虫歯治療などの珍しいご利益のある戸隠神社 九頭龍社
長野県長野市にある戸隠神社は、戸隠山の麓に鎮座する奥社、中社、宝光社、九頭竜社、火之御子(ひのみこ)社合わせた5社から成る国内でも有数のパワースポットです。天岩戸伝説と関わりのある戸隠神社は「五社巡り」といって、5社とも参拝すればありとあらゆる素晴らしいご利益を戴くことができるといわれています。
前回は奥社と中社、宝光社についてご紹介しました。今回は、戸隠神社の中でも「九頭龍社」にスポットを当て、九頭竜社の秘密や見どころ等、ポイントごとに紹介していきます。
戸隠神社 九頭龍社はどんな神社?特徴は?
戸隠神社は、天岩戸伝説で天照大神がお隠れになった天岩戸を天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)がのちに力任せに下界に捨て、飛来した先にできた戸隠山を中心に発展したといわれる神社です。
九頭龍社は奥社の手前(左手)にある小ぶりな社殿で、九頭龍大神(くずりゅうおおかみ)がご祭神として祀られています。九頭龍社には戸隠三十三窟の1つである「龍窟」があり、9つの頭を持った龍が戸隠山を守護することを誓い、洞窟に籠ったという言い伝えがあります。
九頭龍社まではJR長野駅から「バードライン経由戸隠高原行き」のバスに乗って約1時間。九頭龍社や奥社から参拝したい時などは、「戸隠奥社」バス停で下車すればOK。冬季(1月~4月中旬か下旬位まで)は行き先が変わる為、中社で下車後徒歩かタクシーを利用しましょう。
戸隠神社 九頭龍社の歴史
戸隠神社としての創建は今から約2,200年以上前の紀元前210年で、九頭龍社の創建年は明らかになっていませんが、奥社よりも古いという説も。江戸時代には「九頭竜大権現」として崇められ、水の神、農業の神として雨乞いなどが行われました。明治期には、廃仏毀釈により、それまで神仏習合の形であった戸隠山顕光寺も神仏分離を強いられ、「戸隠神社」へと転換していきました。
戸隠神社 九頭龍社のご祭神
戸隠神社 九頭龍社のご祭神は九頭龍大神(くずりゅうおおかみ)1柱です。
九頭龍大神(くずりゅうのおおかみ)
九頭龍社に祀られている九頭龍大神(くずりゅうのおおかみ)は、奥社のご祭神である天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)が奉斎(ほうさい)される前に地主神として祀られており、天手力雄命を迎え入れた神とされています。九頭龍大神は9つの頭を持った龍神と考えられており、水の神、雨乞いの神、虫歯の神、縁結びの神、五穀豊穣、魔除けの神として霊験あらたかなご神徳をお持ちです。
戸隠神社五社巡りのルートや時間・服装
戸隠神社を参拝するのであれば、1社や2社だけの参拝ではなく、5社すべて廻ることを是非おすすめします。5社すべてを廻るのであれば、4~5時間は見ておきましょう。奥社の授与所の営業時間が17:00までなので、午前の早い時間からの参拝がベスト。
長時間歩くので、歩きやすい靴(できればスニーカー)と虫に刺されないような服装が理想的です。虫よけスプレーも携帯しておきましょう。雪の季節には滑るので、ブーツかトレッキングブーツでないと厳しいです。おすすめの参拝ルートは、「宝光社→火之御子社→中社→九頭竜社→奥社」といわれています。
戸隠神社 九頭龍社のご利益とは?
戸隠神社 九頭龍社の主なご利益については以下の通りです。
治水・雨乞い
九頭龍大神は雨と水を司る神で、干ばつ時、黒姫山登山道にある種池の水を汲んで戸隠神社に参拝すると雨が降ると言い伝えられています。また、土砂災害、氾濫、洪水などの水害や、堤防、ダムなどの整備といった人間の生活を防御する為に行う治水においてもご神徳があります。
虫歯
九頭龍大神は虫歯の治療にもご利益があり、好物の梨をお供えすると、歯の痛みを取り除いてくれるといわれています。
縁結び
九頭龍大神は縁結びのご利益も司っています。
五穀豊穣
水の神、農業の神ということから五穀豊穣のご利益もあるといわれています。
魔除け・厄除け
九頭龍社には龍神様がついている為、邪気払いのご利益もあります。
戸隠神社 九頭龍社の見どころとは?
次は戸隠神社 九頭龍社の見どころについて見ていきましょう。戸隠神社 九頭龍社の見どころについては以下の通りです。
社殿(本殿)
森の中にひっそりと立つご社殿の創建は、奥社よりもさらに古いのではないかといわれています。九頭龍社は小さいながらも強いご神氣が漂っており、奥社とは雰囲気の全く違う趣きが感じられます。現在のご社殿は1937年(昭和12年)に再建されたようです。
龍が籠ったとされる龍窟
ご社殿からご社殿右手にある磐座(いわくら)まで廊下が続いており、これが戸隠三十三窟のうちの1つである「龍窟」といわれています。戸隠山の絶景も見どころの1つといえるでしょう。
戸隠神社 九頭龍社のお守り・御朱印帳
せっかく神社の参拝に訪れたなら、お守りや御朱印はチェックしておきたいですね。次は、戸隠神社 九頭龍社で販売されている「お守り」「御朱印帳」「おみくじ」について見ていきましょう。
お守り
戸隠神社のお守りはユニークでセンスの良さも伺えるデザイン。種類も豊富に取り揃えています。九頭龍社には九頭龍社限定のお守りがありますが、その名も「九頭龍宝珠御守」。奥社と九頭龍社のみで頒布されており、人気のお守りです。
また、九頭龍大神には魔除けのご利益があり、榊の形をした「開運厄除御守」をセットで購入すればご利益倍増!可愛らしい草履の付いた「足腰健康守」(初穂料500円)も人気があります。
九頭龍社のお守りは奥社の授与所で頒布されており、冬期の1月7日から4月の中旬か下旬頃までは奥社が積雪で休業する為、中社で授与されています。
御朱印帳と御朱印
戸隠神社の御朱印帳は奥社と中社、宝光社の授与所で頒布されています。種類は3種類で、シンプルな紺の無地タイプ(初穂料1,000円)と中社の天井絵である龍がデザインされた黒と白のクールな御朱印帳(2,200円)、白地に奥社の本殿と鳥居がのせてある女性らしいデザインのもの(2,200円)となっています。奥社の授与所で頒布している御朱印(300円)は、九頭龍社と奥社の御朱印の2種類です。
おみくじ
戸隠神社のおみくじ(初穂料300円)は九頭龍社と奥社、中社の3社で引くことができます。普通の神社でいただくおみくじとは異なり、年齢(数え年)と性別を受付で伝え、神職さんが祝詞をあげながら引いてくださるという独特のスタイル。結果は1番から80番までとなっており、和歌も添えられています。人前で年齢を呼ばれるのが恥ずかしいところですが、珍しいおみくじで運試しできるのは貴重な機会です。
戸隠神社 九頭龍社の特にパワーがある場所は?
「戸隠三十三窟」の1つといわれる「龍窟」には特に強いパワーが感じられます。この龍窟に閉じ込められた後に善神に転じた九頭龍の霊験あらたかな力が宿っている場所といえるでしょう。
まとめ
九頭龍社は厳かな雰囲気でありながらも、素朴で強いエネルギーを放っています。ご祭神の九頭龍大神が地元神ということもあり、守っていただけている感覚を味わえるのではないでしょうか。虫歯の神様というのもなかなか珍しいので、九頭龍社も是非参拝してみて下さいね。
ライター Kikumikan
基本情報
住所:長野県長野市戸隠3690
電話番号:026-254-2001
営業時間:9:00~17:00(冬季の1月~4月下旬位までは閉鎖の為、中社の授与所へ)
HP:https://www.togakushi-jinja.jp
駐車場:奥社参道入口付近(数ヶ所)に約200台分あり(有料)
※マイクロバス以上の大型車は戸隠観光協会(026-254-2888)へ問い合わせ
アクセス:
・JR長野駅7番バス乗り場からアルピコ交通バス「ループ橋経由戸隠高原行き」で「戸隠奥社」下車(冬季は行き先が変わる為、中社で下車後徒歩かタクシー利用)
・その他の行き方は→https://www.togakushi-jinja.jp/access/)
※記載した金額等は2022年3月時点のものであり、変更の可能性があります。