森に囲まれた聖なるパワーが漂う北海道神宮
北海道札幌市中央区に、北海道神宮が鎮座しています。自然が豊かな森の中にあり広大な境内は約18万㎡で、隣にある円山公園と併せて散策を楽しむことができます。
境内は四季折々に彩られ、春には梅や桜・夏の青々とした木々・秋の紅葉や銀杏・冬の真っ白な雪景色と、訪れた人々を魅了する圧巻の美しさです。境内では、野生のリスやキタキツネに遭遇するかも知れません。カッコウやアカゲラなどの野鳥も森の中に住んでいて、バードウォッチングも楽しめる自然に恵まれた環境です。
北海道神宮は「開拓民の心の拠り所」として、明治2年に明治天皇の勅(みことのり)により祀られました。
北海道は明治時代に入ってから、本格的な開拓が始まりました。多くの人々が本州から移り住みましたが、厳しい気候の中での開拓は大変な苦労の連続でした。自然が豊かな北海道は、江戸時代まで「蝦夷地」と呼ばれていました。蝦夷地とは、異民族の住む地を意味しています。
幕末には既にロシアの南下に脅かされますが、当時は日本の北の境は曖昧でした。そのため、明治時代には日本の国防の為と開拓に力を入れて屯田兵の制度なども作られました。
北海道神宮の境内には、開拓神社があります。開拓神社は昭和13年に北海道の開拓のために心血を注いで下さった人々を偲んで創建されました。先人の困難や苦労があったからこそ、現在の北海道が拓かれました。移り住んだ人々だけでなく、元々住んでいた人々にも時代の流れで様々な多くの苦労があったことでしょう。
歴史は浅い北海道神宮ですが、北海道の守護神であり心の支えとして崇敬されてきました。今でも多くの人々に親しまれています。
現在の北海道は、美しい自然豊かな大地として人気の観光地ですが、多くの先人が未開の地を開拓して築き上げてくれたお陰です。改めて深い感謝の念が沸いてきます。
北海道の総鎮守である北海道神宮は、パワースポットとしても知られています。この北海道の地を拓いてきた、力強いパワーを感じてみてはいかがでしょうか。北海道神宮は歴史は新しくても、力強くて美しい神社です。
北海道神宮の特徴
北海道神宮は明治2年に明治天皇の勅によって、東京で北海道鎮座神祭が斎行され開拓三神が鎮斎されます。開拓三神とは、大国魂神(おおくにたまのかみ)・大那牟遅神(おおなむちのかみ)・少彦名神(すくなひこなのかみ)の三柱の神です。
開拓三神は北海道の開拓と発展の守護として、御霊代は東京から函館へ、さらに札幌へと遷されます。明治3年に仮社殿が建てられ、明治4年に現在の地に社殿が創建され「札幌神社」と呼ばれていました。
昭和39年には明治天皇が増祀されています。開国の決断や西洋文化を取り入れた明治天皇は、近代日本の礎を築きました。この時、社名は「北海道神宮」と改称されました。明治天皇が祀られ「神宮」という改称により、北海道神宮はさらに特別な神社となりました。
現在の社殿は、昭和49年の放火により昭和53年に再建されたものです。そのため、本殿前の神門は、夜間は閉鎖されます。季節によっても閉門時間が違うので確認が必要です。神聖な空気の中、社殿からは近代的な美しさと重厚感や力強さが感じられます。手水舎は冬でも水が流れ、痛いほどの冷たい水がより一層心身ともに清められたかのようです。
江戸時代までの北海道には、約6万人が住んでいました。明治時代に入り開拓使が派遣されますが、明治15年には開拓使が廃止され北海道は3県(札幌・根室・函館)に分かれます。さらに、4年後の明治19年には3県を廃止し北海道庁として設置されました。この時の人口は約30万人となっていました。耕地面積は、3万町歩(29,730ha)ほどでした。
北海道を開いて50年目の大正7年には、人口は217万人を超え、耕地面積も約80万町歩(792,800ha)に拡大しています。そして現在、北海道の人口は500万人を超えています。
明治時代の初期、政府と対立し領地を失った会津藩・仙台藩などの多くの士族が北海道に移住しました。彼らは、集団で生活し開拓を成功に導きました。
その後、武士に与えられていた家禄(給料)が廃止され、士族授産として国や元藩主・元領主の援助により士族が移住しています。さらに、屯田兵制度により国防・開拓のために、東北地方の士族や平民などが移住しました。
北海道神宮は、北海道の総鎮守として人々を見守ってきました。北海道の開拓には、多くの人々の苦労があったことでしょう。開拓の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。
北海道神宮のご祭神
大国魂神 北海道の国土の神様
大那牟遅神 国土経営・開拓の神様
少彦名神 国土経営・医薬・酒造の神様
明治天皇 近代日本の礎を築かれた天皇
北海道神宮には、4柱が祀られています。
北海道神宮のご利益
北海道神宮のご利益は、多岐に渡ります。
縁結び・恋愛成就・安産祈願・子宝・合格祈願・学業成就・夫婦円満・家内安全・商売繁盛・病気平癒・健康祈願・必勝祈願・勝利成功・技芸・武芸・芸能旅行・交通安全
北海道神宮のおみくじは、日本語の他に英語・中国語の対応もあります。海外からの参拝客がいかに多いのかがわかります。
北海道神宮のどこが見どころか?
静かな森の中にある北海道神宮は、四季折々の壮観な景色を楽しめます。またパワースポットとして知られる境内社も見どころと言えます。
北海道神宮の春は、250本ほどの梅の花・1400本ほどの桜の花が一斉に咲きだします。梅と桜の甲乙つけがたい見事な美しさは、お花見スポットとしても人気があります。
授与所では境内の梅を使用した梅酒「神宮の梅」が販売されています。この梅酒の容器は、神事で使われる瓶子の形です。お土産として人気があります。また、同じく境内で採れた桜を使った塩漬け湯茶「神宮の桜」は、北海道の日高の昆布と十勝の黒豆が一緒に入っています。お祝い事の贈り物としても人気があります。
北海道神宮は北海道の総鎮守として崇敬され、多くの参拝者が北海道内外から訪れます。境内にある3つの境内社は、北海道の開拓・発展に尽力された先人が祀られています。
開拓神社
開拓神社は、最も強力なパワースポットとして知られています。1938年に北海道開拓70周年を記念して、松浦武四郎や島義勇など北海道の開拓に尽力した37人が祀られました。先人の様々な労苦や困難を偲んで、偉業を成し遂げた数々の功績を忘れずに後世に伝えるための神社です。開拓神社では仕事運や勝負運が上がると言われています。
鉱霊神社
北海道内には、炭鉱の街として栄えた所が多数ありました。鉱山での殉職者を、慰霊するための神社として、1943年に別の場所に創建され、1949年に北海道神宮に遷座しました。交通安全などのご利益があります。
穂多木神社
穂多木神社は、北海道経済の礎を築きあげた北海道拓殖銀行に関わる功労者が祀られた神社です。1938年に銀行の屋上に創建され、1950年に北海道神宮の境内に遷座されました。2匹の狛犬はブロンズ像で、金運アップのご利益があると言われています。
北海道神宮の例祭は、毎年6月に行われ「札幌まつり」と呼ばれています。お囃子にあわせて、市内を神輿や山車が練り歩く「神輿渡御」も行われます。平安絵巻物を彷彿とさせる衣装を纏った、およそ1200人もの市民による煌びやかで盛大なお祭りです。ノスタルジーなこのお祭りは、北海道の夏を告げる祭りとして賑わいます。
北海道らしく広大で清々しい北海道神宮は、どの季節も景色が美しく清らかな気も流れています。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
北海道神宮の一番パワーのある所
北海道神宮で一番パワーがある場所は、開拓神社と言われています。手稲山から本殿に流れ込むパワーと、藻岩山・円山から第三鳥居に流れ込むパワーが合流する所です。最強のパワースポットで、周辺に滞留する清々しいエネルギーを頂けます。
そして、北海道神宮全体にパワーがありますので、本殿をはじめ森に囲まれた境内の聖なる力を存分に頂きましょう。
ライター 梅花桜花
基本情報
住所:〒064-8505 北海道札幌市中央区宮ヶ丘474
TEL:011-611-0261
アクセス:
・東西線円山公園駅下車 徒歩15分
・JRバス神宮前停留所下車 徒歩1分