札幌村と呼ばれていました。札幌村は開拓使が入る前の江戸時代の末から明治時代にかけ、本州から移り住んだ人々によって農村が開かれました。昭和時代に入ってからは、札幌市に合併されています。
明治32年に創建された札幌村神社は、当初は札幌神社として申請しています。しかし、既に札幌神社(現・北海道神宮)があったため、社名に村を入れ札幌村神社となりました。
小さな神社で境内を覆うような木々はなく、境内は明るくスッキリしています。玉垣で囲まれた境内の入口には、建立された年代は不明ですが秀麗な狛犬が迎えてくれます。鳥居を潜ると正面の奥に社殿があり、右側には手水舎や土俵が設けられています。社殿は千鳥破風が前に突き出た入母屋造りの拝殿・弊殿と、神明造りの本殿となっています。
ご祭神は「開拓三神」と呼ばれる、大國魂神(おおくにたまのかみ)・大己貴神(おおなむちのかみ)・少彦名神(すくなひこなのかみ)が祀られています。札幌村神社のご利益は、縁結び・恋愛運アップと言われています。良縁に恵まれたい方には、特におすすめの神社です。安産祈願・子宝祈願などの参拝客も多く来ています。
札幌村神社では、定期的に限定の御守が授与品として置かれています。人気のある御守は、すぐに売り切れてしまうこともあるそうです。また他にも札幌村神社は、開運・健康祈願・家内安全などの様々なご利益があるとされパワースポットとして知られています。
札幌村神社には「檜山神楽」の様子が描かれた貴重な絵馬が置かれています。「檜山神楽」は、明治時代にかけて檜の伐採や鰊漁で繁栄した道南・檜山地方に伝わる祈祷神楽です。
北海道の地では室町時代の頃、アイヌ民族と和人との間に戦いが起こりました。松前藩祖の武田信廣(たけだのぶひろ)公が、鎮定平安を祈願して修験者などに行わせたことが「檜山神楽」の始まりと言われています。札幌村神社では、毎年1月の初神楽祭と9月の例大祭で、神事の一環としてこの歴史ある「檜山神楽」が奉納されています。
静かな佇まいの札幌村神社は、北海道神宮と同じ神が祀られているのでパワーがあります。ゆっくりと参拝して、お力を頂いてはいかがでしょうか。
札幌村神社の特徴
札幌村は幕末には、先鋒隊として大友亀太郎(おおともかめたろう)を筆頭に、北海道の開墾が進められ農村が開かれていました。大友氏は、二宮尊徳(にのみやそんとく)の門下生として知られています。札幌市の中心部に堀や用水路や橋梁を築くなど札幌村の開発に尽力し「開拓の祖」と称される人です。
明治3年に開拓使によって札幌に本庁を築くために、羽前国・越後国から300人が移民募集に応じて移民しました。このうち移民してきた22戸・96人が札幌村の近くに居住し、その地域は札幌新村と呼ばれていました。
そして、元々あった札幌村は札幌元村と呼ばれます。札幌村には当時、元の移民23戸とアイヌ3戸が住んでいました。この頃、大友氏は開拓使に開発を委ねて帰郷しています。明治4年には、この二つの村は合併し札幌村となります。周辺に多くの村や集落が作られ、開拓使が札幌村の近くに本庁を移したことで更に村の開発が進みました。
札幌村神社は、明治32年に札幌神社として許可を願い出ましたが、既に別の場所に札幌神社が存在していたため、現在の名称となり明治33年11月1日に創祀されました。札幌神社は現在の北海道神宮であり、明治天皇の勅により「開拓者の心の拠り所」として明治2年に既に創建されていたのです。
明治34年、札幌村の地主である高木長四郎氏により、畑地2反1畝22歩を札幌村神社の敷地として寄附されました。昭和46年には、区画整理事業により、現在地に奉遷しています。また、現在の札幌村神社の社殿は、平成19年に新しく造営されました。
ご祭神は札幌神社より、大國魂神・大己貴神・少彦名神の開拓3神を奉斎しています。札幌村神社は、札幌村の氏神として村の発展とともにあり、地元の人々に崇敬されてきました。
札幌村神社のご祭神
大國魂神(おおくにたまのかみ)
大己貴神(おおなむちのかみ)
少彦名神(すくなひこなのかみ)
札幌村神社には、この3柱が祀られています。いわゆる「開拓三神」と呼ばれる力強い神々です。
札幌村神社のご利益
開拓三神が祀られている札幌村神社は、様々なご利益があります。
縁結び・恋愛成就・安産祈願・子宝・合格祈願・学業成就・夫婦円満・家内安全・商売繁盛・病気平癒・健康祈願・必勝祈願・勝利成功・技芸・武芸・芸能旅行・交通安全
札幌村神社では、定期的に限定の御守が授与されます。夏季限定・七夕良縁守(短冊付)は、良縁を望む人のお守りとなっています。このお守りはすぐに完売するほど大人気です。札幌村神社の周辺では、日本で初めて玉ねぎ作りが成功しました。玉ねぎは栄養価が高く体に良い野菜なので、玉ねぎのお守り「健康守り」なども置かれています。
また、札幌村神社の御朱印は人気があります。天使の羽の上に丸い卵が乗っているようなデザインは可愛いと評判です。夏には蟹や魚、秋にはトンボや銀杏のスタンプで彩られます。
札幌村神社のどこが見どころか?
静かな住宅街に鎮座する小さな札幌村神社ですが、道南・檜山地方の「檜山神楽」の貴重な伝統の舞が見られます。毎年、9月5日前後の土日に行なわれる秋の例大祭が行われます。お祭りでは、神話にまつわる舞や豊作を祈願する舞を両日とも鑑賞でき、お祭りの一番の見所となっています。
この檜山神楽では1時間に渡り奉奏されますが、最後は獅子舞が登場します。小さなお子さんは獅子舞に噛まれ、泣きだすこともあり一弾と賑わいます。また、剣舞では真剣を用いて飾られていた扇や紙垂が切られ、近くに座っていた方に真剣で切られた扇・紙垂が授与されます。迫力ある舞を間近で見たい方は、早めに座席を確保しましょう。
境内にある土俵では、伝統の子ども相撲が行われます。普段は静かな佇い札幌村神社ですが、この秋季例大祭には屋台や露店の出店があり、多くの人々で賑わい活気に溢れます。
札幌村神社ではお正月にも、檜山神楽が奉奏されます。札幌村神社の絵馬は、檜山神楽の絵柄となっています。お正月や秋の例大祭には賑わいを見せる札幌村神社ですが、普段はゆっくりと参拝できるのも魅力の一つです。境内には歳徳神も祀られ、その年の福徳を司る神を参拝できます。
札幌周辺の神社では、お賽銭箱に蓋が付いている珍しいタイプが見られます。札幌村神社のお賽銭箱も蓋があり、少し重そうな蓋をあけてそっとお賽銭を入れましょう。
境内にある手水舎も珍しく「手前左柱(参道側)に水の出るスイッチボタン有ります」と表示されていて、柱のボタンを押すと水が数分ほど流れてきます。 冬季は完全に凍結防止のため手水舎の水は止まります。札幌村神社はこのようにお賽銭箱や手水舎、そして、お守りや御朱印など色々な工夫がされていて初めて参拝される方は楽しいのではないでしょうか。
その他、境内に「日露戦役忠魂碑」も建てられています。日露戦争で犠牲となった英霊を供養する石碑です。台座・中台の周りには発起人の10人の名前と、寄付者の名前が金額ごとに刻まれています。札幌村の開拓・発展を見守り人々を支えて下さった、札幌村神社に参拝してみてはいかがでしょうか。
札幌村神社の一番パワーのある所
札幌村神社は、開運したい人におすすめの神社です。開拓三神が祀られた神社は、商売繁盛・五穀豊穣などのご利益がありますが、開運のパワーも頂けます。開拓三神は札幌神社(現・北海道神宮)に祀られている神であり、札幌村神社の神は札幌神社より奉斎されていますので、当然ながら同じパワーがあります。
小さい神社でありながらも、境内にはパワーが溢れています。運気を上げたい方は、札幌村神社に参拝して、パワーを頂きましょう。
ライター 梅花桜花
基本情報
住所:〒065-0016 北海道札幌市東区北16条東14丁目3番1号
TEL:011-741-7789
アクセス:
・地下鉄東豊線 環状通東駅 1番出口より 徒歩3分
・市営環状通東 バスターミナル駅より 徒歩5分