愛宕神社

 

仙台の街を一望!伊達家とゆかりのある愛宕神社
宮城県仙台市太白区の愛宕山に、愛宕神社が鎮座しています。元々は伊達家の領地である、現在の山形県米沢市に鎮座していました。伊達家が移封するたびに、愛宕神社も同じく遷座を繰り返します。江戸時代に仙台藩祖・伊達政宗(だてまさむね)公が仙台城を築いた際、現在の地に愛宕神社が遷座されました。

仙台総鎮守である愛宕神社は、火防鎮護の神・辰巳歳生守護の神社として、伊達家及び仙台の人々に尊崇されてきました。

新春の「どんと祭」「鎮火祭」などを始め、様々な行事は多くの人で賑わいます。鎮火祭は特殊な愛宕神社の神事で、火の神・軻遇土神(かぐつちのかみ)に感謝を表す大切な行事です。この神事では、参列者に「火難除笑門来福」の注連縄(しめなわ)が授与され、多くの人々が注連縄を求めて集まります。

愛宕神社の楼門には、天狗の座像が置かれています。この天狗像は日本最大であり愛宕神社のシンボルとなっていて、仙台市の有形文化財に指定されています。正面に向かって右には大天狗、左には烏天狗です。大天狗は「愛宕太郎坊」という名で位の高い天狗とされ、烏天狗は大天狗の命のもと正しい行いを司ると言われています。

仙台には卦体神(けたいがみ)信仰と呼ばれる、生まれ年に対応した寺社へお参りする風習があります。愛宕神社は、辰巳の守り本尊として昔から信仰されてきました。神仏分離により辰巳の方角を守護する普賢菩薩(ふげんぼさつ)が除かれた後も、愛宕神社は辰巳の守りとして今でも人々から信仰されています。

近年、仙台の街は「星の街」と呼ばれています。政宗公が置いた寺社を地図上で線で結ぶと、星の形・六芒星が現れたことから呼ばれるようになりました。政宗公は仙台藩や人々を守るために、各方角に寺社を置いたのではと推測されています。魔除けの六芒星で、街に結界を張ったようです。愛宕神社は六芒星の南に位置します。

愛宕神社の境内は、桜や紅葉など季節毎に景観が素晴らしいです。そして、杜の都・仙台を一望できる見晴らしのよい屋根付きで椅子も用意された展望デッキもあります。参道の長い階段は215段ほどありますが、登り切った後の境内の凛とした空気と、美しい景色に清々しい気持ちになれることでしょう。

伊達家とゆかりのある愛宕神社に守られた美しい街、そして政宗公が守ろうとした仙台に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。 

愛宕神社の特徴
愛宕神社の本宮は、京都市の愛宕山山頂に鎮座しています。江戸時代中頃から、火防の神に対する愛宕信仰として広まりました。全国各地に愛宕神社が建立され、現在は約900社を数えます。

また愛宕神社は、「勝軍地蔵」を本地仏とした愛宕大権現と共に祀られていました。愛宕大権現とは、伊邪那岐神(いざなぎのみこと)を垂迹神として地蔵菩薩を本地仏としています。神仏習合の時代、愛宕大権現は勝軍地蔵が化身した神と考えられていたのです。

そのため、戦の神としても戦国武将にも信仰されてきました。兜の前立が「愛」で知られる直江兼続(なおえかねつぐ)は、愛宕信仰の「愛」をまとったという説もあるほどです。

また、伊達家の家臣であり、白石城主の片倉小十郎重綱(かたくらこじゅうろうしげつな)は、家臣の兜の前立にまで「愛宕大権現」の護符を差し戦地に向かったと言われています。政宗公ももちろん、自領内の愛宕神社を庇護し篤く信仰していました。仙台の愛宕神社は、元々は伊達家の領内である米沢に鎮座していました。

政宗公が米沢より陸奥国玉造郡岩出山に移れば、愛宕神社も岩出山 に遷座、その後、仙台に築城した際は、仙台の愛宕山に遷座されたのです。政宗公が知行地を移す際には、愛宕神社は必ず遷座され祀られていたことがわかります。伊達家・仙台藩にとって重要な神社でありました。

愛宕神社の本殿は、一間社流造の銅板葺で、かつては木羽葺だったようです。拝殿は、入母屋造の銅板葺で、向拝が付いています。愛宕神社の創建や修理の記録が書かれた棟札が残されていて、慶長8(1603)年、慶安3(1650)年、元禄7(1694)年の3枚あります。社殿と棟札は、仙台市有形文化財に指定されています。

社殿の東側にある神門には、右に大天狗・左に烏天狗の木像が置かれています。八脚門・切妻造・銅板葺屋根の神門で、仙台市登録有形文化財です。

また、愛宕神社に奉納された絵馬「源頼政鵺(ぬえ)退治図絵馬」「牛若丸剣道修行図絵馬」は、共に仙台市指定有形民俗文化財です。この絵馬は、仙台藩5代当主・吉村(よしむら)公の肉筆と言われています。吉村公は財政の厳しい藩を立て直した中興の英主で、和歌や書画などに秀でていました。この絵馬からも、愛宕神社への篤い信仰が伝わってきます。

愛宕神社は火防の神・戦の神であるので、戦乱の時代から大切な神として人々に篤く崇敬されてきたのですね。
 

愛宕神社のご祭神
主祭神

軻遇土神 火の神 火難・商売繁盛・土地の守護・良縁祈願

配神
天照皇大神(あまてらすおおかみ)
豊受大神(とようけのおおかみ)
大物大神(おおものおおかみ)
大山昨神(おおやまくいのかみ)
大国主神(おおくにぬしのかみ)
速玉男神(はやたまおのかみ)
伊邪那岐伊邪那美神(いざなぎいざなみのかみ)

他に四神 が祀られています。

境内には、学問の神「愛宕天満宮」、勝負の神「勝鬨(かちとき)神社」、安産・子授け・縁結びの神「産霊(むすひ)神社」、商売繁盛・五穀豊穣の神「稲荷神社」も祀られております。

 

愛宕神社のご利益
愛宕神社は、防火、防災、土地の守護、商売繁盛、出世開運、良縁祈願などのご利益があると言われています。

また、愛宕神社には多くの神が祀られているので、他にもご利益がたくさんあります。学業、勝負事、安産、子授け、縁結び、五穀豊穣、交通安全などと多岐にわたります。

愛宕神社のシンボルとも言える、天狗のデザインの授与品もあります。
 

愛宕神社のどこが見どころか?
愛宕神社の見どころと言えば、楼門の巨大な「天狗像」です。天狗は、神のお使いと言われています。日本最大の大天狗・烏天狗は、囲いの中なので見逃さないで頂きたいです。

境内には軍艦愛宕宮城県出身戦没者慰霊之碑が建立されています。軍艦には神棚が報賽され、軍艦愛宕も艦内にて愛宕神社が祀られていました。平成6年の五十年祭の節目には、後世へと伝えるべく縁起碑も建立されました。

また、伊達家の家臣であった伊東七十郎の招魂碑も建立されています。伊達騒動で、謀反の罪で捕えられ伊東七十郎は処刑されました。後に伊達家を守ろうとした忠孝の士であったことが分かり、明治40年に氏の孝心を顕彰し招魂碑が建立されました。昭和12年には、後祖により縁起碑も建立されています。

愛宕神社の境内は緑豊かで、ヒノキ・ヒバなどの樹木や草花で季節ごとに美しく彩られます。拝殿脇にある夫婦杉と呼ばれる老杉は、樹齢約500年ほどの見事な巨木です。

自然豊かな境内、そして、眼下に美しく広々としたパノラマが展開されています。愛宕神社で、格別なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
 

愛宕神社のパワーの高い場所
愛宕神社は、六芒星の南のポイントに位置しています。愛宕神社は、伊達家・仙台藩にとって重要な役割を果たしてきました。

天下統一の野望を持っていた政宗公ですが、晩年は仙台藩の内政に尽力しました。政宗公の時代にも、仙台では地震や津波の被害を受けています。

そのため、この六芒星には大きな意味があったと思われます。魔除けのシンボル六芒星の結界を張ったと言われていますが、当時の仙台城下には伊達家の家臣と町人・商人などが六芒星に囲まれた所に住んでいたのです。仙台を守ろうとした、政宗公の思いを感じます。

仙台の街を守ってきた愛宕神社には強いパワーがあり、そして六芒星の中にあります。愛宕神社全体が、パワースポットです。

ライター:梅花桜花
 

基本情報
住所:〒982-0841 宮城県仙台市太白区向山4-17-1
TEL :022-223-6096 
アクセス:
・仙台市営地下鉄 愛宕橋駅から徒歩約8分
・JR仙台駅から市営バス 約6分「愛宕神社前」下車
・東北道 仙台南ICから約15分
・東北道 仙台宮城ICから約15分

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