櫻井神社

 

縁結びの神社として有名な「櫻井神社」
「櫻井神社」は、福岡県糸島市の海と山の自然に囲まれた糸島半島の北部に鎮座しています。福岡藩の2代目藩主・黒田忠之公(くろだただゆきこう)が創建した神社と、伊勢神宮のご分霊を奉祀した「櫻井大神宮」から成ります。歴史の深さから神様への崇敬の念が湧き上がるとして、力を与えてくれる福岡の糸島で人気のパワースポットです。

また近年、櫻井神社は「嵐」ファンの方にも人気があり注目されてきました。「嵐」のメンバー櫻井翔さんの名字と神社の名前が同じことから、ファンの女性の方が訪れることも多いのだとか。いろいろな魅力がたくさん詰まった櫻井神社について、今からご紹介します。
 

櫻井神社のご祭神・ご利益
櫻井神社のご祭神は、災厄を祓い清める神様である「神直日神」(かむなおひのかみ)、「大直日神」(おおなおひのかみ)、「八十枉津日神」(やそまがつひのかみ)の三柱を総称した「与止妃大明神」(よどひめだいみょうじん)になります。また、災厄を司る神様である「八十枉津日神」(やそまがつひのかみ)や、櫻井神社の創立者である「黒田忠之公」(くろだただゆきこう)のご神霊として「島岡大明神」(しまおかだいみょうじん)が祀られています。櫻井神社は「縁結びの神社」としても知られ、恋愛成就や縁結び、安産祈願のご利益があるとされカップルや夫婦からも人気があり、お守りも種類が豊富に揃っています。

他にも、病気平癒や健康祈願、延命長寿など健康面のご利益があります。また、櫻井神社には厄除けや勝負運、開運招福、金運、諸願成就などのさまざまなご利益もあるため、これから事業を始める方にもおすすめです。
 

櫻井神社の由来
1610年(慶長15年)、6月1日から2日の間に大雨と雷が鳴り響き、突如の電光一閃のうちに岩戸神窟が開いて、ご神霊が現れたといわれています。人々の祈りにご神徳を授けるなど、次々と霊験あらたかな出来事が起こり、洞窟には多くの民衆が集まり大騒ぎになりました。

その大きな騒ぎは遂に、福岡藩2代目藩主の黒田忠之公の耳にも入り、二度現地に遣いを送ります。その時にも、神の不思議な測り知れない力のあらわれである御験(みしるし)が寸分違わず起こったため、ご神威に感謝した忠之公は、1632年(寛永9年)に社殿を創建したということです。現在も当時の姿をほぼそのまま留めており、本殿や拝殿、そして楼門は福岡県の重要文化財に指定されています。
 

櫻井神社の最もパワーがある場所

岩戸宮(いわとぐう)
櫻井神社創建の由来にもなり、神様が現れたとされる場所が「岩戸宮」です。三重に閉じられた扉の奥は神窟があり、奥行きが約6メートル、畳3帖ほどある広い空間になっています。普段は閉ざされている岩戸宮ですが、1年に1度だけ神窟の中に入り、参拝することができます。7月2日の朝4時より岩戸開き神事が行われる、例大祭(れいたいさい)です。

当日は平日・休日に関わらず朝の4時には、境内は参拝客で埋め尽くされます。この例大祭に参加した多くの方が「非常に良いことがあった」と報告されるそうで、神様からパワーを頂くために、わざわざ遠方からも、年に1度のこの日にあわせて参拝に訪れるそうです。また、岩戸神窟内の水滴を浴びると1年間無病息災で過ごすことができるともいわれています。

海の神様に繋がる道とされる岩戸宮から直線で繋いだ先には、「二見ヶ浦」(ふたみがうら)が位置していて、伊弉諾命(いざなぎのみこと)、伊弉冉命(いざなみのみこと)をお祀りしています。岩戸神窟を中心に古墳があったとされる小高い山を開拓して、櫻井神社が建立されました。

桜井二見ヶ浦の夫婦岩
美しい景観が楽しめるパワースポットになります。櫻井神社からほど近い桜井二見ヶ浦は、櫻井神社の宇良宮としてお祀りしています。夫婦岩は二見ヶ浦に位置しており、海岸から約150mの場所に2つの岩が夫婦のように寄り添って立っています。男岩の高さは11.8m、女岩の高さは11.2mあります。

2つの岩は向かって右が男性の神様の伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、向かって左が女性の神様の伊邪那美命(いざなみのみこと)が鎮まっている御神体岩として古より信仰されてきました。二見ヶ浦の夫婦岩は神々が宿る御神体岩ですので、大注連縄が掛けられています。1957年(昭和32年)に再興したと祝詞に記されていますが、いつ頃に途絶え、いつからまた掛けられていたのかは、はっきりとわかっていません。

4月下旬~5月上旬の大潮の日曜に、氏子たちの手により大縄掛祭が斎行されています。大注連縄縄の重さは1トンあり長さは30メートルにもなります。また、櫻井神社創建の源である岩戸神窟から一直線上に二見ヶ浦が存在するなど、大変深い繋がりがあります。

夏至の日には伊勢の二見ヶ浦の中心より朝日が昇り、櫻井神社の二見ヶ浦の中心へ夕日が沈むという神秘的な現象が起こります。日本の総氏神様で伊勢神宮の御祭神である天照大神(あまてらすおおみかみ)は太陽の神様として崇敬されています。太陽の力が一番強いとされる夏至の日に、伊勢と糸島が繋がる事に大きなご神威が感じられます。

三重県伊勢市二見浦が「朝日の二見浦」と称されるのに対し、糸島二見ヶ浦は「夕日の二見ヶ浦」と呼ばれています。県の名勝に指定されているほか、「日本の渚百選」と「日本の夕陽百選」にも選出されています。

海中大鳥居
鳥居は神域を示す結界的な意味があります。二見ヶ浦は、櫻井神社の宇良宮としてお祀りする御神体であり、ここから先は神様がおられる場所という意味を込めて1968年(昭和43年)4月25日に建立されました。また、古くは清涼(すず)岩と呼ばれるなど、二見ヶ浦は清浄な神体岩として信仰されています。

白は清浄な色という意味があるとともに、景観をそこなわないように配慮されながらも、海中大鳥居は雄大に聳え立っています。2018年(平成30年)には純白に塗り直され、満潮時には海の青色と白い鳥居の美しいコントラストの佇まいを見ることができます。
 

櫻井神社の楼門
三間一戸(さんけんいっこ)の構造の楼門(ろうもん)があります。堂々とした佇まいで拝殿とともに建造されました。
 

櫻井神社の本殿
本殿は、三間社流造浜床付きの構造で拝殿や楼門と共に、県の指定文化財に指定されています。至る所に安土桃山式の豪華絢爛な彫刻が施されています。彩り豊かな「阿吽の龍」が左右破風にありますので見逃さないようにしましょう。

櫻井神社にはこうした「対」になっているものが多く見られます。「あらゆる縁を結ぶ神社」とも呼ばれているのも関係しているのかもしれませんね。
 

櫻井大神宮の由来・ご祭神
櫻井神社は櫻井神社と櫻井大神宮のふたつから成り立つ神社です(公式ホームページより)。伊勢神宮の神様である天照大御神(あまてらすのおおみかみ)と豊受大御神(とようけのおおかみ)をお祀りしています。「この土地に天照大御神をお連れするように」とのご神託を受けた福岡藩2代目藩主の黒田忠之公が、櫻井神社を創建する前の1625年(寛永二年)、光寿山(こうじゅさん)の麓に、神明造り茅葺(かやぶき)の櫻井大神宮を建立したのがはじまりとされています。
また、伊勢神宮の古式に習って20年ごとに式年遷宮が行われていましたが、1866年(慶応2年)13回目で止まったため、現在の社殿は約150年前の当時のそのままだということです。
 

櫻井大神宮の千木
本殿には天照大御神と豊受大御神の2柱の神様がお祀りされています。この本殿の屋根の先端に交差している部分は、千木(ちぎ)と呼ばれています。この千木をよく見てみましょう。向かって右側は天と水平になり、左側は垂直の形になっています。

実はこれ、ご祭神と同じ伊勢神宮に合わせて、右は天照大御神をお祀りする内宮の千木の形になり、左は豊受大御神をお祀りする外宮の千木の形になっているのです。千木の造り方を変えることにより、それぞれの神様の意味合いを表しています。櫻井大神宮独特の建築様式で全国的にも珍しい造りになっています。
 

櫻井大神宮の鳥居
櫻井大神宮は伊勢神宮との縁が深いこともあり、過去3回20年ごとに鳥居を譲り受けています。現在ある鳥居は、伊勢神宮の125社あるお社の中で、特に中心である2社の正宮「内宮」「外宮」より、元々外宮の板垣北御門(いたがききたごもん)にあった鳥居でした。

伊勢神宮では特別な場所にあったため、神職の方しかくぐれなかった鳥居でしたが、櫻井神社に運ばれてからは、一般の参拝客もくぐれる鳥居になっています。樹齢200年のヒノキで造られています。現代ではなかなか見られない年輪の詰まった、とても立派な木材が用いられています。
 

櫻井大神宮の楠(クス)の木
階段がある現在の参道から少し外れると、昔はこちらが参道だった道に行きつきます。旧参道脇には、見上げると大きく立派で神々しい、楠(クス)の木が生えています。樹齢は推定500年とされています。

参道がかなり大きく曲がっていますが、これは参道を整備する時には、既にこの木が存在していたためといわれています。楠の木の目の前に立てば、自然への敬意が自ずと感じるのではないでしょうか。
 

まとめ
櫻井神社を創建した福岡藩の2代目藩主・黒田忠之公は、合戦に行く前に誓いの場として、神様に祈願をしていました。自分でやれるだけ精一杯努力をするので、神様に見守ってほしい、神様に頼るばかりでなく、まずは自分から行動するというように。これは、先に神様への感謝の気持ちを現わして、手を合わせパワーを頂くといったように、パワースポットに訪れた際のとても大切な心構えではないでしょうか。
皆さんもぜひ櫻井神社へと足を運び、歴史の重みを感じ、しっかりと参拝してみてください。きっと心に何かを感じ、神様への崇敬の念を抱くと共に、ありがたいパワーを神様からいただけると思います。

ライターネーム/サクヤ凛
 

基本情報
住所:〒819-1304 福岡県糸島市志摩桜井4227
電話番号:092-327-0317
HP:http://sakuraijinja.com/
アクセス:
・JR筑肥線 筑前前原駅下車 前原北口から昭和バス野北線乗車
・桜井停留所で下車し徒歩約10分
受付時間:9時00分~17時00分
拝観料:無料
※記載した金額等は2022年10月時点のものであり、変更の可能性があります。

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