三嶋大社

 

源頼朝が戦勝祈願をしたことで有名な三嶋大社
静岡県三島市に鎮座する三嶋大社は伊豆国一の宮として栄え、源頼朝が源氏再興を祈願したことで有名な伊豆最強のパワースポットです。

そんな源頼朝ゆかりの三嶋大社とは一体どんな神社なのでしょうか?今回は、そんな「三嶋大社」の人気の秘密や歴史、ご祭神、ご利益、見どころ等、ポイントごとに紹介していきます。
 

三嶋大社はどんな神社?特徴は?
古くから伊豆国一の宮として栄えてきた三嶋大社は、源頼朝が源氏再興を祈願したことでも知られる神社。境内の広さは1万4千坪で、ちょうど東京ドーム1個分程の大きさを誇っています。御神木が樹齢1,200年といわれる金木犀という全国的にも珍しい神社で、秋には金木犀の香りに包まれます。
江戸時代末期に造られた本殿、幣殿、拝殿は国の重要文化財に、御神木の金木犀は国の天然記念物に、国宝には、北条政子が奉納したと伝えられる「梅蒔(うめまき)絵手箱」(化粧道具一式)をはじめ、多くの所蔵品が国の重要文化財や静岡県指定文化財に指定されています。

三嶋大社では1月に五穀豊穣を祈る「お田打ち神事」をはじめとして、年間を通じ、120もの行事が執り行われますが、その中で最も重要な儀式となる三島大社の例大祭は毎年8月16日に開催され、笛や太鼓で楽を奏でる優美な巫女の舞や流鏑馬神事などが奉納され、街道随一の盛り上がりをみせます。

境内社に入っているのは、若宮神社、見目神社、東五社(大楠社・天神社・聖神社・第三社・幸神社)、西五社(船寄社・飯神社・酒神社・第二社・小楠社)、祓戸(はらえど)神社、厳島神社、伊豆魂神社の15社です。三嶋大社の現在の社格は式内社(名神大社)とされています。
 

三嶋大社の歴史
三嶋大社の創建年については不詳ですが、奈良時代の758年に初めて三嶋大社についての記載が史料に出てきます。927年に成立の『延喜式』神名帳には、名神大社に列し、月次祭・新嘗祭で幣帛に預かった旨が記載されています。

中世において三嶋社は、伊豆国で一の宮の地位に位置付けられ、伊豆国の総社も兼ねたそうです。鎌倉時代には、源頼朝から篤く崇敬され、平家との合戦の戦勝祈願をしたことでも知られる三嶋社。戦国時代には後北条氏の保護を受け、造営の支援も行われました。

江戸時代に入っても、江戸幕府から社領が寄進され、保護を受けています。明治維新後は、1871年(明治4年)に近代社格制度によって官幣大社に列格し、「三島神社」と称します。太平洋戦争後は「三嶋大社」に改称し、神社本庁の別表神社に加列しました。
 

三嶋大社のご祭神
三嶋大社のご祭神は三嶋大明神(大山祇命、積羽八重事代主神)の2柱です。

大山祇命(おおやまつみのみこと)
神産みにおいて伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)との間に生まれたとされる大山祇命は「山の神」として知られる神です。山のみならず海も司っていることから、「海の神」でもあり、娘神の木花咲耶姫命の出産を祝ってお酒を作ったという故事から「酒造の神」ともいわれています。大山祇命のご利益は、金運上昇、商売繁盛、山林守護、漁業守護、酒造守護、産業守護などがあります。

積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)
積羽八重事代主命は大己貴命の御子神とされており、本宮御祭神・建御名方神の兄神に当たります。一説によると、積羽八重事代主命と大己貴命は同一神とみる文献もあるようです。積羽八重事代主命の神格は、託宣の神、漁業の神、鰐(わに)神となっており、主なご利益は、豊漁、海上安全、商売繁盛、厄除開運、病気平癒などです。
 

三嶋大社のご利益とは?
三嶋大社の主なご利益は家門繁栄や商売繁盛、厄除けなどが挙げられます。
 

三嶋大社の見どころとは?
次は三嶋大社の見どころについて見ていきましょう。三嶋大社の見どころについては以下の通りです。

本殿・幣殿・拝殿(国指定の重要文化財)
三嶋大社の本殿、幣殿、拝殿は国指定の重要文化財。本殿は、3つの建物が連なる三間社流造で、銅板葺。上質なケヤキを使用した総欅素木造りで、本殿には屋根に鰹木(かつおぎ)が5本あります。本殿の大きさは出雲大社とともに国大最大級で、高さ23m、鬼瓦の高さは4mという豪壮なものです。

1854年の大地震で倒壊しますが、10年の歳月をかけて1866年に再建されました。幣殿は両下造で、銅板葺。拝殿は、入母屋造で、銅瓦葺。神功皇后の説話に基づく脇障子の彫刻をはじめとして、本殿の小壁、本殿と拝殿の蟇股(かえるまた)などの要所に細やかな彫刻が施されており、これらは伊豆国名工と駿河国名工が競い合って完成させたものといわれる他に類を見ない傑作となっています。

三島市指定重要文化財の舞殿(ぶでん)
江戸末期の1867年に完成した舞殿は、拝殿前にある建物で、古くは「祓殿」と呼ばれる神楽祈祷を行う場でしたが、後に舞の奉納が主となりました。

現在は、舞以外に各種神事でも使用されています。舞殿には、中国の有名な書物「二十四孝」を基にした精緻な彫刻が施されており、三島市指定文化財に指定されています。

三嶋大社の金木犀
三嶋大社の境内には高さ10m以上、樹齢1,200年といわれる金木犀の木があり、9月頃に花を咲かせ、三嶋大社に秋の訪れを告げます。

三嶋大社の御神木はこの金木犀で、金木犀をご神木とするのは全国でも三嶋大社くらいで、国の天然記念物に指定されています。満開を迎える9月上旬と下旬頃、金木犀の芳しい香りに包まれる秋に三嶋大社を訪れるのもおすすめです。

春を彩る桜
三嶋大社には、15種類の桜(河津桜や枝垂れ桜、八重桜等)が神門まで続く参道や神池(しんち)沿いで咲き誇ります。金木犀だけでなく、梅や桜も堪能できるのは嬉しいですね。

毎年3月の下旬頃から桜の見頃が終了するまでの期間に夕方(18~21時頃)のライトアップが行われます。

例大祭「三島夏祭り」
三嶋大社で毎年8月15日から17日まで執り行われる例大祭の「手筒花火や人長舞(じんちょうのまい)・浦安舞(うらやすのまい) や焼亡の舞(しょうぼうのまい)などの伝統的な芸能神事や武田流の流鏑馬(やぶさめ)神事が行われます。

8月16日に行われる「頼朝公旗揚げ行列」は、1159年に伊豆に流された源頼朝が源氏再興を三嶋大社に祈願した後に挙兵し、全国を平定した故事にちなんだ行事で、毎年異なる芸能人が頼朝役になって行列に参加します。

2022年は「鎌倉殿の13人」に出演した大泉洋さんが源頼朝役を務めました。車でおでかけの方は、三島夏祭り期間中の8月15日から3日間は境内の駐車場は閉鎖になるので、その期間中は周辺の有料駐車場に駐車となります。

宝物館
三嶋大社の宝物類を展示しており、北条政子奉納の「国宝梅蒔絵手箱」の完全な模造品をはじめ、約2,000点余りの宝物を収蔵・展示しています。宝物館の営業時間は9時00分~16時30分で、一般拝観料は500円です。

神池
源頼朝がこの池で放生会を行ったということが鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」に記されています。春には桜も池に彩りを添え、鯉や亀もたくさん泳いでいます。池に映るしだれ桜も非常に趣が感じられますよ。

富士の伏流水「生玉水(いくたまのみず)」
境内の井戸から富士山の伏流水を引く「生玉水」は霊験あらたかなご神水で、持ち帰ることもできます。こちらも浄化スポットになっているので、是非立ち寄ってみて下さいね。

神鹿園(しんろくえん)
三嶋大社には鹿がゆったりと暮らす神鹿園というスポットがあり、数十頭の可愛い鹿たちが放し飼いにされています。鹿は古くから神の使いと考えられ、奈良の春日大社から大正時代に鹿を譲り受けたのが起源のようです。金網越しに鹿せんべいをあげることもできますよ。

腰掛石
三嶋大社の神馬舎の隣にある腰掛石は、源頼朝が源氏再興を祈願する為に百日参りをした際に、腰掛けて休憩したといわれる石です。腰掛け石は2つあり、左にある方の石は源頼朝が腰掛けたとされる石で、右にある小さな方の石が妻の北条政子が腰掛けた石と伝えられています。

相生松(あいおいのまつ)
三嶋大社の境内には、相性松と呼ばれる松の木が植えられており、赤松と黒松が1つの根から生えている縁起の良い松です。この相性松には、縁結びのご利益があるといわれており、男女の縁だけでなく、ビジネスなど全ての良縁を結ぶことも期待できるので、良縁祈願の方は是非立ち寄ってみて下さい。
 

三嶋大社のお守り・御朱印帳
せっかく神社の参拝に訪れたなら、お守りや御朱印はチェックしておきたいですね。次は、三嶋大社で販売されている「お守り」「御朱印帳」について見ていきましょう。

お守り
三嶋大社のお守りの中で注目のラインナップは、「開運 香り守」!金木犀が御神木の三嶋大社ならではのお守りで、金木犀の香りが漂う匂い袋になっています。持ち歩くのが楽しみなお守りですね。健康幸せお守りの「めでたい守」は真っ赤な鯛がモチーフの可愛いお守りです。

5色のカラフルな鈴が付いた「福鈴守」はまんまるな鈴が可愛くて福を運んでくれそう。同じく5色展開の「願いかなう守」はコンパクトサイズの袋守りでこちらも可愛いですよ。

御朱印帳
三嶋大社のオリジナル御朱印帳は大サイズ(初穂料1,500円)と小サイズ(1,300円)があり、大の方は、社紋が右上に入ったシンプルな5色。小の方は、印伝の社紋が入ったもので、こちらも5色展開になっています。御朱印(初穂料300円)は通常17時までの頒布ですが、感染症対策の為、現在は15時半までの受付となっています。
 

三嶋大社の特にパワーがある場所は?
三嶋大社で特にパワーがある場所は、本殿周辺です。国内最大級といわれており、細やかな彫刻も素晴らしい本殿は国の重要文化財にも指定されています。

度重なる修復を繰り返し、朝廷や幕府、武家からも手厚い保護を受けてきたご社殿周辺には強いエネルギーを感じることができます。
 

まとめ
伊豆国一の宮であり、源頼朝が戦勝祈願をしたことでも知られる「三嶋大社」。ご社殿の素晴らしさもさることながら、樹齢1,200年の金木犀の御神木や桜、鹿など見どころも満載のパワースポットです。伊豆半島の強力なパワーを授かりたい方は是非、三嶋大社を参拝してみて下さいね。

ライターネーム Kikumikan
 

基本情報
住所:静岡県三島市大宮町2丁目1-5
電話番号:055-975-0172

営業時間:8時30分~16時00分 ※参拝は夜間も自由
HP:http://www.mishimataisha.or.jp/
アクセス:
・伊豆箱根鉄道駿豆線 三島田町駅から徒歩で約10分
・JR東海道新幹線または伊豆箱根鉄道 駿豆線 三島駅から徒歩で約15分
駐車場:参拝者駐車場あり(有料。大型バス 13台/乗用車 約55台)

※駐車場の閉鎖日(年末年始と例大祭期間)があるので、詳しくは公式HPをご確認下さい。
※記載した金額等は2022年8月時点のものであり、変更の可能性があります。

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