夏の観光スポット1位にもなった自然豊かな弥彦神社
新潟県西蒲原郡弥彦村の、霊峰・弥彦山の麓に弥彦神社が鎮座しています。杉や欅の深い森の中に佇む弥彦神社は、堂々として壮大で神々しい魅力に満ちています。
越後一宮と称される弥彦神社の起源は古く、創建から2000年以上もの歴史を刻み、万葉集に詠まれるほどの由緒正しい神社です。弥彦神社のお参りの作法は「2礼4拍手1礼」と、他社よりも2回拍手が多く、神へより心をこめて丁重に参拝する作法となっています。心を鎮めて正しく参拝しましょう。
弥彦神社のご祭神は天香山命(あめのかごやまのみこと)で、天照大神(あまてらすおおみかみ)のひ孫にあたります。天香山命は越後国の開拓に尽力され、その功績から仕事運上昇のご神徳があります。
弥彦神社の後ろにそびえる弥彦山はご神体で「神の山」とも呼ばれ、新潟県内では一番最初に太陽に照らされる山と言われています。弥彦山は、弥彦村と長岡市との間にある山で標高は634mです。弥彦山の山頂には弥彦神社の奥の院(御神廟)があり、天香山命と妃神・熟穂屋姫命(うましほやひめのみこと)が祀られています。
霊験あらたかな弥彦神社は、パワースポットとしても人気です。本殿やご神体の弥彦山以外にも境内のあちこちにパワーが感じられるスポットが点在しています。
また、弥彦神社の拝殿では毎朝「御日供祭」(おにっくさい)と呼ばれる祭事が行われています。米・酒・塩などのお供えをし、国の繁栄・人々の家内安全などを祈念しています。この厳かな祭事を体験することもできるので、参加してみてはいかがでしょうか。この貴重な体験から、きっとパワーをいただけることでしょう。
弥彦神社は2017年の夏に、旅行サイト・トリップアドバイザーによる「夏のフォトジェニック観光スポット」ランキングで、日本人が選んだ観光スポットで1位となっています。弥彦神社を訪れてみれば、1位に輝いた理由に納得できることでしょう。見事に美しい景観が広がっています。
自然豊かで見どころたっぷりの弥彦神社には、門前町があり一日楽しめます。弥彦神社にお参りし心身をリフレッシュして、パワー溢れる弥彦の地でゆっくりと過ごしてみてはいかがでしょうか。
弥彦神社の特徴
2,000年以上もの時を超えた歴史ある弥彦神社は、社伝によると第6代・孝安天皇の時代(紀元前392年)に創建されたと伝えられています。ご祭神・天香山命は、越の国の開拓の神業を終えた後、弥彦山(神劒峰)に葬られ、御子の天五田根命(あめのいつたねのみこと)が社を築いて奉祀したのが始まりです。
第10代・崇神天皇の時代には、天香山命から七代目の建諸隅命(たけもろずみのみこと)が、勅により社殿を造営しています。それ以降も、歴代天皇の勅により社殿は修造されてきました。奈良時代711年には、勅により神域が拡大され、神戸や神領の境などが定められたと伝えられています。
平安時代905年の「延喜式」には、弥彦神社は名神大社と記されています。越後国一宮であり、御神威ある神社として朝廷からの篤い尊崇を受けてきました。また鎌倉時代には源頼朝より神領の寄進を受けるなど、地方の大社として武将からも篤く尊崇され、社殿の造営や修築が行われるなど栄華を極めます。
室町時代の応仁の乱が起こると、地方にも影響が及び、社殿や貴重な記録・宝物などが焼失し神領も没収されています。その後、越後領主・上杉家により神領の寄進や、社殿の修築などにより再興されました。しかし、上杉家が会津へ移封にあたり、再び神領を失うなど混迷を極めます。
江戸時代に入ると、徳川家康をはじめ家光や綱吉により寄進や社殿の修繕が行われて、弥彦神社は安定した時を迎えます。明治維新に弥彦神社は、国家の宗祀とされ位置づけられ、国幣中社に列格しています。明治45年、門前町の大火により社殿が焼失しました。
大正5年には木造平屋建で銅板葺の、旧社殿よりも壮大で荘厳な社殿が再建されています。昭和57年になると、上越新幹線の開通を記念して日本一となる大鳥居が奉建されました。
弥彦神社は長い歴史の中で様々な変遷がありましたが、朝廷や歴代の武将より手厚い庇護を受け、万葉の昔から今でも「おやひこさま」と親しまれ人々から篤く尊崇されています。そして、創建当時より同じ地に留まり、永く国や人々の安泰・繁栄を見守って下さっている弥彦神社の神々に感謝の思いが沸いてきます。
弥彦神社のご祭神
ご祭神
天香山命(あめのかごやまのみこと) 越後国開拓の神、産業・農業・漁業など万能の神天照大神のひ孫
摂社
武呉神社 天五田根命
草薙神社 天戸国命(あめのとくにのみこと)
今山神社 建筒草命(たけつつくさのみこと)
勝神社 建田背命(たけたせのみこと)
乙子神社 建諸隅命
末社
二十二所社 近畿周辺の著名二十二ヶ所の大神
八所神社 京都以東の著名八ヶ所の大神
十柱神社 大己貴神(おおなむちのかみ)、大地・水・山・海・土など国土の安全を守護する十柱の大神
弥彦神社のご利益
弥彦神社では、仕事運上昇・勝負運上昇・恋愛運上昇・縁結び・交通安全・学業成就・商売繁盛・家内安全・五穀豊穣などのご利益があると言われています。
弥彦神社のどこが見どころか?
弥彦神社は春の桜をはじめ、四季折々の美しい景観を眺めることができます。見どころも満載で、緑豊かで清らかな気が流れる境内を、ゆっくりと時間をとって散策しましょう。
弥彦神社のご神域を示す、大きな一の鳥居は高さ約8.4mで稚児柱支え建ての両部型大鳥居です。親柱は地より6cmほどの隙間があります。豪雪地帯で雨も多いため、水分で柱が腐らぬように隙間が作られています。
拝殿へと続く随神門には、二体の随神像が収められています。紀州熊野にいらっしゃった天香山命と共にこの地にきた、印南鹿神(いなしかしん)の子の兄弟神と言われています。
弥彦神社の社殿は、荘厳で堂々とした格式ある見事な社殿です。平成10年には、国の登録有形文化財となりました。凛とした空気の中、拝殿に立つと身が引き締まることでしょう。
参道にも色々な見どころがあるので、素通りせずに気を付けて進みましょう。
火の玉石
手水舎近くには、火の玉石が置かれています。「重い軽いの石」とも言われています。石を軽く持ち上げられると願いが成就し、重く持ち上げられないと叶わないそうです。手水舎で手を清め、落ち着いて運試しに挑戦してみてはいかがでしょうか。
玉の橋
弥彦神社の境内を流れる御手洗川にかかる玉ノ橋は、「御神橋」とも呼ばれます。神だけが渡る神聖な橋です。人間だと滑り落ちそうな、円を半分にした急傾斜の朱い橋となっています。色鮮やかな美しい橋には、屋根がついています。緑の中にある玉ノ橋と清らかな流れは、うっとりするほどの美しい眺めで癒されます。また、参拝者が渡る石橋も、巨大な一枚岩を彫って作られた継ぎ目のない見事な橋です。
ご神木
二の鳥居近くの手水舎の向かいには、樹齢1000年程の椎の木が立っています。天香山命が越後国の開拓で弥彦を訪れた時、お持ちになっていた杖を地面にさし「この地方が私の永住にふさわしなら、根を張り芽を出し繁茂するであろう」と言われました。天香山命のお告げ通りに木は生育し繁茂しました。明治時代には火災にあったにも関わらず復活しています。今でも境内に根を下ろす、生命力あふれる力強いご神木となっています。
狛犬
随神門の手前の狛犬は、明治時代の名工・酒井八右衛門の代表作であり、平成10年9月に国の登録有形文化財に登録されています。
弥彦神社に参拝したら、摂社・末社へもお参りをすると更なるご利益をいただけます。仕事運上昇には草薙神社、勝ち運上昇には勝神社など各社のパワーを授かりましょう。弥彦神社から弥彦山にある奥の院までは約3.5kmあります。奥の院には、ご祭神・天香山命とその妃神・熟穂屋姫命が祀られているので、縁結びの名所としても知られています。
弥彦神社から弥彦山への、ロープウェイ乗り場行きの無料バスが出ています。ロープウェイに乗り、山頂駅から徒歩で10分ほどで奥の院へ到着します。弥彦山山頂では、眼下に広がる美しく雄大な越後平野や、日本海が見渡せます。天気が良ければ佐渡島も一望できます。
ぜひ、歴史ある神秘的で清らかな弥彦神社を訪れてみてはいかがでしょうか。
弥彦神社の一番パワーのある所
弥彦神社には、社殿の裏手にそびえる弥彦山から常にエネルギーが流れ込んでいます。神社と山が一つとなった力強いパワースポットと言われています。
弥彦神社の境内では、拝殿が最も強くパワーを感じられるスポットです。他にも御手洗川にかかる橋「玉の橋」などもパワーがあり、橋を眺めているだけでもパワーが感じられます。弥彦神社の清々しい気とパワーでリフレッシュでき、活力をいただけることでしょう。
ライター 梅花桜花
基本情報
住所:〒959-0393 新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦2887-2
TEL:0256-94-2001
アクセス:
・JR東三条駅 又は 越後線吉田駅より 弥彦線に乗り換え 弥彦駅下車(終点) 弥彦駅より 徒歩で約15分
・北陸自動車道 三条燕ICより約13km 約30分
・北陸自動車道 巻潟東ICより約15km 約30分