大崎八幡宮

 
国宝建造物と伊達家の歴史を持つ大崎八幡宮
仙台の総鎮守である大崎八幡宮は、宮城県仙台市青葉区に鎮座しています。仙台藩祖・伊達政宗(だてまさむね)公をはじめとする伊達家、そして仙台の人々に崇敬されてきました。

大崎八幡宮は、勝運・金運・安産・厄除などのご利益があります。初詣・お宮参り・七五三参りなどの人生の節目にも、多くの人々が参拝に訪れます。

また仙台では、江戸時代に流行した「卦体神」(けたいがみ)と呼ばれる、干支の神を信仰する習わしがあり、戌歳・亥歳生まれの守護神として大崎八幡宮に参拝される方も多く見られます。

安土桃山時代の唯一の遺構である大崎八幡宮の社殿は、昭和27年に国宝建造物として指定されました。本殿前の長細い長床と呼ばれる建造物も、国指定の重要文化財です。漆黒に金色と青が映える煌びやかな社殿は、当時、最高の粋を凝らした華麗な建築でした。この美しい桃山時代の建築は、豪華絢爛で知られる日光東照宮に受け継がれています。

毎年1月14日の小正月に行われる「松焚祭」(まつたきまつり)は有名です。「どんと祭り」とも言われ、日没頃には多くの参拝客や見物客が集まり盛大に行われます。その祭りに合わせて、白鉢巻・白さらしを巻いた参拝者が数千人も集まる「裸参り」も圧巻です。火にあたって心身を清め、家内安全・無病息災のご加護があると言われています。

「杜の都」と言われる仙台市は、緑が豊かで美しい街並みです。そして、近年はパワースポット「星の街」とも呼ばれています。

仙台市内「大崎八幡宮・青葉神社・仙台東照宮・愛宕神社・榴岡天満宮・仙台城本丸」を、地図上で結ぶと見事なまでに六芒星が現れることが分かりました。魔除けとして、仙台の町並みには結界が張られていたのではないかと推測されています。大崎八幡宮は、この六芒星の中の乾(北西)の方角にあたります。

政宗公の仙台藩への思い、家来・町人・商人を守ろうという思いが伝わってきます。後世の人々に「星の街」などと素敵なギフトを贈るなんて、やはり粋な伊達男・政宗公ですね六芒星の中では最も歴史がある大崎八幡宮を参拝して、力強いパワーをいただき日々の活力にしてみてはいかがでしょうか。 

大崎八幡宮の特徴
大崎八幡宮の起源は、平安時代に遡ります。東北地方の征討に貢献をした坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が、武門の神・宇佐八幡宮を岩手県水沢市に勧請し、鎮守府八幡宮を創祀しました。

室町時代に奥州管領の大崎氏が、鎮守府八幡宮を宮城県大崎市田尻町に遷祀しています。この時はすでに、大崎八幡宮と呼ばれていました。

大崎氏の没落後、伊達政宗公が岩出山城を経て、現在の地に遷祀したことが大崎八幡宮の始まりです。その際に、伊達家が代々崇敬していた成島八幡宮も合祀されました。明治以降は大崎八幡神社と社名が変わりましたが、平成9年には再び大崎八幡宮と社名が復活しています。

国宝である社殿は、豊臣家に仕えた匠の技を持つ工巧を招聘して建築されています。桃山時代の建築様式が見事に発揮された、豪壮で華麗な造りとなっています。

1607年の創建時に、入母屋造りの本殿・石の間・拝殿が建立されました。この建築様式は後に、日光東照宮を代表とする「権現造形式」と呼ばれるようになります。社殿は内外とも漆塗で胡粉下地に彩色を施し、彫刻・金具が飾られ落ち着いた風格の中にも華やかさがある美しい建造物です。まさに、国宝であり桃山建築の傑作と言えます。

国の重要文化財の指定を受けた社殿前の長床は、素木造りながらも端麗で瀟洒な味わいのある佇まいです。社殿と長床の対照的な趣は、それぞれの建造物の美を際立たせます。また、社務所・旧宮司宿舎・神馬舎が登録有形文化財に指定されていて、選択無形民俗文化財として能神楽が指定されています。

大崎八幡宮のご神域の中、国宝や重要文化財などの美しい建造物に触れ、伊達家の栄光や遺徳を感じることができます。 

大崎八幡宮のご祭神
三柱
応神天皇(おうじんてんのう)  勝負運
仲哀天皇(ちゅうあいてんのう) 厄除・開運 
神功皇后(じんぐうこうごう)  安産・夫婦円満

卦体神
十二支の守り本尊 戌歳・亥歳生まれの守護神 

大崎八幡宮のご利益
大崎八幡宮のご利益は多岐に渡りますが、特に勝運・金運・安産・厄除などに強いご利益があります。

ご祭神の応神天皇は、勝負運の神なので、ここぞと言う事に関して強いご利益があり、神功皇后は安産や夫婦円満のご利益、仲哀天皇は厄除けや開運のご利益があると言われています。

仙台の総鎮守であり勝負に強いということで、合格祈願に参拝される方も多いです。授与品の五角形の「合格鉛筆守」は、学力増進祈願がなされていて人気があります。

大崎八幡宮には神聖な気が集まると言われ、浄化作用の強いパワースポットとしてもよく知られています。 

大崎八幡宮のどこが見どころか?
大崎八幡宮は、豊かな緑に囲まれ落ち着いたご神域となっています。木々も見どころの一つです。長床の手前には、樹齢400年ほどの高野槇が立派な大木となって出迎えてくれます。

境内の桜は色々な種類があり、3月末から5月初旬まで長く桜を楽しめ、紅葉の季節にも彩られた趣のある景色を眺めることができます。参道の石段の両脇には榊が植えられていますが、その青々とした常緑樹は生命力を表しています。

国道48号に面した一の鳥居の扁額は、畳4畳分ほどもある立派なものです。その扁額には、八幡宮の「八」が可愛らしい二羽の鳩のフォルムになっています。二の鳥居は、1688年に4代藩主伊達綱村(だてつなむら)が寄進したもので県の有形文化財です。この二の鳥居は、岩手県一関から取り寄せた花崗岩で出来ています。

仙台には、江戸時代から続く工芸品・仙台張子があります。仙台張子は、仙台藩士・松川豊之進が武士の内職として、また人々の楽しみをと作られたのが始まりと言われています。

長床には、特大な仙台張子の「松川だるま」が奉納されています。空や海を表す青い松川だるまには、最初から両目が入っています。病気で片目を失明した「独眼竜」政宗公に配慮したようです。縁起物で豪華絢爛なだるまとして知られています。

大崎八幡宮の盛大なお祭り「松焚祭」に合わせて行われる「裸参り」は、もともと酒をつくる杜氏が醸造安全や吟醸祈願のために参拝したことが起源と言われています。白い鉢巻、白いさらし、右手に鐘、左手に提灯、口には含み紙と呼ばれる紙を加えて参加します。神の前で私語を慎むため含み紙をしますが、神への敬虔な思いが伝わりますね。

杜氏たちの習わし「裸参り」は現代にも受け継がれて、毎年多くの参加者が集まります。圧巻のこのお祭りは、仙台市の「無形民俗文化財」に指定されています。

大崎八幡宮には見どころが沢山あります。見応えのある国宝や重要文化財の中に身をおくのも、素敵な時間となることでしょう。 

大崎八幡宮の一番パワーのある所
大崎八幡宮は、拝殿前が一番強いパワーがあると言われています。拝殿前でゆっくり過ごし、よい運気を体に定着させましょう。幸福を継続させる、人生を安定させるなどのご利益パワーが授かれます。

大崎八幡宮は、六芒星の中の北西のポイントに位置しています。伊達家4代にわたって建立された六芒星にある主要な6神社は、幕府に気付かれないよう密かに仙台の街を守るため造られました。

伊達家や仙台藩の人々が守ろうとした仙台は、大崎八幡宮を始め六芒星の主要な神社によって今も強く守られています。移ろいやすい世でありながらも変わらないもの、昔の人々の心に思いを馳せると深い感銘を受けます。

六芒星の中の大崎八幡宮の強い浄化作用でリフレッシュして、よい運気を体内にたくさん取り込んで心穏やかな日々を過ごしたいですね。

 

ライター 梅花桜花
 

基本情報
住所:〒980-0871 宮城県仙台市青葉区八幡4丁目6-1
TEL:022(234)3606 
アクセス:
・JR仙山線 「国見駅」または「東北福祉大前」下車 徒歩約15分
・るーぷる仙台 仙台駅から約45分
・仙台駅前「西口バスターミナル」から乗車、「大崎八幡宮前」下車

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