石崎地主海神社

 

八重桜の名所」で知られる石崎地主海神社
石崎地主海神社は、北海道函館市白石町に鎮座しています。函館駅からは車で45分ほどの市街地から離れた所です。石崎地主海神社は、密かに「八重桜の名所」として知られています。

湯の川温泉方面から、海沿いの国道278号を恵山方面に向かう途中に、神社入口の看板が見えてきます。看板に従って山沿いに向かって車を進めましょう。やがて神社まで一直線の、真っ直ぐな桜並木が目に入ります。桜並木の先には存在感のある両部鳥居があり、石崎地主海神社の社殿が見えます。

小高い丘にある石崎地主海神社からは、函館山や津軽海峡が一望できます。石崎地主海神社周辺は、北海道内で最も古い開拓地と伝えられています。鎌倉時代に北海道のこの地に、本州から人が渡り根付いた場所だそうです。美しい景色が広がり、住みやすい場所であったのでしょう。明治時代に入り仙台出身の人がこの地に渡り、仙台で信仰していた神を奉じたのが、石崎地主海神社の始まりと言われています。

石崎地主海神社の八重桜の桜並木は、5月の中旬以降に満開になり、参道は濃いピンク色の美しい桜並木のトンネルとなります。「桜は儚いからこそ美しい」と言われますが、例えば満開に咲き誇ったソメイヨシノが散ってしまうと、その儚さにやはり寂しい気持ちも少し沸いてくることでしょう。

そんな人々の思いを知ったかのように、ソメイヨシノより一足遅く咲きだす八重桜に、再び人々は喜びを感じるのではないでしょうか。スッキリと綺麗に整えられた石崎地主海神社の境内には、山や海からの清らかなエネルギーが流れています。
 

石崎地主海神社の特徴
石崎地主海神社の周辺である亀田郡石崎地方は、鎌倉時代に北海道内で最古の和人が海を渡り定着した場所と言われています。時は流れ明治43年に仙台出身の大槻家の人々が、北海道での開拓を志しこの地に入植します。

その際、郷里の仙台より江戸時代の嘉永年間より信仰してきた、ご祭神の猿田彦大神(さるたひこのおおがみ)と天照大御神(あまてらすおおみかみ)をこの地に奉じました。祠堂を建てて祀ったことが、石崎地主海神社の始まりです。

その後は、沿岸漁業の豊漁を祈るため、大海津見大神(おおわたつみのおおかみ)も合祀しています。他にも石崎地主海神社には、多くのご祭神が祀られています。大地を守護する神・大地主大神(おおとこぬしのおおかみ)、全国の産土神・大山祇大神(おおやまつみのおおかみ)、航海守護の神・金刀比羅大神(ことひらのおおかみ)、五穀豊穣の神・倉稲魂大神(うがのみたまのおおかみ)、開運の神・穴澗大神(あなまのおおかみ)など祀られています。

昭和43年には社殿の損傷も激しかったこともあり、明治元年より100年を記念して改築が行われました。また、石崎地主海神社の改築記念の際にして、松前町より300本もの八重桜が贈られたそうです。その八重桜は、今も毎年人々の目を楽しませてくれています。  

石崎地主海神社のご祭神
ご祭神
大地主大神
大海津見大神
天照大御神
大山祇大神

境内外末社
猿田彦神社
猿田彦大神・金刀比羅大神
三柱神社
倉稲魂大神・穴澗大神

 

石崎地主海神社のご利益
石崎地主海神社は、家内安全・災難厄除・国土安泰・開運招福・勝運・子孫繁栄・航海守護・漁業繁栄・学業成就・安産・病気平癒など、たくさんのご利益があるとされています。おみくじには桜並木にちなみ、「爛漫桜咲くみくじ」(初穂料200円)があります。おみくじを開くと桜の花びらの形になります。女性から人気のおみくじで、桜が咲くかと運試しをされる方も多いそうです。
 

石崎地主海神社のどこが見どころか?
八重桜の桜並木を進むと、石崎地主海神社の両部鳥居が見えてきます。山裾の傾斜地に鎮座しているため、境内は緩やかな傾斜があります。スッキリとした境内には狛犬の姿は見られません。その代わりに拝殿の木鼻の獅子鼻の彫刻は、雄々しくも愛くるしいお顔が見られます。獅子は左右で表情も違うので、ぜひ拝殿前で見上げてみましょう。向拝の龍の彫刻も見事です。拝殿の扁額には「照北冥」とあり、北の海を照らすという意味があり北海道ならではの文字と言えます。

石崎地主海神社の境内から、海や山々の清々しい景色が望めるのも見どころです。社殿の後ろの更に小高い場所には、本殿が祀られています。境内社には猿田彦神社・三柱神社の他に、御霊神社が祀られています。南北朝時代の動乱期に、津軽から蝦夷地と呼ばれたこの北海道に渡り、志苔館を築いた小林氏一族が祀られたお社です。1457年にアイヌ民族・大酋長コシャマインの乱で敗れたそうで、民族の戦いの歴史も知ることができます。

そして、大きな見どころは、八重桜のアーチを描く満開時の桜並木の美しさです。植樹された八重桜の約300本のうち、境内や参道には約180本が現存しています。濃いピンクの幾重にも重なる八重桜の花びらは、ふっくらとしたボンボンのような愛らしさがあります。花と同時に新葉の緑も枝に付きます。ピンクと緑の優しいコントラストも魅力です。

春を告げるように咲き誇るソメイヨシノには、美しさに多くの人が桜の木のもとに集います。やがて散りゆく潔くも儚い桜の花に、この世は常に変化し変わらないものはないという「諸行無常」という言葉を思い浮かべ、人生を重ねて寂しい思いを感じてしまう方もいるかもしれません。

しかし、八重桜はソメイヨシノとは違うイメージがあるのではないでしょうか。比較するものではありませんが、色も濃く幾重にも重なる八重桜の花には活気があり、夏の近づきも感じられ元気を与えてくれます。八重桜の花言葉は「理知・しとやか・豊かな教養」で、幾重もの花びらから積み重ねた知識と見立てた素敵な花言葉です。5月中旬以降の見頃には恵山のツツジの開花と重なりますので、石崎地主海神社はお花見ドライブにおすすめのコースです。

また、石崎地主海神社の春季例祭では、雅楽・豊栄の舞(とよさかのまい)が奉納されています。函館市内のお社で松前神楽ではなく、雅楽を奉納するのは数社ほどのようです。何とも優雅な舞いに、時を忘れ心を奪われることでしょう。春季例祭に合わせて参拝するのもおすすめです。
 

石崎地主海神社の一番パワーのある所
石崎地主海神社の境内全体に、山や海からの清らかなエネルギーが流れ込んでいます。中でも桜並木から参道、真っ直ぐに続く拝殿前はパワーがあります。

 

まとめ
北海道函館市白石町に鎮座する石崎地主海神社は、「八重桜の名所」として知られています。小高い丘にある境内からは、函館山や津軽海峡のパノラマが広がります。石崎地主海神社周辺は、北海道内でも最古の鎌倉時代から開拓された場所です。

明治時代に入り仙台出身の人が移住し、仙台で信仰した神をこの地に奉じたのが、石崎地主海神社の始まりです。石崎地主海神社にはこの地を守る多くの神が祀られ、スッキリとした清々しいご神域となっています。

ライター 梅花桜花
 

基本情報
住所:〒041-0265 北海道函館市白石町248番地
TEL:0138-58-4250
定休日:無 
拝観時間:24時間参拝可能
拝観料:無
アクセス:JR函館駅より車で30分
駐車場: 有
※記載した金額等は2023年12月時点のものであり、変更の可能性があります。

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