富士山本宮浅間大社

 

美しい富士山の女神を祀る富士山本宮浅間大社
静岡県富士宮市に鎮座する富士山本宮浅間大社は、駿河国一ノ宮で、全国の浅間神社の総本社です。富士信仰の中心地として知られる富士山本宮浅間大社とは一体どんな神社なのでしょうか?

今回は、そんな「富士山本宮浅間大社」の人気の秘密や歴史、ご祭神、ご利益、見どころ等、ポイントごとに紹介していきます。
 

富士山本宮浅間大社はどんな神社?特徴は?
富士山本宮浅間大社は、全国に約1,300社ある浅間神社の総本社。ダイナミックな富士山と日本の美を象徴するご社殿、境内を彩る500本の桜が織りなす絶景は実に見事で、本宮は「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一つとして、奥宮と末社の久須志神社は、「山頂の信仰遺跡群」の一部として世界文化遺産に登録されています。

境内の敷地面積は広大で、本宮だけでも約1万7千㎡、富士山の8合目以上の地点にある奥宮も約385㎡あるといわれているこちらの神社。本宮境内の「湧玉池」は国指定の特別天然記念物です。

富士山本宮浅間大社の本宮の例大祭「富士宮まつり」は毎年11月3日から3日間、奥宮の例大祭は8月15日に行われます。
 

富士山本宮浅間大社の歴史
富士山本宮浅間大社の創建は、社伝によると、第7代孝霊天皇の御代に富士山が大噴火し、荒廃した状態が長く続き、第11代垂仁天皇がこれを憂いて、垂仁天皇3年、浅間大神を富士山麓の山足の地に祀ったのが起源とされています。

富士山を鎮める為に浅間大神を祀ったのは富士山本宮浅間大社が最初で、全国にある浅間神社の起源ともなっています。その後の平安時代の806年、坂上田村麻呂が現在の大宮の地に社殿を造営し、山宮から遷座しました。富士山本宮浅間大社は朝廷からも篤い尊崇を受け、駿河国一ノ宮として勅使の奉幣・神領の寄進を受けました。

武家からの信仰も篤く、源頼朝や北条義時、武田家、徳川家康は特に篤い崇敬を寄せていたとされ、境内にあるしだれ桜は信玄公の寄進によるもので、「信玄桜」と呼ばれ、親しまれています。徳川家康公は関ヶ原の戦いに勝利した御礼として、本殿・拝殿・楼門をはじめ30余棟を造営しました。社名は、1982年(昭和57年)に現在の「富士山本宮浅間大社」に変更になっています。
 

富士山本宮浅間大社のご祭神
富士山本宮浅間大社のご祭神は、木花之佐久夜毘売命、瓊々杵尊、大山祇神の3柱です。

主祭神:木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)
その美しさで夫神である瓊瓊杵命(ににぎのみこと)を一目惚れさせ、求婚させた事で知られる女神が木花之佐久夜毘売命です。配祀神の大山祇神の娘神で、瓊々杵尊の妃神でもあります。名前の由来は「桜の花の咲くように咲き栄える女性」との名義からと考えられます。

そんな絶世の美女とも謳われる木花之佐久夜毘売命は富士山の女神でもあり、そのご利益は、安産・子授け、縁結び、火難除け、農業守護などが主なものとされ、そのほかに芸能、酒造、養蚕のご利益なども司っています。

配祀神:瓊々杵尊(ににぎのみこと)
主祭神の木花之佐久夜毘売命の夫神にあたる瓊瓊杵尊は、天照大神の孫神にあたります。天照大神の命で高天原から宮崎の高千穂に降り立ち(天孫降臨)、天照大神が持たせたといわれる三種の神器(八咫鏡(やたのかがみ)・草薙(くさなぎ)の剣・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま))を現世にもたらしました。

三種の神器は、歴代天皇家に代々伝わる国宝。瓊瓊杵命の主なご利益は、国家安泰、五穀豊穣、畜産振興、家内安全、夫婦円満、家庭円満とされています。

配祀神:大山祇神(おおやまづみのかみ)
神産みにおいて、伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)との間に生まれたとされる大山祇神は、「山の神」として知られる神です。主祭神・木花之佐久夜毘売命の父神にあたる神様でもあります。

山のみならず海も司っていることから、「海の神」でもあり、木花之佐久夜毘売命の出産を祝ってお酒を作ったという故事から「酒造の神」ともいわれています。大山祇神のご利益は、金運上昇、商売繁盛、山林守護、漁業守護、酒造守護、産業守護などがあります。
 

富士山本宮浅間大社のご利益
富士山本宮浅間大社の主なご利益は、縁結び、安産、子宝祈願、火難避け、厄除開運、五穀豊穣、海上安全、航海安全などが挙げられます。
 

富士山本宮浅間大社の見どころ
次は富士山本宮浅間大社の見どころについて見ていきましょう。富士山本宮浅間大社の見どころについては以下の通りです。

二重楼閣造の本殿(国指定重要文化財)
江戸初期の1604年、徳川家康が奉賽(祈願が成就したお礼参り)のために造営したご社殿(本殿・拝殿・舞殿・楼門等)は壮観を極めたものでしたが、寛永安政年間に起こった大地震等で倒壊した建物もあり、当時のもので現存するのは、本殿と幣殿・拝殿・楼門のみとなっています。

朱塗りの壁や柱、檜皮葺の屋根が壮麗な本殿は国の重要文化財で、桁行5間・梁間4間・寄棟造のご社殿の上に三間社流造のご社殿が乗った二重の楼閣造になっており、「浅間造」と呼ばれるこの形態は、他に例を見ない建築様式となっています。

国の天然記念物「湧玉池(わくたまのいけ)」
東脇門を出たところにある富士山本宮浅間大社の湧玉池は、富士山の雪解け水が何層にもなった溶岩の間から湧出しており、学術上非常に価値が高く、特別天然記念物に指定されています。

水温は摂氏13℃、湧水量は毎秒3.6kl(キロリットル)で、透明度が高く、富士の登山者は昔からこの湧き水で身を清め、六根清浄を唱えながら登山するならわしとなっているようです。縁結びや子宝のご利益もあるといわれています。こちらの水は持ち帰ることも出来ますが、天然水ですので、煮沸してから飲用するようにしましょう。

「鉾立(ほこたて)石」
富士山本宮浅間大社の楼門前の石段の真ん中に、「鉾立石」(明治初期まで行われていた4月と11月の山宮御神幸の際に鉾を立てた岩)と呼ばれる自然の石があります。この石は、神鉾を休め、奉った所といわれています。

鏡池
楼門前にある鏡池は澄み切っており、鏡のように木々を映し出しています。鏡池にかかる輪橋(わのはし)は、1915年(大正4年)にご即位記念として石造りに変わりました。

境内の桜と楼門前の桜の馬場
富士山本宮浅間大社では、ご祭神の木花之佐久夜毘売命にまつわる桜をご神木としており、境内にはしだれ桜やソメイヨシノなど約500本もの桜の木が植えられています。楼門前には、東西に伸びる桜の馬場があり、5月の神事・流鏑馬(やぶさめ)祭などに使用されています。

富士山をバックに咲き誇る桜が織りなす絶景は、得も言われぬ世界。夜間にはライトアップされますので、桜の開花状況やライトアップ情報については、富士宮市の公式HP(http://www.city.fujinomiya.lg.jp/kankou/llti2b0000000vji.html)か神社の公式HPでご確認下さい。

奥宮
富士宮口から上って富士山の山頂(大宮・村山口登山道頂上)に鎮座する奥宮は、富士山の8合目から上が境内地になっています。奥宮境内地はすべて、富士箱根伊豆国立公園の富士山地域の「特別保護地区」に指定されており、こちらでもお守りや御朱印をいただくことができます。

毎年、7月10日頃から9月10日頃まで(5:00~17:00)開山され、8月末まで神職さんが常駐して祭事やお守り等の授与が行われます(閉山後は無人)。奥宮の頂上の僅かな落差によって湧く金明水や銀明水を頂けば、浅間大神のご利益を授かることができるそうですよ。また、開山中は、富士山頂での朝日(御来光)を奥宮正面で拝むことができ、多くの人で賑わいます。奥宮の例大祭は8月15日です。

富士山頂上久須志神社
富士山頂上久須志神社は奥宮の末社で、須走口、吉田口、河口湖口の登山道の頂上(標高3,715mの地点)に鎮座しています。大名牟遅命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)が祀られており、病気平癒、健康長寿などのご利益があります。こちらでも御朱印が頂けますよ。久須志神社からの息を呑むような夜景も見逃せませんね。
 

富士山本宮浅間大社のお守り・御朱印帳・おみくじ
せっかく神社の参拝に訪れたなら、お守りや御朱印はチェックしておきたいですね。次は、富士山本宮浅間大社で販売されているお守りや御朱印帳、おみくじについて見ていきましょう。

お守り
富士山本宮浅間大社のお守りの中で、ご祭神である木花之佐久夜毘売命のご利益に特化したものが「縁むすび守」で、小さなコンパクトサイズのピンク色の袋守り。「安産御守」は、朱赤をベースにした上品なお守りで、富士山と桜がモチーフとなっています。子宝を授かりたい方には「子安守り」がおすすめ!良い子宝を授かり、健やかに育つよう願いが込められています。

御朱印帳
富士山本宮浅間大社のオリジナル御朱印帳(初穂料1,500円)は、本殿と富士山、境内の桜が描かれた紺色ベースのものになっています。御朱印は300円で頒布されており、本宮、奥宮、久須志神社でそれぞれ頒布されます。(奥宮と久須志神社は7月~9月の開山期間中)奥宮で頒布される御朱印は特別製で、富士山の溶岩の砂が含まれたものが押されますので、とっても素敵な記念になりますね。

おみくじ
富士山本宮浅間大社のおみくじはちょっと変わったおみくじで、「咲良(さくら)みくじ」(初穂料300円)と呼ばれています。この咲良みくじは、青とピンクのおみくじの紙が用意されており、おみくじの文章は何も書かれていませんが、水屋神社の流水に浸すと、言葉が浮き出てきます!そんな楽しい咲良みくじ、是非やってみて下さいね。
 

富士山本宮浅間大社の特にパワーがある場所は?
富士山本宮浅間大社で特にパワーがある場所は、湧玉池といわれています。

富士山からの伏流水が湧き出し、泉となった湧玉池の霊水は透明度が高く、心を浄めるパワーが強力に働きます。是非、パワーをいただきましょう。
 

まとめ
桜の花のように美しい木花之佐久夜毘売命がご祭神の富士山本宮浅間大社。富士山の眺めもさることながら、ご社殿と桜のコラボレーションもため息が出そうなくらいフォトジェニックです。

澄んだ富士山の湧き水で身を浄めることができ、女性に嬉しいご利益も期待できる神社ですので、興味のある方は是非足を運んでみて下さいね。

ライターネーム Kikumikan
 

基本情報
住所:静岡県富士宮市宮町1-1
電話番号:0544-27-2002

営業時間:6時~19時
HP:http://fuji-hongu.or.jp/sengen/

駐車場:参拝者駐車場あり(有料、普通車 1時間200円/1日1,500円、バス 1時間1,000円)
アクセス:
・JR見延線 西富士宮駅から徒歩約8分

・JR身延線 富士宮駅から徒歩約13分
・東名富士I.Cから車で(西富士バイパス経由)約20分
・新東名新富士I.Cから車で(西富士バイパス経由)約15分
※記載した金額等は2022年8月時点のものであり、変更の可能性があります。

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