七社参りすると願いが成就「静岡浅間神社」
駿河国総社・静岡浅間神社は、静岡県静岡市葵区に鎮座しています。JR静岡駅から北へ2km程の、賎機山(しずはたやま)の南麓に位置しています。賎機山は静岡という名称の由来とされている山です。
その賎機山には、神部神社・浅間神社・大歳御祖神社の3社が鎮座し、3社の総称として静岡浅間神社と呼ばれています。通称は「おせんげんさん」と呼ばれ、古くより人々に親しまれ信仰されてきました。
境内には3社の他に、境内社として麓山神社・八千戈神社・少彦名神社・玉鉾神社の、4つのお社も祀られています。静岡浅間神社は、これらの7社を巡る「七社参り」の神社としても有名です。
内在する神社も含めると40社あり、56柱の神々が多く祀られているため、「七社参り」をすれば願いが成就すると伝えられています。静岡浅間神社では、開運は間違いないでしょう。
静岡浅間神社には、一際目を引く大拝殿があります。大拝殿は神部神社・浅間神社の2社の拝殿で、富士山を模した2階建てで日本一の大きさです。
静岡浅間神社では、壮大な大拝殿をはじめ、社殿26棟の全てが国の重要文化財に指定されています。江戸時代に60年もの歳月をかけ建立された、総漆塗り・極彩色の豪壮で華麗な建造物が立ち並んでいます。
また、徳川家康(とくがわいえやす)公が元服式を行った、徳川家ゆかりの神社です。深い歴史と見どころが多く残されている静岡浅間神社は、パワースポットとしても多くの人が訪れています。
静岡浅間神社の特徴
由緒ある静岡浅間神社は「延喜式内社」であり、朝廷や国司などからの奉幣や、祈願の尊崇が寄せられてきました。鎌倉時代以降は歴代幕府をはじめ、武門・武将の崇敬を集め、社領の安堵や宝物の寄進などを受けてきました。
室町時代には1338年には、今川家の氏神として庇護されました。戦国時代には今川家の人質であった家康公(竹千代)は、今川義元(よしもと)公が烏帽子親となり、静岡浅間神社で元服式が行われました。家康公はこの際、竹千代から義元公の「元」を与えられ、「松平次郎三郎元信」(もとのぶ)と名乗ります。
それ以降、静岡浅間神社は徳川家より篤い尊崇を受け、徳川幕府の祈願所ともなりました。静岡浅間神社は、江戸時代まで3社は各々の社家が奉仕していました。神社の社領は、久能寺(現・鉄舟寺)と建穂寺領など、浅間惣社別当寺分も含まれ、両寺院は静岡浅間神社のもと、一社二寺による祭祀が行われていました。
中心的行事となる、「二月会」(廿日会)では建穂寺より稚児舞楽が、「三月会」(桃華会)では久能寺より菩薩舞が奉納されています。歴代幕府により庇護されてきた静岡浅間神社は、江戸時代には徳川家より祭祀費用として、総石高2,313石と破格の社領が安堵されていました。
静岡浅間神社の社殿は、鎌倉時代1224年頃に幕府により社殿が再建されています。室町時代1356年頃にも、今川家によって造営されました。戦国時代1580年に社殿が焼失すると、武田家によって直ぐに造営されています。
1581年には家康公が武田家の賤機山城を攻略するため、戦勝祈願し必ず神社を再建することを誓い、社殿が焼き払われました。その後、江戸幕府開府前後の慶長年間に、社殿は再び造営されています。
1635年には3代将軍・家光(いえみつ)公により、社殿の修造が行われました。日光東照宮・浅草寺など、幕府御用の大工を棟梁として造営されています。
その後、2度の出火で社殿が延焼しましたが、幕末の1804年から60年余もの歳月をかけて再建を果たしました。これが国指定重要文化財となる現存する社殿です。
明治時代になると神仏分離により、別当寺である久能寺(後に鉄舟寺)・建穂寺をはじめ、多くの社僧寺院が廃寺となりました。静岡浅間神社は、「東海の日光」と称されるにふさわしい、総漆塗りの極彩色が施された壮麗で重厚な佇まいとなっています。
静岡浅間神社のご祭神
ご祭神
神部神社 大己貴命 (おおなむちのみこと)
浅間神社 木之花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
大歳御祖神社 大歳御祖命(おおとしみおやのみこと)
麓山神社 大山祇命(おおやまずみのみこと)
日本武尊(やまとたけるのみこと)
八千戈神社 八千戈命(大国主命)
少彦名神社 少彦名命(すくなひこなみのみこと)
相殿・神部神社末社14社
玉鉾神社 羽倉東麿・岡部真淵・本居宣長・平田篤胤
静岡浅間神社のご利益
静岡浅間神社は、ご祭神の木之花咲耶姫命が火中で皇子を出産されたことにちなみ、子宝・安産・婦徳円満のご利益で知られています。 また、大己貴命も祀られ、縁結びのご利益もあります。
豊かな湧き水も流れ多くの恵みをもたらすことから、良縁・事業繁栄のご利益もあるとされています。他にも多くの神々が祀られ、様々なご利益が授かれます。
静岡浅間神社のどこが見どころか?
静岡駅北口から10分ほど歩くと、静岡浅間神社の鳥居が見えてきます。さらに約600mほど続く門前町・静岡浅間通り商店街を抜けたところに、静岡浅間神社が鎮座しています。
静岡浅間神社の見どころは、国指定重要文化財である社殿26棟です。中でも一際高くて壮大な大拝殿は、見応えがあります。極彩色の色鮮やかな社殿や、数多くの彫刻類も大きな見どころです。
また、願いが成就するとされる「七社参り」で有名ですから、訪れた際はぜひ境内7社を全て参拝しましょう。賎機山の緑と、社殿の漆塗りの朱色のコントラストは、色鮮やかで美しい趣きです。多くの神々に守られた静岡浅間神社を、ゆっくりと散策してみてはいかがでしょうか。
神部神社
神部神社には、大己貴命が祀られています 。延命長寿・縁結び・防災招福のご利益があります。崇神天皇7年(紀元前90年)の鎮座と伝えられ、駿河国総社で駿河最古の神社とされています。神部神社と浅間神社の2社は、社殿・本殿を共有しています。向かって右側は神部神社で、左側は浅間神社です。
浅間神社
浅間神社は醍醐天皇(だいごてんのう)の勅願により、平安時代901年に富士山本宮浅間大社から分祀されました。「富士新宮」として祀られています。全国1300社もの浅間神社の中で、1番大きく古いお社です。木之花咲耶姫命が祀られ、子宝・安産祈願など多くの人が参拝に訪れています。
大蔵御祖神社
赤鳥居と神門をくぐり、最初に目に飛び込んでくるのが大歳御祖神社です。神門・拝殿・唐門・本殿の、4つの社殿からなる神社は、2016年に塗り替えられより朱色が美しく映えています。歴史ある神社で、応神天皇4年に創建され式内社となっています。
古くより地主神として、崇められてきました。また、殖産興業の守護神として有名で、商売繁盛を願う人が参拝に訪れています。
大拝殿
神部神社と浅間神社2社の大拝殿は、1805年に起工され、1814年に竣工されました。楼閣造りの「浅間造」と称される代表的な建造物です。高さは25m・殿内は132畳敷の広さがあります。
十間の合天井の各間には、絵師・狩野栄信と狩野寛信による、「八方睨みの龍」「迦陵頻伽」「天人」などの天井絵が飾られています。
少彦名神社
大拝殿の右側には、入母屋造・銅瓦葺の極彩色の美しい少彦名神社が祀られています。無病息災・病気平癒・技芸上達のご利益があります。かつては神宮寺薬師社と称され、薬師如来と十二神将も安置されていましたが、神仏分離令により近隣の臨済寺へ還され、少彦名神社となりました。
玉鉾神社
学業成就・合格祈願のご利益がある玉鉾神社には、国学者であった4名の方がご祭神として祀られています。大拝殿の右奥にひっそりと佇んでいる小さなお社ですが、学問の神様として信仰され、受験シーズンには多くの受験生が訪れています。
八千戈神社
境内の百段階段の手前右側に、八千戈神社が祀られています。八千戈の神は、多くの困難を乗り越え、道を切り開いた神として有名です。
開運・必勝・勝運・武運長久の守護神とされ、必勝祈願の参拝者が多く訪れています。元は家康公の念持仏・摩利支天(まりしてん)が祀られていましたが、神仏分離令により摩利支天は臨済寺に遷されて、八千戈神社となりました。
麓山神社
百段階段を上った先に、三間社流造りの麓山神社が祀られています。古くより賎機山に鎮座し、山宮と称されていました。浅間神社の裏手の賤機山の中に鎮まり、浅間神社のご祭神・木之花咲耶姫命の父神が祀られた別宮とされています。
周辺地区の本氏神で、家内安全・五穀豊穣・衣食住全般の祈願にご利益があります。百段階段を上がるのが困難な方のために、階段手前に賽銭箱が置かれ上らなくても参拝できます。
賤機山古墳
麓山神社の反対側に、賤機山古墳があります。6世紀頃の円墳とされ、家形石棺の大きさは東海随一です。古墳からは美しい装飾品・武具などが出土しています。古くより神聖な場所であったことが分かります。
叶え馬
総門を出て右側の駐車場手前に、「叶え馬」と呼ばれる、木製の白い神馬(しんめ)が祀られています。家光公が大造営の際に、家康公が寄進された神馬を偲び、左甚五郎によって作られたものと伝えられています。祈れば何でも願いが叶うとされ、「叶え馬」にちなんだ、人参の描かれた絵馬もあります。
静岡浅間神社の一番パワーのある所
静岡浅間神社は賤機山の麓にあり、山全体にパワーがあります。中でも大拝殿前が、パワーが強いとされています。
静岡浅間神社のまとめ
静岡県静岡市に、駿河国総社・静岡浅間神社が鎮座しています。境内には神部神社・浅間神社・大歳御祖神社の3社が鎮座し、総称として静岡浅間神社と呼ばれています。
また3社の他に、麓山神社・八千戈神社・少彦名神社・玉鉾神社の4社も祀られています。この7社を巡る「七社参り」は有名で、願いが成就すると伝えられています。壮大な大拝殿をはじめ、社殿26棟が国の重要文化財です。
徳川家ゆかりの神社であり、家康公の元服式が行われた場所でもあります。長い歴史がある静岡浅間神社は、古くから朝廷や多くの武将からも尊崇されてきました。歴史と文化が残された静岡浅間神社には、今でも多くの人が訪れています。
(ライター 梅花桜花)
基本情報
〒420-0868 静岡県静岡市葵区宮ケ崎町102-1
TEL 054-245-1820
定休日 無
拝観時間 7:00 ~ 18:00
拝観料 無
アクセス JR静岡駅より しずてつジャストラインバス 安倍線・美和大谷線
赤鳥居浅間神社入口 下車
東名高速・新東名高速より 約15分
駐車場 有(30分)
http://www.shizuokasengen.net/

