宮地嶽神社

 

奇跡の景色「光の道」で有名な「宮地嶽神社」
福岡県福岡市と北九州市のちょうど中間の福津市にある宮地嶽神社(みやじだけじんじゃ)は、奇跡的な景観が見られる神社として、大きな注目を集めています。神社より参道の先にある相島に夕陽が沈む光景は、まさに光り輝く「光の道」と呼ばれています。1年のうち、2月と10月だけ出会える感動的な絶景が大人気で、期間中は大勢の人が詰めかけます。航空会社のコマーシャルの舞台にもなり、国民的アイドルグループが出演したことでも話題になりました。

もちろん宮地嶽神社自体も九州有数のパワースポットであり、見どころもたくさんあります。「何事にも打ち勝つ開運の神」として信仰され続ける宮地嶽神社の魅力ついてご案内します。
 

宮地嶽神社の由来・ご祭神
宮地嶽神社の創建は、約1,700年前にさかのぼります。ご祭神は「息長足比売命」(おきながたらしひめのみこと)です。第14代仲哀天皇の后で応神天皇の母である「神功皇后」(じんぐうこうごう)でもあります。

古事記、日本書紀では神功皇后が渡韓の際にこの地に滞在し、宮地嶽山頂より大海原を臨み祭壇を設けると、天神地祇(てんしんちぎ)を祀り祈願して、船出したと記されています。その後、無事凱旋した神功皇后の功績をたたえ主祭神として奉斎し、随従の勝村大神(かつむらのおおかみ)・勝頼大神(かつよりのおおかみ)と併せて、「宮地嶽三柱大神(みやじだけみはしらおおかみ)」としてお祀りしました。以降、宮地嶽三柱大神のご加護の下で事に当たれば、どのような願いも叶うとされ「何事にも打ち勝つ開運の神」と称されます。また全国に鎮座する宮地嶽神社の総本宮として、長年多くの人々に信仰されています。
 

宮地嶽神社の金の歴史
約300年前に出土した、巨石古墳があり日本一の大きさを誇る横穴式石室があります。この古墳の建立は6世紀末頃と推定されています。横穴式石室は、全長23メートル、高さと幅がともに5メートルを超える、玄武岩の巨石が積み重ねられています。

石室では特大の太刀(たち)や刀装具に馬具類、瑠璃壺や瑠璃玉など、総数約300点が発見されました。そのうち約20点が国宝に指定されています。また3.2メートルの特大の太刀には頭椎(かぶつち)がついており、金の装飾が施されています。

さらに教科書などでお馴染みの足置き用の馬具である金銅製の鐙には、金の七葉唐草文が貼付され、遠く離れたオリエントの影響を見ることができます。このことから巨大な宮地嶽古墳には、金の冠を載せ、金の刀装具や馬具に身につけた人物が祀られていたと考えられ、北部九州の王が古墳の主だったとされています。そして、北部九州王朝の聖地として栄えたこの地にふさわしく、創建以来1,600年以上を経た本殿の遷座80年の節目に、宮地嶽神社の屋根は、黄金の屋根に張り替えられました。その様は、まるで宮地嶽の古墳の主が、黄金の宝冠を頭上に掲げているかのような佇まいになっています。
 

宮地嶽神社の3つの日本一
宮地嶽神社といえば3つの日本一が揃っていることでも有名です。

まず、階段を登りきると広場には大鈴と大太鼓が置かれています。銅製の大鈴の重さは450キロもあります。そして大太鼓は、すべて国内の材料で作った太鼓としては日本一のサイズを誇り、直径2.2メートルあります。

ともに専用の堂が建立されそこに奉安しています。大太鼓は毎年1月1日午前0時に打ち鳴らされ、その音は数キロ先まで届くとか。

そして拝殿には、直径2.6メートル、長さ11メートルの大注連縄が掛けられています。重さはなんと3トンもあり、スケールの大きさに圧倒されます。この大注連縄は毎年掛け替えられ、その中には「大注連縄祈願」として、参拝者の願い事が書かれた、たくさんの祈願書が納められています。
 

宮地嶽神社の幻の宮廷舞
光の道に輝く10月の時期に行う「夕陽の祭」で「筑紫舞」(つくしまい)が奉納されます。筑紫舞とは、古来より受け継がれた、御遷座記念祭の日にしか舞うことがない「幻の舞」とされています。奉納は午後1時半ごろからはじまり、「筑紫神舞」(つくしかんめい)、「唐衣」などの演目が、神職や保存会の方々により披露されます。雅楽の雅な音にあわせて、幻想的な舞が始まると、まるで優雅な宮廷時代にタイムスリップしたかのような趣です。
 

宮地嶽神社の奇跡の光景
1年のうち2月と10月の時期だけ「光の道」が見られますが、それは神社から海へと伸びる参道の方角と、太陽が沈む位置が密接に関係しているのが要因です。1年のうち最も見頃な1週間を「光の道ウィーク」と称し、「夕陽の祭」が開催されます。航空会社のコマーシャルで登場したこともあり注目を集め、近年は一般観覧席の場所を確保する倍率が高くなっています。午前中から並ぶ人もいて、光の道を見ようと備えているそうです。

また、本殿内にて御祈願を受けると階段の最上段部分の祈願特別席に入れるそうです。ただ、こちらも人気が集中しますので、早めの電話予約が良いでしょう。日没の瞬間、神社の階段から海まで一直線に延びる参道の先に太陽が沈んでいきます。

その夕陽に照らされた真っ直ぐな道は、まさに光り輝く黄金色の光の道であり、他では見られない絶景を堪能できます。天候や見られる時期に左右され、気象条件が重なった時にのみ拝める光景ですが、だからこそ心動かされる絶景を一生に一度は拝みたい、と思えるのではないでしょうか。
 

宮地嶽神社の最もパワーがある場所

奥之宮八社
宮地嶽神社は、本殿の他に「奥之宮八社」と呼ばれる社が鎮座しています。「一社一社をお参りすれば大願がかなう」との信仰があり、古くより多くの人が訪れるパワースポットです。奧の宮八社巡りは、日本最大級の石室古墳発掘により不動神社が祀られたことから盛んになりました。

奥之宮八社めぐりの冊子が、境内のいたるところに置かれています。それぞれの御社に置かれている印を集めれば八社めぐりが完成します。30分ほどで八社全部をまわれますので、気軽に参加してみてはいかがでしょう。

一番社・七福神社(福を運ぶ七福神)
奥の宮の参道を上り、ボタン園を過ぎたところで、七福神社の幟(のぼり)が見えてきます。恵比寿(えびす)、大黒天(だいこくてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)、弁財天(べんざいてん)、福禄寿(ふくろくじゅ)、寿老人(じゅろうじん)、布袋(ほてい)の七福神をお祀りするお社で、様々なご神徳を授かる事が出来ます。

二番社・稲荷神社(食物とお米の方策を守る神様)
稲荷とは稲が成ると書き、稲そのものが食物を守る神様とされています。古来より宮地嶽の稲荷神社では次のような願いや祈りがこめられてきました。
・五穀豊穣(野菜や果物の豊作の祈り)
・腕前上達(調理の腕前上達の願い)
・商売繁盛(お店の商売繁盛の願い)
このことから、農家の方、商売をしている方、調理人の方など幅広く崇拝されています。

三番社・不動神社(災いや厄を除く神社)
奥之宮三番社の不動神社は、日本一大きさがある横穴式石室古墳の中に「お不動様」がお祀りされています。この古墳は地下の正倉院と称され、金の鐙(あぶみ)や冠(かんむり)、馬具類等の埋蔵物が数多く発掘されました。そのうち約20点が国宝の指定を受けています。

四番社・万地蔵尊(子供達の守り神)
お地蔵様は子供の様に無邪気でにこやかで、丸いお顔をされた子供達の守り神です。宮地嶽神社のお地蔵様は万地蔵さまと称し、子供の願い事は何でも(万・よろず)聞いていただけるといわれています。

五番社・恋の宮(女性の心身内外をお守りする神様)
五番社は、あわしま様(淡島神社)、ぬれがみ様(濡髪大明神)の2柱の神様をお祀りする「恋の宮」です。 あわしま様は女性の体を守り、ぬれがみ様は女性の心を守るといわれています。女性特有の病や恋愛に霊験あらたかで、女性にとって心強い場所になっています。

六番社・三宝荒神(かまど、火除けの神様)
火を統制する霊力がある、荒々しい火の神様をお祀りしています。昔は、煮炊きをする際は竈(かまど)の火を使用していました。台所や食べ物、調理の守り神として崇敬されています。また「三宝」とは、人々の生活に欠かせない水・食物を育てる土・調理するための火を示しています。

七番社・水神社(水を湧き続けさせる龍神様)
宮地嶽神社近くには大きな川がありません。それは神の恵みの雨が地下水になり、地下に大きな埋蔵水として流れているからです。ここでは龍神様が水を差配しているため枯れる事が無く、今日でも水がコンコンと湧き出ています。昔、宮地嶽周辺で水不足や大飢饉になった時は、農民たちがお互いに助け合い苦難を乗り越えてきました。宮地村の人々の水を大切にする思いや信仰が、今も水 神社に込められています。

八番社・薬師神社(病や怪我から救う神様)
昔、宮地嶽の山中で修験者が修行をしていました。病気や怪我が無く無事修業が終わるようにと、お薬師さまをお祀りしたのが始まりとされています。仏教では薬師如来として多く見 られますが、薬師神社は全国でも珍しく、病に苦しむ人々の信仰が篤い神社です。ご神前に病気平癒祈願の依頼書をお供えしたり、護符(お札)や 和漢薬草等を求めに多くの人が参拝に訪れています
 

まとめ
古来より宮地嶽神社の神様は、「何事にも打ち勝つ開運の神」として慕しまれ、崇敬されてきました。日本一の大注連縄・大太鼓・大鈴は、この日本一の聖なる力にあやかろうとする信仰から奉納されたものです。奇跡の「光の道」の絶景も併せて拝めば、感動もさらに増して生涯忘れることのない思い出が作れるのではないでしょうか。

ライターネーム/サクヤ凛

基本情報
住所:〒811-3309 福岡県福津市宮司元町7-1
電話番号:0940-52-0016
HP:https://www.miyajidake.or.jp/
アクセス:
・車(高速利用・
福岡市方面から):九州自動車道古賀IC下車
・車(高速利用・北九州市方面から):九州自動車道若宮IC下車
・車(一般道・福岡市方面から):福岡市天神から国道3号線で約50分
・車(一般道・北九州市方面から):小倉から国道3号線で約75分
JR:福間駅からバス / タクシーで約5分、徒歩で約25分(約2km)
・西鉄バス:JR福間駅から常時運行、当神社参拝用臨時バスでは、神社前にて下車
駐車場:あり(600台収容) 無料
※最新の情報は公式ホームページでご確認ください。
※記載した金額等は2022年10月時点のものであり、変更の可能性があります。

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