諏訪大社 下社春宮

 

諏訪大社 下社春宮の「結びの杉」で恋愛成就
長野県茅野(ちの)市諏訪湖周辺にある諏訪大社は、上社の「本宮」「前宮」と下社の「春宮」「秋宮」4社から成る日本最古の神社のうちの1つで、国内でも有名なパワースポットです。
全国には25,000もの諏訪神社がありますが、その中でもここが全国の諏訪神社の総本社とされています。今回は、諏訪大社の中でも上社の「春宮」にスポットをあて、諏訪大社 下社春宮の秘密や見どころなど、ポイントごとに紹介していきます。
 

諏訪大社 下社春宮はどんな神社?特徴は?
信濃国一之宮の諏訪大社のうち、下社春宮は諏訪湖北岸の旧中山道沿いに位置する神社で、JR下諏訪駅からは徒歩15分。下社一体は、下諏訪の中心地とされています。春宮は「下社で最初の鎮座地」といわれ、毎年2~8月の間だけ主祭神(八坂刀売神)が鎮座することから「春宮」と呼ばれています。

諏訪大社は、上社に2社(本宮・本宮)、下社(春宮・秋宮)に2社で成り立っており、上社と下社の社格に序列はありません。同じ下社の秋宮とは、約1km離れています。

ほとんどの神社には本殿がありますが、諏訪大社の本宮と秋宮、春宮には本殿がありません。唯一、前宮にのみ本殿と呼ばれる社殿はありますが、基本的に諏訪大社の御神体は山などの自然とみなされています。そんな春宮の場合、御神木の「杉の木」が御神体です。

春宮の幣拝殿(へいはいでん)・片拝殿は、重要文化財に指定されています。諏訪大社では、厄除けやお宮参り、七五三詣、交通安全、合格祈願、縁結び、御射山(みさやま)祈願などを執り行っており、ご利益は広大無辺です。
 

諏訪大社 下社春宮の歴史
諏訪大社の創建年は不明となっていますが、公式HPによると「国内にある最も古い神社の一つ」とされています。そんな諏訪大社の起源は太古の神話に遡ります。古事記によると、天照大御神の孫にあたる邇邇芸命(ににぎのみこと)の降臨に先立ち、建御雷神(たけみかづち)が大国主神(おおくにぬしのかみ)に国譲りするように迫ったところ、大国主神の子であり、本宮の御祭神でもある建御名方神(たけみなかた)がこれに反対。建御雷神に戦いを挑むも敗れ、諏訪まで逃れてこの地に留まったといわれています。

また、下社春宮の社頭から約800m真っ直ぐに伸びた道路は、かつて多くの武士達が流鏑馬(やぶさめ)を競った馬場だったとのこと。

国の指定重要文化財である春宮の幣拝殿は、江戸時代後期の1799年に造営されました。春宮の大鳥居はその約150年前の1659年頃に建立されたもので、「諏訪大社最古の石造物」といわれています。
 

諏訪大社 下社春宮のご祭神
諏訪大社 下社春宮の御祭神は3柱で、主祭神は八坂刀売神(やさかとめのかみ)。他の2柱が建御名方神(たけみなかたのかみ)と八重事代主神(やえことしろぬしのかみ)です。

主祭神:八坂刀売神(やさかとめのかみ)
下社の主祭神は、建御名方神の后神・八坂刀売神です。本宮の御祭神は建御名方神ですが、八坂刀売神は上社の前宮と下社の主祭神として祀られています。八坂刀売神は2~7月まで春宮に鎮座し、8月1日に執り行われる御舟(おふね)祭から秋宮に遷座。そして、翌年2月から再び春宮に帰座されます。八坂刀売神の神格は、「水の神、農業神、温泉の神、国造りの神」です。

建御名方神(たけみなかたのかみ)
本宮の御祭神であり、主祭神の八坂刀売神の夫神である建御名方神も、下社の御祭神とされています。建御名方神の主なご利益は、「勝利祈願、武運長久、商売繁盛、五穀豊穣、子授かり、子孫繁栄」です。

合祀:八重事代主神(やえことしろぬしのかみ)
下社に合同で祀られている八重事代主神も大国主神の御子神で、本宮御祭神・建御名方神の兄神にあたります。神格は「託宣の神、漁業の神、鰐(わに)神」で、主なご利益は「豊漁、海上安全、商売繁盛、厄除開運、病気平癒」などです。
 

諏訪大社四社巡りおすすめの参拝ルートはある?
諏訪大社 下社春宮を参拝するのであれば、1社や2社だけでなく、4社すべて巡るのがおすすめです。しかし、4社すべてを廻るのであれば、上社から下社までが離れているため、6時間はかかると考えた方がいいでしょう。

参拝は24時間できますが、各授与所の営業時間が16:30までなので、早い時間から訪れると気持ちよく参拝を終えることができます。諏訪大社の場合、基本的におすすめの参拝ルートは決まっていません。ただ、バスで回ると本数が少ないようなので、効率的に巡るなら車での移動が一番良いでしょう。

前宮から巡るなら、前宮と本宮は約2kmなので車であれば約5分。本宮から巡ると、前宮から下社の春宮・秋宮までが少し遠回りになります。上社から下社までの距離は、約11kmです。電車であれば、上社の最寄り駅の茅野駅から、下社の最寄り駅の下諏訪駅まで中央本線で約10分です。本数が少ないので、事前に時間をしっかりと調べておく必要があります。
 

諏訪大社 下社春宮のご利益は?
公式HPによると、諏訪大社全体としてのご利益は広大無辺とされていますが、諏訪大社 下社春宮の主なご利益については以下の通りです。

五穀豊穣・商売繁盛
八坂刀売神は水の神であり、農業神でもあります。諏訪明神も古くから「五穀豊穣を祈る神」として崇敬されてきました。これは、御祭神の一人・八重事代主神のご利益の1つでもあるので、パワーも強力。下社が古くから農耕が盛んなことからも、そのご利益の大きさを伺い知れます。

縁結び・夫婦円満
諏訪大社の御祭神である、建御名方神と后神の八坂刀売神をあわせたご利益が、縁結びや夫婦円満とされています。

安産祈願・子授かり
建御名方神と八坂刀売神の間には22人の子供がいたとされており、非常に子だくさんでした。このことから、子授かりや安産のご利益もあるため、多くの参拝客が安産祈願や子授け祈願に訪れています。

勝利祈願・武運長久
軍神として知られる建御名方神の主なご利益が、必勝祈願や武運長久です。川中島の合戦で有名な戦国武将・武田信玄も、たびたび必勝祈願に訪れていたといわれています。必勝祈願のご利益には広く信仰を集めており、勝負事やビジネスの成功などを祈願する多くの参拝客が訪れています。

海上安全・豊漁
「漁業の神」である八重事代主神の得意分野です。海上安全や大漁祈願のご利益を授かることができます。
 

諏訪大社 下社春宮の見どころは?
次は、諏訪大社 下社春宮の見どころについて見ていきましょう。

春宮幣拝殿・片拝殿
春宮の幣拝殿と片拝殿は重要文化財に指定されている美しい拝殿で、江戸時代の1780年に落成しました。幣殿と拝殿が一体となっており、幣拝殿の左右に片拝殿が並んでいます。建築は二階建ての「二重楼門造り」で、思わず息をのむような見事な彫刻が各階の軒下に施されています。

春宮と秋宮の社殿は、大きさは違えど構造は全く同じといわれており、唯一それぞれの彫刻において違いが見られます。訪れた際には、ぜひその違いを確かめてみて下さいね。

下馬(げば)橋
下社で最も古い建造物とされるのが、参道の道路中央にある美しいアーチ形の「下馬橋」で、室町時代に造られたといわれています。下馬橋は、御手洗川の中央にかかった屋根付きの反橋です。たとえ殿様であっても、春宮の参拝の際にはここで下馬しなければならなかったことから、「下馬橋」の名前が付きました。現在、遷座祭では神輿のみが渡るようです。

御神体の「結びの杉」
先で二又に分かれる「結びの杉」は、春宮の御神体とされるもの。幣拝殿手前の参道右手にあります。樹高約30m、幹周り約3.8mの、縦に長くのびる縁結びスポット。神聖なエネルギーが宿っており、一番の見どころともいえる場所です。

万治(まんじ)の石仏
江戸時代初期の1660年に作られた「万治の石仏」は下諏訪町の指定有形文化財で、砥川を挟み、春宮の対岸に位置しています。1970年代に故・岡本太郎氏が紹介したことから有名になったこの石仏は、高さ約2mの巨石。

1657年、諏訪高島藩主の諏訪忠晴から大鳥居を作るよう命じられた石工が、材料となる石を現在の石仏の大石から採取しようとしたところ、ノミを入れると血が流れ出したのだとか。そのため、鳥居をこの巨石で造るのをやめ、大石を阿弥陀如来として祀ったそうです。当時のノミによる傷跡も残っていて、それも見どころの1つですよ。

春宮の大鳥居
高さ約8.2mの「春宮の大鳥居」は、諏訪大社で最古の石造物といわれています。1659年頃の建立で、350年以上の歴史を刻みます。
 

諏訪大社 下社春宮のお守り・御朱印帳・おみくじ・絵馬
せっかく神社の参拝に訪れたなら、お守りや御朱印、おみくじはチェックしておきたいもの。次は、諏訪大社 下社春宮で販売されている「お守り」「御朱印帳」「おみくじ」「絵馬」を見ていきましょう。

お守り
諏訪大社のお守りは、定番のものから、翡翠・黒曜石などの天然石がついたものまでさまざま。4社とも共通なので、どこの授与所でも購入できます。ラベンダー色の「えんむすび守」(初穂料500円)は、良縁成就を祈願するお守り。五穀豊穣を祈る、神札と稲穂がセットになった「御作田神符」(1,000円)も見逃せません。

勝運を高めたい人には、白地にライトグリーンのリーフ柄が印象的な「勝守」(500円)や、同じく木製の小さな必勝祈願のお守りで、諏訪大社の焼印が入った「勝栗札 」(500円)がおすすめです。その他にも、5色の小さなひょうたんが可愛い「無病息災守」(1,000円)や、金色と銀色の「心身健全守」(2,000円)、赤ちゃんの無事な出産を祈願する「安産守」(2,000円)なども。

御朱印帳と御朱印
諏訪大社の御朱印帳は、黒地に金色のモチーフが入ったシンプルながら高級感のあるタイプ。また、4・5月に開催される「式年造営御柱祭」の奉賛金(1万円以上)をした方へは、返礼品として御柱をイメージした木製の特製御朱印帳もいただけるようです。(詳細はこちら→http://suwataisha.or.jp/housan.html)

諏訪大社では令和4年期間中(12月31日まで)、4社それぞれで本年限定の御朱印(初穂料500円)がいただけます。4社をすべて巡ると、記念品も付いてきますよ。

おみくじ
諏訪大社のおみくじには、新潟県糸魚川産の翡翠が添えられたおみくじ(初穂料300円)があり、パワーストーンのお守りもいただけるのでお得感満載。たとえおみくじの結果が悪かったとしても、アドバイスを実践すれば運気が上昇するでしょう。

絵馬
諏訪大社の縁起物の1つである絵馬の中には、諏訪大社の御舟祭の様子が描かれた「お舟絵馬」(初穂料1,000円)など、美しい絵柄のものも目を引きます。そのほか、干支の動物が描かれた「開運絵馬」(500円)や、扇形の「扇絵馬」(2,000円)も必見。こちらはインターネットでも購入できますよ。
 

諏訪大社 下社春宮の特にパワーがある場所は?
諏訪大社 下社春宮の中で特にパワーがある場所は、御神体の「結びの杉」です。縦にまっすぐ伸びる杉の木の、強力なエネルギーを実感できますよ。
 

まとめ                              
静かで落ち着いた雰囲気の春宮には、諏訪大社で最古の建造物や、縁結びのご利益がある「結びの杉」などの見どころがいっぱい。是非、足を運んでみて下さいね!

ライターネーム/Kikumikan
 

基本情報
住所:長野県諏訪郡下諏訪町大門193
電話番号:0266-27-8035(春宮と秋宮の質問や相談)
営業時間:9:00~16:30
公式ホームページ:http://suwataisha.or.jp/
駐車場:参拝者駐車場あり(無料) ※春宮は50台分
アクセス:
・岡谷I.Cから車で約15分(約1km)
・JR下諏訪駅から徒歩約15分(中央高速バス・あざみ号なら駅から春宮大門まで約8分)
※タクシーは1、2台待機している場合もあり
※記載した金額等は2022年4月時点のものであり、変更の可能性があります。

 

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