お賽銭をいただき持ち帰る珍しい風習がある清荒神清澄寺
兵庫県宝塚市にある清荒神清澄寺は、「かまどの神様」として信仰を集め、「荒神さん」の名で親しまれる関西でも屈指のパワースポットです。そんな清荒神清澄寺とは一体どんなお寺なのでしょうか?今回は、「清荒神清澄寺」の人気の秘密や歴史、宗派、ご本尊、ご利益、見どころ等、ポイントごとに紹介していきます。
清荒神清澄寺はどんなお寺?特徴は?
1,100年以上の歴史を持つ清荒神清澄寺は、地元の人々から「荒神さん」の名で広く親しまれる真言三宝宗の総本山といわれる寺院で、神仏習合の形態が色濃く残るお寺です。「かまどの神様」として信仰を集め、こちらで受け取ったお札を台所の神棚に祀るなどの信仰が根付いています。
ご本尊には大日如来が祀られており、境内には、明治・大正期に活躍し、近代日本を代表する文人画家の富岡鉄斎の作品を展示する「鉄斎美術館」や鉄斎美術館別館の「史料館」が開館しています(鉄斎美術館は資料整理のため現在休館中)。
主に商売繁昌、厄除開運、家内安全のご利益で信仰を集めており、火の神・台所の神として消防士さんや料理を生業とする人々なども参拝に訪れるそうです。
明治維新後の神仏分離令で全国のほとんどの神社仏閣が神社と寺院がはっきりと区別されましたが、清荒神清澄寺は、お寺と神社のスタイルが融合した神仏習合の形が残されている貴重なお寺となっています。
門前の緩やかな坂道には、屋台を含め200近い店舗が門前市を形成しています。
清荒神清澄寺の歴史
清荒神清澄寺の開創年は平安時代の896年で、日本の第59代天皇である宇多天皇の勅願により、静観僧正が旧清(もときよし)と呼ばれる山の尾根に堂宇を建立したのがはじまりとされています。鎮守神として現在地に「三宝荒神社」も建立されました。
宇多天皇から「日本第一清荒神」の称号を賜り、最盛期には「七堂七十二坊」もの伽藍を有していたといわれています。その後、清荒神清澄寺は、平安末期の乱や戦国時代の戦乱によって焼失。西の荒神社は焼失を逃れました。
江戸時代の安政年間(19世紀後半)には、本堂が現在地に移築され、清澄寺が浄界和上によって再興されています。
1947(昭和22)年に「真言三宝宗」が開かれると、清荒神清澄寺はその総本山となりました。1975(昭和50)年には、富岡鉄斎の作品を集めた「鉄斎美術館」が設立されています。
清荒神清澄寺の宗派
清荒神清澄寺の宗派は、真言三宝宗です。
清荒神清澄寺のご本尊
清荒神清澄寺では、大日如来をお祀りしています。
大日如来(だいにちにょらい)
密教の世界では金剛界曼荼羅と胎蔵曼荼羅の2つを最も重視しており、その胎蔵曼荼羅のうちの中心に位置する5体の仏様(大日如来、宝幢如来、開敷華王如来、無量寿如来、天鼓雷音如来)の一尊です。大日如来の「知徳」の面を表しているのが金剛界の大日如来で、「慈悲」の面を表しているのが胎蔵界の大日如来と考えられています。
「胎蔵」は、宇宙に存在する全ての森羅万象が母親のお腹の中のように大日如来に包み込まれていることを意味しています。大日如来はあらゆるもの全てを支え、救う役割を持ち、主なご利益としては、現世安穏、所願成就が挙げられます。
清荒神清澄寺のご利益とは?
清荒神清澄寺の主なご利益は、商売繁昌、厄除開運、家内安全などが挙げられます。
清荒神清澄寺の見どころとは?
次は清荒神清澄寺の見どころについて見ていきましょう。清荒神清澄寺の見どころについては以下の通りです。
本堂
山門の正面にある本堂は、19世紀後半の安政年間(江戸末期)に旧清(もときよし)の寺域から移築・上棟された建物でしたが、開創千百年記念事業として1989(平成元)年から5年の歳月をかけて行われた「平成の大改修」によってリニューアルされました。正面にご本尊の大日如来像が祀られており、そのほか不動明王像、高祖弘法大師像、四天王像が安置されています。本堂では毎日、大聖不動明王の秘法が修行されています。
拝殿(天堂)
拝殿(天堂)は、三宝荒神王、大聖歓喜天、十一面観世音菩薩などを安置する堂宇。拝殿から浴油堂が棟続きになっており、三宝荒神・歓喜天尊の合行如法浴油供(ごうぎょうにょほうよくゆく)の秘法が、毎日途切れる事なく厳かに行われています(浴油堂は秘密の戒壇として一般の入座不可)。毎月28日の月例祭と毎月1日の月旦祭に行われる法要では、世界平和や除災招福が祈願されています。
荒神影向(こうじんようごう)の榊
三宝荒神社の護法堂の裏手には、開創に際し、荒神様がお姿を現されたと伝わる「荒神影向の榊」があります。「荒神影向の榊」というのは、1本の榊が柵に囲まれた形で立っており、榊の下に参拝者が投げ入れたお賽銭を備え付けの木で手元に引き寄せて頂いて帰り、次回の参詣の際に、そのお賽銭を倍にしてお返しするというもの。この風習がいつの頃からか根付いています。
いただいたお賽銭を紙に包んで財布に入れておくと小遣銭に不自由せず、次回の参詣の時までそれを「御守り」として持っておくことで、良いことが起こるといわれていますよ。
眼神祠(がんじんし)
護法堂の裏から右回りに進んで行くと、御法堂の北側にあたる場所に「眼神祠」があります。かつては清水が湧き出していたようで、眼病にご利益があると考えられ、参詣者さん達は柄杓でその水を汲み、眼を洗ったりしていたそうです。お賽銭を入れてお参りすると、眼に関するご利益が期待できるでしょう。
修行大師像
山門を入ると、本堂と天堂とに分かれる所に、錫杖と鉄鉢を手に諸国を巡業された弘法大師の立像が立っています。真言宗寺院には弘法大師の像が必ずと言ってもいいくらいあるので、寺院ごとの違いを見比べてみるのもいいですね。
龍王滝
龍王滝と呼ばれる滝が鉄斎美術館の奥にあり、滝の正面左側に見える岩壁をくり抜いた所に不動明王が祀られています。この滝は荒神川にかかる小さな滝で、特別な空気感が味わえるパワースポットとなっています。心が浄化される癒やしの空間です。
池苑
池苑は江戸初期から中期に造られたといわれる池泉(ちせん)回遊式庭園で、池泉を中心に滝、亀島、船着石などを組み合せた豪華な観賞式庭園となっています。もともとは書院があったと考えられる場所に庵堂が建ち、今では鯉や亀などが池面を遊泳する参詣者のやすらぎの場となっています。日本の伝統が堪能できる趣き深い庭園です。
鉄斎美術館「聖光殿」
鉄斎美術館「聖光殿」は、近代日本を代表する文人画家・富岡鉄斎の作品を公開展示するために1975(昭和50)年に開館した境内の美術館です。美術鑑賞の殿堂にふさわしい雰囲気を醸し出した美術館で、約2,000点の鉄斎作品を所蔵。
絵画のみならず、書や鉄斎が絵付を施した手造りの陶器、先人の構図、筆法などを学び取る為に鉄斎が摸写した粉本など、その作品は多岐に亘っています。入館料の全額は、美術図書購入基金として宝塚市に寄付され、地域文化の向上発展に貢献しているとのこと。
現在、鉄斎美術館「聖光殿」は、資料整理の為、休館しており、展覧会は鉄斎美術館別館の「史料館」で行われています。
鉄斎美術館別館 「史料館」
鉄斎美術館別館として開館した史料館は、2008(平成20)年に開館。寄棟造り平屋建ての建物で、鉄斎美術館「聖光殿」の休館中はこちらで展覧会が開催されています。自然の緑と池苑という静寂な環境に恵まれ、心身ともに寛げるよう設計された史料館です。春は、史料館前のしだれ桜も見どころですので、こちらも合わせてお見逃しなく。
清荒神清澄寺のお守り・御朱印帳
せっかく神社の参拝に訪れたなら、お守りや御朱印帳はチェックしておきたいですね。次は、清荒神清澄寺で販売されている「お守り」「御朱印帳」について見ていきましょう。
お守り
清荒神清澄寺のお守りは御札がメインとなっており、「三宝荒神御守」や「厄除開運御守」、「怪我身代わり御守」、「病気平癒御守」、「学業成就御守」(各種500円)が手頃な値段で人気です。持ち歩くタイプのお守りが欲しい方には、赤と紺の2種類選べる「御守袋」(500円)がおすすめ!
神棚に飾って1年間しっかりと守っていただけそうな「三宝大荒神王尊影」(2,000円)も是非持っておきたい御札の1つです。
その他、「厄除開運火箸」(2,000円)や赤と黒の2種類から選べる「除病延命之御箸」(各1,000円)といったお箸も眷属堂や本堂にて授与されています(受付時間9時~17時)。
御朱印帳
清荒神清澄寺のオリジナル御朱印帳は布製のものと木製のものと2種類あり、布製のオリジナル御朱印帳(1,200円)は、抹茶色と紅梅色の無地のもので、右上に三宝荒神宝珠が入っており、裏表紙左下に「清荒神清澄寺」の文字が入っています。
木製の御朱印帳(1,800円)は、左下に三宝荒神宝珠の焼印が施されているシンプルなデザインです。御朱印はご本尊の大日如来の御朱印と清荒神王の御朱印、布袋尊の御朱印など合計7種類の御朱印がいただけます。御朱印は本堂のみで受け付けています。
清荒神清澄寺で特にパワーがある場所は?
清荒神清澄寺で特にパワーがある場所は、ご本尊が祀られている本堂と荒神影向の榊、龍王滝です。龍王滝には正面左側に不動明王像が祀られており、こちらも荒神さんのパワースポットとして見逃せない場所となっています。
まとめ
「かまどの神様」として信仰を集め、「荒神さん」の名で親しまれる関西屈指のパワースポット・清荒神清澄寺。商売繁昌、厄除け、家内安全のご利益はもちろん、富岡鉄斎の作品にも触れることができるお寺としても人気があります。
荒神影向の榊で落ちているお賽銭をいただいて帰り、次回の参詣の際に倍にしてお返しするというのも珍しい風習ですので、気になる方は是非試してみましょう!
ライター Kikumikan
基本情報
住所:兵庫県宝塚市米谷清シ1−番地
電話番号:0797-86-6641(鉄斎美術館は0797-84-9600)
拝観時間:開門は5:00~21:00(12/31の21:00~1月3日を除く)
寺務所受付:
平日 9:00~17:00 日祝日6:00~18:00(本堂と荒神天堂の受付時間変更あり)
※毎月27日と28日は5:00~19:00(1日は5:00~18:00)
※史料館は9:30~16:30
拝観料:鉄斎美術館 一般300円
定休日:無休
HP:http://www.kiyoshikojin.or.jp/
駐車場:無料駐車場あり(380台)
アクセス:
・阪急電鉄 清荒神駅から徒歩約19分(タクシーで約6分)
・JR宝塚線 宝塚駅からタクシーで約10分(日・祝は定期路線バスが運行 ※4~9月は運休)
・中国自動車道 宝塚I.Cから車で約30分
※記載した金額等は2023年7月時点のものであり、変更の可能性があります。

