願いを叶える力が授かる力石がある福島稲荷神社
福島県福島市の中心部に、福島稲荷神社が鎮座しています。旧城下町の総鎮守として尊崇された福島稲荷神社は、今でも例大祭や初詣など多く人々が参拝に訪れる人気の神社です。
福島稲荷神社の歴史は古く、1,000年以上昔の平安時代に創建されました。この地に社を建てた人は、陰陽師として知られる安倍晴明(あべのせいめい)です。安倍晴明の天才的な才能は伝説となり、時代と共に浄瑠璃・歌舞伎・能などにも取り上げられてきました。現代でも、映画や漫画などに登場する有名な人物ですね。
朝廷の陰陽尞として仕えた安倍晴明は、京の都から遠く離れた福島県を訪れていたことに驚きます。安倍晴明は、天皇の詔を奉じて東北地方に来ていたのです。福島稲荷神社の地は、西と北に山があり、南には川があり東に向かって清らかに流れています。土地は作物にも適した肥えた土で、安倍晴明はよい地相として神社を創建したのです。
安倍晴明が明るい将来を見通した福島稲荷神社周辺の街は、現在、拓かれて発展し農産物もよく採れる所となっています。このように由緒ある福島稲荷神社は、強い力ある神社として、地元の人々から長く親しまれてきました。今では開運厄除・金運上昇のパワースポットとして知られています。
福島稲荷神社の大きな木の鳥居は、明治神宮で使われていた鳥居を、昭和41年にお木曳きによって移築したものです。明治神宮の創建当時の貴重な鳥居で、平成28年に移築50年となり補修・化粧直しが行われ、福島稲荷神社の清々しいご神域を一層際立たせています。
福島稲荷神社の本殿には、江戸時代の元禄に造られた「おきつねさま」と呼ばれる狐の木像「御神狐」があります。「おきつねさま」は地震で破損したため修復したところ、元禄時代の色が発見され、真っ白だった耳は赤く染められ表情豊かな優しい「おきつねさま」として復活しました。
伝説では安倍晴明の母親は、元々は白狐であり、白狐を助けた安倍晴明の父親と結婚したという話があります。安倍晴明とお稲荷様は、きっと深い縁があるのですね。
静かで清々しいご神域の福島稲荷神社には、境内社も4社鎮座しています。様々なご利益を授かれる福島稲荷神社に参拝してみてはいかがでしょうか。
福島稲荷神社の特徴
福島稲荷神社の始まりは、社伝によると平安時代の987年に遡ります。第66代一条天皇の時代に朝廷に仕えていた陰陽道博士・安倍晴明が、詔を奉じて東北地方に向かいました。現在の福島稲荷神社の辺りで、西に吾妻山・北に信夫山・南に阿武隈川の趣きある美しい景色と肥えた土地を目の当たりにし、安倍晴明はよい地相として社を建てます。
伊勢神宮外宮の神である、衣食住を司る豊受比売大神を勧請して、この地の総鎮守としました。1171年には、晴明の孫・清明が社殿を改築しています。その後、天正および慶長の兵火により社殿は焼かれます。江戸時代1624年に板倉重憲が修復、また福島藩主・堀田正仲が1689年に本殿を、1692年には拝殿を復興造営しました。
これらの修復の記録は、現存する棟札により明らかです。また、「おきつねさま」と呼ばれる「御神狐」もこの時代に奉納されています。1740年にも板倉勝里により社殿を造営・遷座した記録が残されています。江戸時代には福島藩の鎮守として代々藩主の尊崇を集めてきました。
明治・大正時代には社殿の損傷・倒壊などが起こります。現在の社殿は、昭和13年に福島市民の奉賛によって竣功されました。現在の絵馬殿は、江戸末期に造られた旧拝殿です。昭和30年代、石鳥居は損傷のため解体されます。昭和41年に明治神宮より、神宮東西外玉垣御門にあった鳥居2基が移築されました。その鳥居は正面と西の参道に建っています。
歴史ある福島稲荷神社は、昭和62年に鎮座1,000年にあたり記念事業の一つとして奉賛会を設け、社殿・屋根葺替え・参道改修工事は2年の月日をかけて行われました。
福島稲荷神社には、古峰神社・足尾神社・聖徳太子神社・力石神社の4社があります。古峯神社と足尾神社は、元々は本殿裏にありましたが、現在は本殿の東側に移築されています。
聖徳太子神社は、有名な聖徳太子が祀られています。聖徳太子は日本最古の木造建築・法隆寺を建立した功績を称えられ、昭和15年に福島県内の建築関係者により計画され、完成したのは昭和37年のことです。
力石神社には、約63㎏ほどの立派な石・力石が祀られています。この力石は、平成13年に研究者により境内の地中から掘り出されました。力石にはパワーが宿っているそうです。
安倍晴明が創建した福島稲荷神社で、歴史に触れるのも楽しいですね。
福島稲荷神社のご祭神
ご祭神
豊受比売命(とようけひめのみこと) 伊勢神宮外宮の神
配 神
大國主命(おおくにぬしのみこと) 大国
言代主命(ことしろぬしのみこと) 恵比寿
境内社
古峯神社 日本武尊(やまとたけるのみこと)
足尾神社 猿田彦命(さるたひこのみこと)
聖徳太子神社 聖徳太子
福島稲荷神社のご利益
福島稲荷神社では、五穀豊穣・厄祓い・方位除け・安産祈願・家内安全・交通安全・合格祈願・病気平癒・商売繁昌などのご利益を授かれます。
福島稲荷神社の授与品には、過去の名馬の姿が描かれた西陣織の「競馬勝ち守り」や、桃の形をした「桃守り」など福島県ならではの珍しいお守りがあり人気となっています。
福島県は、全国でも有名な馬の産地です。昔から伝統の競べ馬(くらべうま)が行なわれてきた競馬の歴史もあります。今でも福島競馬が始まる前には、馬や騎手の安全祈願・馬場浄めの神事が行われています。平成9年に競馬勝ち守りが作られ、日本各地の競馬ファンに今でも根強い人気です。
そして桃守りは、名産である桃の可愛らしいお守りです。日本では昔から、桃は昔話や神話などでも親しまれる果物で、子宝のご利益があると言われています。女子力アップ・魔除け・果樹豊作などのご利益もあるお守りとして人気です。
福島稲荷神社のどこが見どころか?
福島稲荷神社の清々しく明るい境内は静かで心が落ち着きますが、初詣や例大祭には多くの人手で溢れかえります。特に例大祭は、盛大で迫力があり見応えがあります。
また、福島稲荷神社の境内には、立派な4社の境内社があります。これらの境内社それぞれに、パワーがあり見どころとなっていますので、忘れずに参拝して頂きたいです。
例大祭
福島稲荷神社の例大祭は、大きな見どころです。毎年10月の体育の日にかかる3連休に行われます。神社には鍬の神様が祀られていて、作物の豊穣を祝う秋のお祭りです。地元の人々が楽しみにしているこの例大祭では、各町内の連山車(れんだし)24基が繰りだし駅前に集結します。神社の沿道には露店がずらりと並び、多くの人出で賑わいます。
本祭りは連休の2日目の夕方に始まり、連山車の提灯が一斉に灯されます。華やかな連山車と共に、勇ましい掛け声とお囃子の迫力ある音でお祭りは活気にあふれ盛り上がります。連山車の上では、扇子や提灯を掲げた人々がお祭りを鼓舞し、連山車は街を練り歩きます。昼と夜では、同じ連山車でも趣きが変わるところも魅力的です。
聖徳太子神社
聖徳太子神社の社殿は、法隆寺の夢殿を模した八角形の造りです。ご神体には、真鍮製の聖徳太子像が祀られています。聖徳太子が祀られている神社は、全国でも珍しいですね。
力石神社
力石神社に祀られている力石とは、江戸時代〜明治時代にかけて日本各地で力試しを行うために使われた石のことです。力自慢や祭りの出し物として、力試しが行われていました。また力石は石占とも呼ばれ、願い事や物事の成就を占うための石でもあります。力石に触れると、願いを叶える力が授かれるそうです。有難い御力を頂いてみてはいかがでしょうか。
古峯神社
明治6年に栃木県鹿沼市に鎮座する古峯神社から分霊を勧請しました。ご祭神の日本武尊は、火伏せや防火の神でもあります。例祭の毎年2月の旧初午の日に、境内では火伏せ祈願・湯立て神事が行われます。毎月10日には古峯神社の神使が天狗であることから、天狗の長い鼻にちなみトロロイモを供えお参りをします。大根・人参・牛蒡でもなく、天狗の鼻には長芋がピッタリですね。
足尾神社
足尾神社は、健康な足になるご利益が授かれます。足の怪我や病気、足の弱い人が健康な足になりたいと参拝に訪れ、わらじや草履を奉納する人もいます。そして、足尾神社にはおさすり石と呼ばれる石が置かれています。これで足の弱い部分を撫でると、足の病気や怪我が治ると言い伝えられています。
福島稲荷神社には、見どころや不思議なパワーがあり魅力のある神社です。
福島稲荷神社の一番パワーのある所
福島稲荷神社は、山水の風致であり土地も肥えていて、将来的にも発展する地であろうとして陰陽師の安倍晴明が創建した神社です。安倍晴明のお墨付きの地とも言える、福島稲荷神社の境内には、力強いパワーが流れています。
開運厄除・金運上昇のパワースポットですから、福島稲荷神社に足を運んでパワーを感じてみてはいかがでしょうか。
ライター 梅花桜花
基本情報
住所:〒960-8106 福島県福島市宮町1番29号
TEL:024-522-2702
アクセス:
・JR福島駅 東口より 徒歩 12分
西口より 車 5分
・東北自動車道 福島西ICから 20分
福島飯坂ICから 15分