上賀茂神社

 

ユネスコ世界遺産登録の京都最古の上賀茂神社
京都府京都市北区にある上賀茂神社(賀茂別雷(かもわけいかづち)神社)は、山城国一之宮で、神社の敷地すべてが「古都京都の文化財」の1つとしてユネスコの世界遺産に登録されています。賀茂川近くにあり、JR京都駅からはバス乗り継ぎで35~45分程の場所に鎮座する神社で、浄化作用が強く、厄除や災難除け、必勝祈願などのご利益が強力なパワースポットです。今回は、そんな「上賀茂神社」の人気の秘密や見どころ等、ポイントごとに紹介していきます。 

上賀茂神社はどんな神社?特徴は?
上賀茂神社は69万㎡という広大な敷地を誇り、本殿と権殿の2棟は国宝に、重要文化財には34棟が指定され、1994年には世界遺産に登録されました。下鴨神社の東殿のご祭神・玉依姫命の御子で、西殿のご祭神・賀茂建角身命の孫にあたる賀茂別雷大神(かもわけいかづちおおかみ)がご祭神として祀られています。

境内には小川が流れ、春にはさまざまな種類の桜が咲き誇り、秋には境内の紅葉も彩りを見せ、桜や紅葉の名所にもなっています。5月には下鴨神社と同様、京都三大祭りの1つ・葵祭が行われることでも有名です。上賀茂神社の摂社である片岡社は、かつて紫式部も縁結び祈願のために通ったことがあるという逸話もあります。 

上賀茂神社の歴史
上賀茂神社の創建年は定かではありませんが、社伝によると、初代天皇の神武天皇の御代に神山(こうやま)の麓にご祭神の賀茂別雷命が降臨したことが始まりとされています。社殿が建立されたのは、飛鳥時代の677年。上賀茂神社は、794年の平安遷都後も朝廷などからさらなる崇敬を集め、807年には、最高位の正一位の神階に位置付けられ、山城国一之宮になりました。

社殿は14世紀、15世紀に戦乱で焼失し、1591年には豊臣秀吉によって遷宮が行われています。国宝の本殿と権殿は江戸時代の1863年に再建され、明治期には、下鴨神社と共に、官幣大社の筆頭に。上賀茂神社の境内は1993年に史跡に指定され、翌年の1994年には世界遺産に登録されました。
 

上賀茂神社のご祭神
上賀茂神社のご祭神は賀茂別雷大神の1柱です。

賀茂別雷大神(かもわけいかづちおおかみ)
下鴨神社のご祭神の玉依姫命が賀茂川で遊んでいた時に流れてきた丹塗(にぬり)矢を持ち帰って床の間に置いている間に玉依姫命が懐妊。その後産まれたのが賀茂別雷大神といわれています。賀茂別雷大神は子供の時分に雷鳴と共に天に昇っていき、成人になって賀茂山の麓に降臨したと言い伝えられており、ご祭神として祀られています。

賀茂別雷大神のご利益は、厄除開運、方除け、八方除け、雷除け、災難除け、必勝、五穀豊穣、電機産業守護です。 

上賀茂神社のご利益とは?
上賀茂神社の主なご利益については以下の通りです。

厄除開運・方除け
賀茂別雷大神の雷(いかづち)の神威で厄を祓い、開運を招くことができるといわれています。方除けや八方除けなど、方位による災禍や八方塞がりの障りを除ける効果も期待でき、京都の鬼門の守り神としても崇敬される神様です。お守りにも「厄除守」(初穂料800円)や「八方除守」(800円)があります。

雷除け・災難除け
賀茂別雷大神は雷を支配する神で、雷をはじめ、あらゆる災難も払っていただけます。上賀茂神社には「雷除御守」(800円)も授与しており、災難除けとしても守ってくれますよ。

五穀豊穣
賀茂別雷大神は五穀豊穣を司る神でもあります。その為、五穀豊穣を祈願する神事も行われており、古くから農民からも崇敬されていました。「雷が多い年は豊作」といわれますが、雷を司る神様ですので納得できますね。

必勝祈願
こちらも賀茂別雷大神のご利益の1つで、上賀茂神社はかつて名立たる武将や江戸将軍なども崇敬していた神社です。織田信長も毛利攻めの必勝祈願のため、上賀茂神社を訪れる予定でしたが、参拝できず、命を落としたのだとか。必勝祈願の勝守(初穂料800円)も授与品として頒布されています。

縁結び
かつてあの紫式部も縁結び祈願のため、上賀茂神社の摂社・片岡社(片山御子神社)に足しげく通っていたといわれています。ハート形の片岡絵馬(初穂料500円)に願い事を書いて奉納すると、よりご利益をいただけそう。実際に願いが叶ったという声も上がっています。 

上賀茂神社の見どころとは?
次は上賀茂神社の見どころについて見ていきましょう。上賀茂神社の見どころについては以下の通りです。

神馬舎の神山号(こうやまごう)
上賀茂神社には神馬(しんめ)として白馬の雄馬・神山号が飼われています。「神馬」とは神が騎乗する馬として神社に奉納される馬の事です。「1月のはじめに白馬を見ると邪気が祓われる」という中国の故事から、1月7日には白馬奏覧神事という神事が行われます。元々は競走馬として活躍していた馬で、現在は7代目。出社日は日・祝・祭典日の9:30~15:00頃です。参拝客は神馬舎で人参をあげることができます。

細殿の立砂
歴代天皇や上皇などが参拝する際の仮の御所として使われていた細殿は現在、結婚式などにも使用されていますが、その細殿の前には円錐の形をした2対の盛り砂があります。この立砂と呼ばれた盛り砂の上には松の葉が立てられています。立砂は鬼門・裏鬼門に撒くお清めの砂で、本殿の後方にある円錐形の美しい神山を模したものだそうです。

国宝の本殿・権殿
三間社二面流造(ながれづくり)の社殿で、東(右)側にあるのが本殿、西(左)側にあるのが式年遷宮の際に一時的に使用される権殿です。いずれも国宝に指定されており、世界遺産でもあります。江戸時代の「狩野派」の絵師による狛犬の絵画「影狛」が社壁に描かれています。

上賀茂神社の本殿と権殿も一般公開はされていませんが、年に数回行われる¥500(夏は¥600)の「特別拝観」に申し込んでお祓いを受けた後に拝観ができるということです。

渉渓園(しょうけいえん)
上賀茂神社では「曲水の宴」が催される「渉渓園」という庭園があります。「曲水の宴」は平安時代の貴族が行っていた宮中行事の1つで、盃が流れてくるまでに詩歌を詠んでお酒をいただくという神事。毎年4月に曲水の宴が催されるので、雅な平安時代を垣間見てみるのも素敵です。

願い石
同じく、渉渓園の中に「願い石」があります。渉渓園には龍神池があったとされており、その池から出土したのが願い石とのこと。願い石は、陰陽石ともいい、陰と陽が融合した姿を現しているそうで、両手で同時に手で触れてパワーをいただき、賀茂山口神社を参拝しましょう。賀茂山口神社では商売繁盛のご利益が期待できます。

しだれ桜
上賀茂神社は桜の名所でもあります。境内のしだれ桜(斎王桜)、八重紅のしだれ桜など艶やかな桜は4月の初旬に見頃を迎えます。“恋の架け橋”と呼ばれる太鼓橋も桜を見るおすすめスポットです。

藤木社(ふじきのやしろ)と樹齢500年の御神木
上賀茂神社の末社・藤木社には水の神・瀬織津姫が祀られています。瀬織津姫は罪や穢れを祓い清め、流して下さるといわれています。わざわざこの藤木社を参拝するために訪れる人もいるほどで、藤木社のそばには明神川が流れています。この藤木社には樹齢約500年といわれる樹高10m程のクスノキの巨樹があり、非常に見ごたえがあります。瀬織津姫には家運隆昌のご利益もあるそうです。

社・太田神社のカキツバタ群落
上賀茂神社の摂社の1つ・太田神社の参道には、国の天然記念物に指定されている敷地面積約2,000㎡の「大田ノ沢のカキツバタ群落」があります。約25,000株のカキツバタは毎年5月上旬から中旬が見頃の紫色の花で、この太田神社の参道にも多くの観光客が訪れるので見逃せませんね。
 

上賀茂神社のお守り・御朱印帳・おみくじ
せっかく神社の参拝に訪れたなら、お守りや御朱印はチェックしておきたいですね。次は、上賀茂神社で販売されている「お守り」「御朱印帳」「おみくじ」について見ていきましょう。

お守り
上賀茂神社のお守りもいろんな種類があって楽しめます。人気は「航空安全守」(初穂料800円)。他の神社にはあまりないからでしょうか。旅行する方には「旅行安全守」(800円)もおすすめです。縁結びのお守りは2つ。片岡社の縁結び守(800円)と、小さな矢に鈴が付いた変わり種の「縁結びの矢」(300円)も可愛くて欲しくなる一品。

カードの裏に9頭の馬が描かれた「うまくいく守」(500円)はカード型のお守りで、お財布の中に入れて持ち歩くタイプになっています。女性に人気で、香りがほのかにする幸運の「あふひ香守」(1,000円)は桃色と緑の2色があります。その他、「芸能上達守」(500円)や「杜若守」(500円)も素敵なデザインになっています。

御朱印帳
上賀茂神社の御朱印帳は、細殿と立砂と御神紋の双葉葵がデザインされた黒と紺の御朱印帳(初穂料1,000円)です。カキツバタが描かれた摂社の太田神社オリジナルの御朱印帳(水色)もあります(1,500円)。こちらは太田神社で頒布されているものです。

おみくじ
上賀茂神社のおみくじはとてもユニーク。「八咫烏みくじ」(初穂料500円)は摂社の久我神社のご祭神・賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)の八咫烏の神話からできたものです。「馬みくじ」(500円)は木彫りのお馬さんがおみくじをくわえています。動物のおみくじに癒されますね。 

上賀茂神社の特にパワーがある場所は?
上賀茂神社で特にパワーがある場所は、細殿の立砂です。ご祭神である賀茂別雷大神が降臨したといわれる神山を模した立砂は、特に神聖な気が集中するスポットといわれています。 

まとめ                             
下鴨神社と同様、京都最古といわれる上賀茂神社。神聖な浄化パワーで祓い清め、良い運気を招き入れることが出来ます。見どころも満載なので、普段目にすることが出来ないところまでチェックしてみて下さいね!

 

ライターネーム Kikumikan
 

基本情報
住所:京都府京都市北区上賀茂本山339
電話番号:075-781-0011
営業時間:5:30~17:00(授与所は8:00~16:45)
HP:https://www.kamigamojinja.jp/
駐車場:有料駐車場あり
アクセス:
・地下鉄烏丸線 北山駅から徒歩約25分
・京都市営バス(4、46、67番系統)/京都バス(30、32、34、35、急行36)「上賀茂神社前」バス停から徒歩約1分
・その他アクセス方法は→https://www.kamigamojinja.jp/access/
※記載した金額等は2022年3月時点のものであり、変更の可能性があります。

 

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