諏訪大社 上社本宮

 

諏訪大社の中で最も参拝客が多い諏訪大社 上社本宮
長野県茅野市諏訪湖周辺にある諏訪大社は、上社(かみしゃ)の「本宮(ほんみや)」「前宮」と、下社の「秋宮」「春宮」4社から成る日本最古の神社のうちの1つで、国内でも有名なパワースポットです。

全国には25,000もの諏訪神社がありますが、その中でも諏訪大社は全国の諏訪神社の総本社とされています。今回は、諏訪大社の中でも上社の「本宮」にスポットをあて、諏訪大社 上社本宮の秘密や見どころを、ポイントごとに紹介していきます。
 

諏訪大社 上社本宮はどんな神社?特徴は?
信濃国一之宮の諏訪大社のうち、上社本宮は諏訪湖の南岸に位置し、諏訪市と伊那市の境である守屋山北麓に鎮座。諏訪大社の中でも、最も参拝客が多いとされる神社です。

諏訪大社は、上社に2社(本宮・本宮)、下社(春宮・秋宮)の2社で成り立っており、上社と下社の社格に序列はありません。ほとんどの神社には本殿がありますが、諏訪大社の本宮と秋宮、春宮には本殿がありません。唯一、前宮にのみ本殿と呼ばれる社殿はありますが、基本的に諏訪大社の御神体は山などの自然とみなされ、本宮の場合は「守屋山」が御神体です。

諏訪大社では、厄除け、お宮参り、七五三詣、交通安全、合格祈願、縁結び、御射山(みさやま)祈願などを執り行っており、ご利益は広大無辺。本宮は、諏訪大社四社の中でも一番多くの建造物が残っており、そのうち本宮の社殿6棟が国指定重要文化財です。500種類以上もの植物が自生する上社の社叢は、長野県の天然記念物にも指定されています。
 

諏訪大社 上社本宮の歴史
諏訪大社の創建年は不明となっていますが、公式HPによると「国内にある最も古い神社の一つ」とされており、諏訪大社の起源は太古の神話に遡ります。

古事記によると、天照大御神の孫にあたる邇邇芸命(ににぎのみこと)の降臨に先立ち、建御雷神(たけみかづち)が大国主神(おおくにぬしのかみ)に国譲りするように迫ったところ、大国主神の子であり、本宮の御祭神でもある建御名方神(たけみなかた)がこれに反対。建御雷神に戦いを挑むも敗れ、諏訪まで逃れてこの地に留まったとされています。

上社本宮の昔の建物は、安土桃山時代の1582年、織田信長と徳川連合軍によって軍勢が攻め入った際に放火されてしまいましたが、その後順次再建。200年の時を経て、江戸時代の1838年に現在の社殿が落成しました。神楽殿の建立は江戸末期の1827年ですが、今では神楽は行われていません。現在は大晦日にのみ、江戸時代から残る大太鼓を打つようです。 

諏訪大社 上社本宮のご祭神
諏訪大社 上社本宮のご祭神は建御名方神(たけみなかたのかみ)です。

建御名方神(たけみなかたのかみ)
本宮には、大国主神の御子神であり、国譲りに反対して建御雷神との力比べに敗れたとされる建御名方神が御祭神として祀られています。建御名方神の神格は、「軍神、狩猟神、農耕神、蛇神(龍神)、水神、風神」で、勝利祈願、武運長久、商売繁盛、五穀豊穣、子授かり、子孫繁栄といった多岐に亘るご利益をお持ちです。
 

諏訪大社四社巡りおすすめの参拝ルートはある?
諏訪大社 上社本宮を参拝するのであれば、1社や2社だけでなく、4社すべて廻るのがおすすめです。しかし4社すべてを廻るのであれば、上社から下社までが離れているため、6時間はかかると考えた方がいいでしょう。
参拝は24時間できますが、各授与所の営業時間が16時30分までなので、午前の早い時間から訪れると気持ちよく参拝を終えることができます。諏訪大社の場合、基本的におすすめの参拝ルートは決まっていませんが、バスの本数は少ないようなので、効率的に回るなら車での移動が一番良いでしょう。

前宮から回る場合、本宮との距離は2km程なので車であれば約5分程度。本宮から回ると、前宮から下社の春宮・秋宮までは少し遠回りになります。上社から下社までの距離は約11kmです。電車の場合は、上社の最寄り駅である茅野駅から、下社の最寄り駅の下諏訪駅まで中央本線で向かいます。約10分で到着しますが本数が少ないため、時間をしっかりと調べておく必要があります。
 

諏訪大社 上社本宮のご利益とは?
公式HPによると、諏訪大社全体としてのご利益は広大無辺とされていますが、諏訪大社 上社本宮の主なご利益については以下の通りです。

勝利祈願・武運長久
軍神として知られる建御名方神の主なご利益の1つが、必勝祈願と武運長久です。川中島の合戦で有名な戦国武将・武田信玄も、たびたび必勝祈願に訪れていたといわれています。必勝祈願のご利益には広く信仰を集めており、勝負事やビジネスの成功などを祈願する参拝客が多く訪れています。

五穀豊穣・商売繁盛
諏訪大社は、古くから五穀豊穣の神として商売繁盛や金運アップにご神徳があるといわれる神社。自然豊かで肥沃な土地や水から、多くのエネルギーを得るこの地では農業も盛んなのです。

子授かり・子孫繁栄
本宮の御祭神・建御名方神と、后神であり前宮の御祭神でもある八坂刀売神の間には、22人の子供がいたとされています。子だくさんなことから、子授かりの御神徳と安産のご利益もあり、多くの人が安産祈願や子授け祈願に訪れるようになりました。
 

諏訪大社 上社本宮の見どころとは?
次は、諏訪大社 上社本宮の見どころについて見ていきましょう。
諏訪大社 上社本宮の見どころについては以下の通りです。

上社拝殿・東宝殿・西宝殿
諏訪大社の上社拝殿(幣(ぬさ)拝殿)は国の重要文化財に指定されており、諏訪造りという独特な様式の建物です。随所に施された、拝殿の細かい彫刻(龍や獅子など)も実に見事。華美な装飾ではありませんが、荘厳で優美な雰囲気を醸し出しています。

東宝殿と西宝殿は、本宮の中でも最も大切な御社殿の1つ。寅年と申年毎に交互に建替を行い、遷座祭も執り行われます。東宝殿の宝殿からは、たとえ日照りが続いていても必ず日に3滴の滴が落ちるといわれており、このことは諏訪大社の七不思議の1つとなっているようです。

本宮最古の四脚門(しきゃくもん)
重要文化財の1つである四脚門は、1608年に徳川家康が国家安泰を祈願して、家臣の大久保石見守長安(おおくぼいわみのかみながやす)に命じて作らせたもの。現在、重要な祭事の時のみ開かれる四脚門は、本宮の中で最も古い建物でありその佇まいからは和文化の美しさが感じられます。四脚門は、「しきゃくもん」と「よつあしもん」どちらの読み方もできます。

上社社叢
諏訪大社の上社にある社叢は、長野県指定の天然記念物。ほとんどが落葉樹で形成された貴重な自然林で、その広大な面積は約11.5ヘクタールといわれています。樹齢約1,000年以上ともいわれる「贄掛(にえかけ)の大欅」(幹周り8.7mで樹高35m)などを含め、約500種類もの植物から成り立っています。

上社御柱(おんばしら)祭
長野県の無形民族文化財に指定されている「御柱祭」は、諏訪大社の最も重要かつ代表的な神事の1つ。「日本三大奇祭」ともいわれる諏訪大社の御柱祭は、6年毎(寅年と申年)に上社と下社(各社)で行われ、その正式名称は「式年造営御柱大祭」といいます。

人を乗せた巨樹が坂を下りるという非常に勇壮で迫力満点なお祭りですが、毎回死者が出るほど危険さも伴う行事です。社殿の四隅に建てられる4つの御柱には、この御柱祭のために山中から切り出した樅の巨樹が使われています。御柱祭では御柱だけでなく、同じく7年目ごとに建て替えられる宝殿の神器の遷座も行われます。

硯石(すずりいし)
本宮の四脚門を抜けて、正面の片拝殿上(本宮境内)に見えるのが、「硯石」と呼ばれる巨石。この硯石は「諏訪七石」の1つに数えられるもので、硯石の近くで見ることはできず、四脚門から遥拝することしかできません。しかし、悠久の歴史を物語るこの硯石は、本宮を訪れたら是非見ておきたいものです。

明神湯(みょうじんゆ)
本宮に入ってすぐの、手水舎横から湧き出る温泉が「明神湯」です。明神湯は諏訪明神ゆかりの温泉とされており、熱いお湯が出ることが他の神社と比べても珍しいところ。建御名方神の后神であり、温泉神のご神格を持つ八坂刀売神(やさかとめのかみ)が、化粧水として使用していたという逸話もあります。女性は特に気になりますね。
 

諏訪大社 上社本宮のお守り・御朱印帳・おみくじ・絵馬
せっかく神社の参拝に訪れたなら、お守りや御朱印、おみくじはチェックしておきたいもの。
次は、諏訪大社 上社本宮で販売されている「お守り」「御朱印帳」「おみくじ」「絵馬」について見ていきましょう。

お守り
諏訪大社のお守りは、定番のものから翡翠・黒曜石が付いた天然石のお守りなどさまざま。四社とも共通なので、どこの授与所でも購入できます。「肌⾝袋守」(初穂料500円)は様々な願いを込めた身代わりのお守りで、色は白・赤・紫・黄色・水色の5色です。

勝負事などあらゆる事に打ち勝つ「勝守」(500円)には緑のリーフ模様が入っており、目に優しい色合い。同じく必勝祈願の「勝栗札」(500円)は木製の小さなお守りで、諏訪大社の焼印が入っています。また、本宮の御神徳の1つでもあり、無事な出産を祈願する「安産守」(2,000円)もおすすめです。

御朱印帳と御朱印
諏訪大社の御朱印帳は黒地に金色のモチーフが入ったシンプルなデザインですが、高級感の感じられる御朱印帳です。また、4、5月に開催される「式年造営御柱祭」の奉賛金(1万円以上)を奉納した方への返礼品として、御柱をイメージした木製の特製御朱印帳がいただけるようです。(詳細はこちら→http://suwataisha.or.jp/housan.html)

諏訪大社の御朱印(初穂料500円)は、令和4年期間中(12月31日まで)、四社それぞれで本年のみ限定の御朱印がいただけます。四社をすべて廻ると記念品も付いてきますよ。

おみくじ
諏訪大社のおみくじには、新潟県糸魚川産の翡翠が添えられたおみくじ(初穂料300円)があり、パワーストーンのお守りまでいただけるのでお得感満載。おみくじの結果がたとえ悪かったとしても、アドバイスを実践すれば運気が上昇します。

絵馬
諏訪大社の縁起物として頒布されている絵馬の中には、諏訪大社のお舟祭の様子が描かれた「お舟絵馬」(初穂料1,000円)などがあり、美しい絵柄が目を引きます。そのほか、勝運祈願の「龍蛇絵馬」(小500円、大1,000円)も力作で、必勝祈願のご利益もさらに倍増しそう。こちらはインターネットでも購入できます。
 

諏訪大社 上社本宮の特にパワーがある場所は?
諏訪大社 上社本宮の中で特にパワーがある場所は、本宮の「一之御柱」です。社殿の四隅には樅の巨木でできた一之御柱から四之御柱があり、それぞれにパワーが宿っていますが、本宮の一之御柱からは特に不思議なご神気が感じられます。大鳥居の前にあるので、行けばすぐに分かりますよ。
 

まとめ
四社のうち最も建造物の多い本宮。国の指定重要文化財である歴史的建造物や社叢の趣きを味わいながら、本宮参拝を楽しんでみて下さいね。

ライターネーム Kikumikan
 

基本情報
住所:長野県諏訪市中洲宮山 1
電話番号:0266-52-1919(本宮と前宮の質問や相談)
公式ホームページ:http://suwataisha.or.jp/
営業時間:9:00~16:30
駐車場:参拝者用の無料駐車場あり(本宮は300台)
アクセス:
・諏訪I.Cから車で約6分(約2.5km)
・JR茅野駅から車で約10分(タクシーは常駐していません。)
※記載した金額等は2022年4月時点のものであり、変更の可能性があります。

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