戸隠神社 火之御子社

 

舞楽芸能の神様を祀る戸隠神社 火之御子社
長野県長野市にある戸隠神社は、戸隠山の麓に鎮座する奥社、中社、宝光社、九頭龍社、火之御子(ひのみこ)社合わせた5社から成る国内でも有数のパワースポットです。天岩戸伝説と関わりのある戸隠神社は「五社巡り」といって、5社とも参拝すればありとあらゆる素晴らしいご利益を戴くことができるといわれています。

今回は、戸隠神社の中でも「火之御子社」にスポットを当て、火之御子社の秘密や見どころ等、ポイントごとに紹介していきます。
 

戸隠神社 火之御子社はどんな神社?特徴は?
戸隠神社は、天岩戸伝説で天照大神がお隠れになった天岩戸を天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)がのちに力任せに下界に捨て、飛来した先にできた戸隠山を中心に発展したといわれる神社です。

火之御子社は森に囲まれた木造の神社で、境内には樹齢500年を超える「夫婦の杉(二本杉)」と世阿弥作の能楽作品といわれる「西行桜」があります。

火之御子社まではJR長野駅から「バードライン経由戸隠高原行き」のバスに乗って約1時間。「戸隠宝光社」バス停で下車すればおすすめの参拝ルート通りに参拝することができます(宝光社の境内から火之御子社に通じる山道(神道)は昼間でも薄暗い為、通る時間や時期を見て判断して下さい)。 

戸隠神社 火之御子社の歴史
戸隠神社としての創建は今から約2,200年以上前の紀元前210年で、火之御子社の創建年は平安時代末期の1098年とされています。明治期には、廃仏毀釈により、それまで神仏習合の形であった戸隠山顕光寺も神仏分離を強いられ、「戸隠神社」へと転換していきました。5社のうち他の4社は神仏混淆(こんこう)で、火之御子社だけは一貫して神社だった為、かつての戸隠山顕光寺とは関係ありません。
 

戸隠神社 火之御子社のご祭神
戸隠神社 火之御子社のご祭神は、天鈿女命と高皇産霊命、栲幡千々姫命、天忍穂耳命の4柱です。

主祭神:天鈿女命(あめのうずめのみこと)
天照大神が天岩戸に隠れてしまった際に天岩戸の前で裸踊りをして神々を熱狂させたのが天鈿女命で、その様子を見ようと天岩戸を開けた天照大神を天手力男神(あめのたぢからおのかみ)が手を引いて岩戸の外に連れ出したとされています。天鈿女命は舞楽芸能の神、縁結びの神、火防の神としてのご利益を司っています。

配祀神:高皇産霊命(たかみむすびのみこと)
高皇産霊命は天地開闢(かいびゃく)の際に高天原に出現したとされる神で、「産霊(むすひ)」の神として生産・創造を司っており、縁結びや五穀豊穣、生産、開運招福、厄除けなどのご利益があります。

配祀神:栲幡千々姫命(たくはたちぢひめのみこと)
栲幡千々姫命は古事記と日本書紀では高皇産霊神の娘で、天照大神の子の天忍穂耳命と結婚し、天火明命(あめのおしほみみのみこと)と瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を産んだとされています。

配祀神:天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)
天忍穂耳命は天照大神の子で、栲幡千々姫命の夫。神武天皇の高祖父ともされています。 

戸隠神社五社巡りおすすめの参拝ルートや時間・服装
戸隠神社を参拝するのであれば、1社や2社だけの参拝ではなく、5社すべて廻ることを是非おすすめします。5社すべてを廻るのであれば、4~5時間は見ておきましょう。奥社の授与所の営業時間が17:00までなので、午前の早い時間からの参拝がベスト。

長時間歩くので、歩きやすい靴(できればスニーカー)と虫に刺されないような服装が理想的です。虫よけスプレーも携帯しておきましょう。雪の季節には滑るので、ブーツかトレッキングブーツでないと厳しいです。おすすめの参拝ルートは、「宝光社→火之御子社→中社→九頭龍社→奥社」といわれています。
 

戸隠神社 火之御子社のご利益とは?
戸隠神社 火之御子社の主なご利益については以下の通りです。

舞楽芸能
どちらかといえば火之御子社は人気(ひとけ)の少ないひっそりと佇む神社ですが、その道を志す人達の信仰が篤く、芸事に携わる人が熱心に参拝に来ることもあるそうです。

縁結び
火之御子社には天鈿女命と高皇産霊命の縁結びのご利益も期待できます。

火防(ひぶせ)の神
火之御子社には火災の害を押さえ込む「火防/火伏」のご利益があります。

五穀豊穣・生産
火之御子社の主祭神である天鈿女命が始まりとされる神楽は、戸隠神社でも「太々神楽」という形で執り行われています。この神楽は、諸悪や災いを打ち払う舞、水を司る神の姿、五穀豊穣を祈る舞など全10種類の舞となっており、五穀豊穣や生産の願いを込めたものです。

厄除開運
戸隠神社の「太々(だいだい)神楽」の10種類の舞の中には、高皇産霊命のご利益の1つである厄除開運の祈願も込められています。 

戸隠神社 火之御子社の見どころとは?
次は戸隠神社 火之御子社の見どころについて見ていきましょう。戸隠神社 火之御子社の見どころについては以下の通りです。

夫婦杉
火之御子社の社殿奥(左手)には樹齢500年の2本の夫婦杉があり、「結びの杉」ともいわれています。奥社にも中社にも宝光社にも立派な杉がありますが、火之御子社の夫婦杉は根元からねじれた形で高く聳え立っており、迫力満点!縁結びのご利益も期待できますよ。

西行桜(さいぎょうざくら)
夫婦杉は社殿向かって左手奥ですが、社殿から向かって右側には平安後期の歌人・西行法師の言い伝えがある「西行桜」があり、この西行桜は自生種のオオヤマザクラです。桜の季節には綺麗に花を咲かせます。

太々神楽(だいだいかぐら)
太々神楽は、長野県の無形民俗文化財に指定されている神楽です。八百万の神々を祭りの場に招き奉る「降神の舞」や、順調な降雨と五穀豊穣を祈る「水継(みずつぎ)の舞」をはじめ、「身滌(みそぎ)の舞」、「巫女の舞」、「御返幣(ごへんべい)の舞」、「吉備楽の舞」、「三剣の舞」、「弓矢の舞」、「岩戸開きの舞」、「直会(なおらい)の舞」の順で行われます。戸隠神社に最も縁の深い舞は「岩戸開きの舞」で、「直会の舞」でお開きとなります。 

戸隠神社 火之御子社のお守り・御朱印帳
せっかく神社の参拝に訪れたなら、お守りや御朱印はチェックしておきたいですね。次は、戸隠神社で販売されている「お守り」「御朱印帳」「おみくじ」について見ていきましょう。

お守り
戸隠神社のお守りはユニークでセンスの良さも伺えるデザイン。種類も豊富に取り揃えています。火之御子社は無人のお社で、火之御子社のお守りは中社の授与所にて頒布。その他の戸隠神社のお守りは宝光社、九頭龍社・奥社の授与所で購入が可能です。

天鈿女命のご利益の1つである「芸能上達」に因んで選ぶなら和柄で品のある「芸能上達守」がおすすめ。縦長のお守りで、色は緑・ピンク・オレンジの3種類あります。水晶の底に龍が見える「開運龍水晶守」(初穂料1,000円)は、中社の天井絵がモチーフになっているお守りで、小さな水晶と小判、鈴が付いた人気のお守りの1つ。中社と奥社の授与所で頒布されています。

女性の心身を守り、病気平癒や健康、子宝を祈願した「おみな守」は、宝光社のみでしか購入できないお守りで、女性に大人気です。冬期の 1月7日から4月の中旬か下旬頃までは、授与場所や受付時間が変更になるのでご注意下さい。

御朱印帳と御朱印
戸隠神社の御朱印帳が頒布されているのは奥社と中社、宝光社の授与所です。種類は3種類で、シンプルな紺の無地タイプ(初穂料1,000円)と中社の天井絵である龍がデザインされた黒と白のクールな御朱印帳(2,200円)、白地に奥社の本殿と鳥居がのせてある女性らしいデザインのもの(2,200円)となっています。火之御子社の御朱印(300円)は、中社と宝光社で頒布されています。

おみくじ
戸隠神社のおみくじ(初穂料300円)は奥社、中社、宝光社の3社で引くことができます。普通の神社でいただくおみくじとは異なり、年齢(数え年)と性別を受付で伝え、神職さんが祝詞をあげながら引いてくださるという独特のスタイル。結果は1番から80番までとなっており、和歌も添えられています。人前で年齢を呼ばれるのが恥ずかしいところですが、珍しいおみくじで運試しできるのは貴重な機会です。
 

戸隠神社 火之御子社の特にパワーがある場所は?
火之御子社の中で特にパワーがある場所は樹齢500年の夫婦杉です。奥社の杉並木や中社の三本杉なども圧巻ですが、火之御子社の夫婦杉もかなりダイナミック。幹回りも太く、500年の時を重ねた強いご神気とエナジーが感じられます。静かに佇む火之御子社のご社殿も歴史と趣があり、穏やかな気持ちで参拝できるのではないでしょうか。 

まとめ 
火之御子社は無人のお社なので、他の4社に比べるとひっそりとした雰囲気ではありますが、主祭神の天鈿女命が舞楽芸能の神様でもあり、主祭神を含め4柱の神様がついている神社でもあります。また、戸隠5社の中では、神仏混交ではなく唯一、終始「神社」としての姿を保ってきました。火之御子社から次の中社までは徒歩15分程。早朝はクマが出没する可能性も無きにしもあらずですので、熊鈴も携帯しておくと安心です。

 

ライターネーム Kikumikan
 

基本情報
住所:長野県長野市戸隠2410
電話番号:026-254-2001
営業時間:9:00~17:00(冬季の1月~4月下旬位までは閉鎖の為、受付時間や授与所が変更になります)
HP:https://www.togakushi-jinja.jp
駐車場:無料駐車場あり(3台)
アクセス:
・JR長野駅7番バス乗り場からアルピコ交通バス「ループ橋経由戸隠高原行き」で「戸隠宝光社」下車後、「神道」という森の中を通って約2km(徒歩約30分)
・その他の行き方は→https://www.togakushi-jinja.jp/access/)
※記載した金額等は2022年4月時点のものであり、変更の可能性があります。

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