縁結びで有名な北陸屈指パワースポット白山比咩神社
石川県白山市三宮町に、白山比咩神社が鎮座しています。全国の白山神社の総本宮であり、加賀国の一ノ宮として篤い崇敬を受け「白山さん」と呼ばれて親しまれています。白山比咩神社は、白山の麓にあり手取川と奥獅子吼山(928m)に挟まれた平地に佇んでいます。
広大な境内は、聖なる御力に満ちた厳かな雰囲気が漂うご神域となっています。白山比咩神社の御神体は、石川・福井・岐阜の3県にまたがり高くそびえる霊峰・白山です。白山は古くから、麓の人々の生活に欠かせない「水」を供給してくれる聖域でした。
白山は山々の総称で、最高峰・御前峰2702mを中心に、大汝峰・剣ヶ峰・別山が主な峰となっています。現在、白山国立公園として豊かな自然環境が残され、高山植物も種類が多く、雲上の楽園と称賛されるほどの美しい山々です。
そして白山は、富士山・立山と並ぶ日本三霊山の一つであり、美しい雲海や山並みが一望できる山頂には白山比咩神社の奥宮が祀られています。白山比咩神社の創建は、崇神天皇時代の紀元前91年と言われています。はるか遠い昔から、聖なる山として白山は人々に仰がれ、人々を見守って下さっています。白山比咩神社の境内には、樹齢800年の大杉や樹齢1,000年の大ケヤキなどの巨木が立っています。北陸屈指のパワースポットと言われる、白山比咩神社ならではの巨木です。
白山比咩神社の神紋は「三子持亀甲瓜花」(みつこもちきっこううりのはな)です。三つ子持ちは、親から子へ子から孫へと絶えず続くことを表し、亀甲で長寿を表しています。この神紋には、家運長久・子孫繁栄・神人和楽の意味が込められています。神人和楽とは、神々に見守って頂き、感謝を忘れず神々と共に生きていけるという意味です。とても深くて素敵な意味のある神紋に感動しますね。人間はいつも神々と共にあり、生かされていることへの感謝を忘れず、大切に生きようと思えてきます。
白山からのご神気に包まれた、霊験あらたかな白山比咩神社に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
白山比咩神社の特徴
白山比咩神社の歴史は古く、崇神天皇時代の紀元前91年に、本宮北側の白山市八幡町の舟岡山(標高178m)に神地として創建されたと伝えられています。
応神天皇時代の297年に、手取川の河畔・十八講河原へ遷座しますが、度重なる川の氾濫のため社地が崩壊していました。奈良時代の716年、手取川沿い・安久濤の森に遷座します。室町時代の1480年の大火により、40余りもの堂塔や伽藍の多くが焼失したため、末社である三宮が鎮座していた現在地へと遷りました。奈良時代717年、白山登拝に初めて成功した僧・泰澄(たいちょう)は、翌718年に山頂に奥宮を建立します。泰澄の登拝により白山信仰は、一気に全国へと広まりました。
古来、神の鎮まる聖地であり入山が禁じられていた白山は、泰澄が女神のお告げにより、山を仰ぐ信仰から登拝という形に変わり、白山の山頂に至る登山道が開かれました。各地に白山登拝の拠点となる、禅定道の馬場が設けられました。中でも加賀馬場として栄えたのが、白山比咩神社を中心とする白山七社です。
白山を開山した泰澄は、神仏習合の祖と言われています。「泰澄和尚伝記」には、泰澄は女神に白山へ誘われ、その山中で九頭竜王・十一面観音とも繋がったと記されています。白山での神や仏との出会いにより「女神・龍・仏、皆すべて同一の存在」と悟った泰澄は、神仏習合の創始者となったそうです。
太古の時代に神は、一定の場所に留まっていませんでした。神社に神が祀られるようになると、その地に住む人々の繁栄を祈願する様々な祭事が神社で行われるようになりました。白山比咩神社では、春と秋に五穀豊穣を祈る「祈年祭」や、収穫に感謝する「新嘗祭」など農耕に合わせた祭りが行われています。
また、年2回の6月と12月には、半年間の罪や穢れを祓う大祓が行われるようになりました。祭事で人々は、神に供物を捧げたり歌舞音曲を奏でます。神と人との繋がりを強めようと願い、各地で郷土色の豊かなお祭りが今もなお受け継がれています。
白山比咩神社には、貴重な宝物が数多く残されています。古代からの貴重な史料は、白山信仰の重要な文化財であり、加賀藩主・前田家ゆかりの宝物なども多数伝わっています。正親町天皇により白山宮の再興の命が下され、藩祖・前田利家(まえだとしいえ)により再興されました。その後も、白山比咩神社は前田家に篤く庇護され多くの寄進を受けました。数多くの宝物から、時代ごとの特色・世情が感じられます。
白山比咩神社の社殿は、江戸時代1770年に、加賀藩10代藩主・前田重教(しげみち)公の寄進により造営されました。大きな建築物である社殿からは、荘厳な雰囲気が漂っています。江戸時代の地方における神社として、白山比咩神社の社殿は歴史的に極めて高く評価されています。
古より人々に親しまれてきた白山比咩神社では、歴史や文化を感じられることでしょう。
白山比咩神社のご祭神
ご祭神
・菊理媛尊(くくりひめのみこと)
・伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
・伊弉冉尊(いざなみのみこと)
この三柱が祀られています。この三柱は、白山比咩大神(しらやまひめのおおかみ)と呼ばれています。
白山比咩神社のご利益
白山比咩神社では、五穀豊穣・大漁満足・開運招福・家内安全・良縁成就・交通安全・生業繁栄・学業成就・身体健全・夫婦円満・福徳長寿・家運長久・子孫繁栄・神人和楽など多くのご利益が授かれます。
ご祭神の菊理媛神は、伊弉諾尊と伊弉冉尊の夫婦喧嘩を取り持ったという神話があり、菊理媛神は縁結びの神として知られています。菊理媛神の名前の「くくり」から、縁結びは男女の縁に限らず、お金や仕事、人と人との縁まで良く繋いでくださるそうです。
白山比咩神社のお守りでは「結び守」が人気です。結び守は、おみくじを結んだような形になっています。また、「護身刀のお守り」も人気があります。江戸時代に徳川家より前田家に嫁いだ、家康公の孫にあたる大姫(おおひめ)が持参した護身刀にあやかって作られたお守りです。護身刀のお守りは珍しいですね。
白山比咩神社のどこが見どころか?
白山比咩神社の初詣は、多くの人出で賑わいます。元旦の午前3時から初詣のご祈祷の受付が始まります。先着2,000名には「除災招福金幣」が授与されます。また、毎月1日の早朝午前4時30分から、神社にお参りする「おついたちまいり」の祈祷が行われています。月初に参拝して、益々神からのご加護が頂けるように祈る習わしです。
「おついたちまいり」では、無事に1か月を過ごせた感謝と、新しい月の無病息災・家内安全・商売繁盛などを神にお願いします。月ごとの節目としてお勧めの参拝です。「おついたちまいり」では「月次御幣」が授与されます。御幣はご神前に立てる神の依代であり、月毎に木・花が紙垂の色で表され月のご加護が授かれます。
白山比咩神社の広々とした境内には、杉や楓などの古木が立ち、清々しい空気に包まれています。そして、素晴らしい見どころがたくさんあります。
ご神木
白山比咩神社のご神木は、手水舎の前にある樹齢約800年の杉の巨木です。白山市の指定天然記念物で、根元の周囲が約12m・幹周り約10m・樹高が約42mとなっています。また、神門前の大ケヤキも樹齢1000年と言われ、幹周り約5m・樹高は25mもあります。大ケヤキも白山市指定の天然記念物になっています。何百年もの歳月を生き抜く巨木からは、力強い生命のパワーが溢れています。
白山霊水
白山比咩神社の北参道手水舎の横には、白山霊水と呼ばれる白山からの伏流水が湧き出ています。霊峰・白山から流れる大切な水は、命の水であり延命長寿の霊水とされてきました。また、境内には白山の伏流水を利用した禊場もあります。その脇には、禊の神様である住吉大神が祀られています。
琵琶滝
表参道の緩やかな階段を上ると、左側に「琵琶滝」と呼ばれる滝が見えてきます。琵琶滝は奥行きもあり美しく見ごたえがあります。夜にはライトアップされ、より美しく幻想的な世界に包まれます
白山奥宮遥拝所
白山比咩神社を訪れたら、忘れずにお参りしたいのが白山奥宮遥拝所です。遥拝所には、白山三山の大汝峰・御前峰・別山の姿を宿す大岩が祀られています。
遥拝所では、毎月1日・15日に月次祭が開かれ、神職により遥拝が行われています。この遥拝所は、白山の神とつながる拠点です。山頂参拝と同じご利益があると言われています。
奥宮
白山山頂にある「奥宮」は、奈良時代718年に創建されました。現在の奥宮の社殿は、一間社流造檜造りで昭和63年に建立されています。
標高2450mには修験者が祈祷したり宿泊した室堂があります。現在、祈祷殿や一般登山者用の宿泊施設があります。室堂から奥宮までは約40分の道のりです。修験者たちが進んだ霊峰・白山の奥宮まで登拝することで、達成感が感じられることでしょう。
白山比咩神社では、ゆっくりと時間をとって散策してみてはいかがでしょうか。聖なる御力をきっと感じられることでしょう。
白山比咩神社の一番パワーのある所
白山比咩神社は、北陸屈指のパワースポットであり、境内は清らかなパワーが溢れています。中でも、白山三山(大汝峰・御前峰・別山)に見立てた大きな岩が祀られた白山奥宮遥拝所は、強力なパワーがあるそうです。
白山比咩神社は、古くより畏怖の念をもって篤く崇拝されてきた神社です。正しく参拝してパワーを頂きましょう。
ライター : 梅花桜花
基本情報
住所:〒920-2114 石川県白山市三宮町ニ105-1
電話番号:076₋272-0680
URL:http://www.shirayama.or.jp/
アクセス:
・北陸鉄道石川線 鶴来駅から 加賀白山バス「瀬女行き」乗車 一の宮下車 徒歩10分
・北陸自動車道「美川IC」 下車 約20分
「金沢西IC」下車 約30分
「金沢森本IC」下車約50分
「小松IC」 下車 約50分