龍神伝説や神話、霊験あらたかな「霧島東神社」
霧島東神社は、宮崎県西諸県郡高原町に鎮座しています。鹿児島県と宮崎県の県境に広がる、霧島連山(火山群の総称)の中1つ、高千穂峰の中腹に位置しています。
高千穂峰は瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の天孫降臨の地として最も有力な地です。高千穂峰の山頂(霧島東神社の飛地境内地)には、「天の逆鉾」(あまのさかほこ)が、地面に突き刺さった形で祀られています。この「天の逆鉾」は、霧島東神社のご神宝となっています。
霊験ある霧島東神社は、瓊瓊杵尊が初めて祖先神を祀った場所としても有名です。創建も紀元前の古墳時代と古く、第10代崇神天皇(すじんてんのう)の時代と伝えられています。
霧島連山は今も昔も噴火が多く、その厳しい自然は山岳信仰の場となり、修験者たちの修行の場ともなっていました。霧島東神社は、霧島連山の周辺に点在する「霧島六社権現」の1社でもあります。
霧島東神社の境内からは、東南に「御池」を望むことができます。御池には、龍が住んでいると伝えられ、九頭龍伝説が残されています。また、境内には龍神の安息地とされる、ご神水溢れる「忍穂井」と呼ばれる泉もあります。
御代の頃からの深い歴史が伝えられる霧島東神社は、高千穂峰の清らかなパワーが流れるパワースポットです。霊験あらたかで、様々なお力を授けていただけることでしょう。
霧島東神社の特徴
霧島連山を仰ぐ山岳信仰から始まる霧島東神社は、崇神天皇の時代に創建されました。
平安時代になると、天台宗・性空上人(しょうくうしょうにん)は、霧島連山に4年間入峰修行し、高千穂峰の周辺6ヶ所に鎮座する神社に別当寺を建立し、「霧島六社権現」として神仏習合の霊場を整備されました。そのうち1社が「東御在所之宮」と称された、「霧島東神社・錫杖院」です。
他の5社は、「西御在所之宮」と称された「霧島神宮・華林寺」、「狭野神社・神徳院」、「東霧島神社・勅詔院」、「霧島岑神社・瀬多尾寺」、「夷守神社・宝光院」です。現在、夷守神社は霧島岑神社に合祀されています。霧島東神社の錫杖院は、最盛期には修験者が360名を越えました。
霧島連山は有史以降も噴火が絶えず、噴火の災害が起きるたびに、社寺は建て替えられてきました。元々は霧島東神社と霧島神社は1つのお社で、御池の近くに鎮座していましたが、火山噴火で消失したため、東御在所之宮・西御在所之宮と東西に分かれ、今の形となったとも伝えられています。
室町時代1486年には、島津忠昌(しまづただまさ)により、東西両社である霧島東神社と霧島神宮を再興しています。その際に、圓政法院(えんせいほういん)が中興の祖となり、天台宗から真言宗に改められます。
南九州修験道の一大根本道場として、尊崇を集めていました。明治時代に入ると神仏分離令により、修験道と錫杖院は廃され寺領も没収されました。社名も「東御在所之宮」から、霧島東神社と改められました。
霧島東神社の端正で荘厳な権現造の社殿は、江戸時代1722年に造営されたもので、その後も何度か改修されています。龍神伝説が伝えられる霧島東神社の殿内奥には、雄雌の対を成す龍柱が祀られています。
向拝に掲げられた扁額は、江戸時代1666年に薩摩藩の島津光久(しまづみつひさ)により寄進されたもので、「東霧島坐」(霧島の東にあります)の文字があります。神話や龍神伝説が残される霧島東神社は、古くより霧島連山への畏敬の念を持ち、大切に守られてきた神社です。
霧島東神社のご祭神
ご祭神
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
伊弉冉尊(いざなみのみこと)
配祀
天照大神(あまてらすおおみかみ)
瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)
天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)
彦火火出見尊(ひこほほでのみこと)
鵜葺草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)
神日本磐余彦尊(かむやまといはれひこのみこと)(神武天皇)
霧島東神社のご利益
霧島東神社は、招福・開運・商売繁昌・豊作大漁・出世開運・厄除け・無病息災・病気平癒・延命寿命・縁結び・夫婦円満・安産・子育・家内安全などのご利益があります。
霧島東神社のどこが見どころか?
高千穂峰の東方中腹に鎮まる霧島東神社は、眼下に神秘的な御池の美しい風景が広がっています。参道の清々しい林の間を抜け、社殿へ向かうだけでも、浄化されたような神聖な気に満ちています。
神社の裏から霊峰・高千穂峰へと続く登山道の入口があります。標高1574mの高千穂峰山頂までは、片道3時間半ほどで、しっかりとした登山装備が必要です。体力に自信のある方は、ぜひ山頂の「天の逆鉾」を目指してはいかがでしょうか。境内にも、見どころとパワースポットが点在しています。
天の逆鉾
霧島東神社にゆかりのある瓊瓊杵尊は、天孫降臨の神話によると、高千穂峰の山頂に天下ったと伝えられています。山頂には「天の逆鉾」が祀られています。瓊瓊杵尊が山頂で、鉾を天に向けて突き立てたことから、「天の逆鉾」と呼ばれるようになりました。
国家平定のために鉾が使われ、2度と鉾を振るうことがないよう、山頂に突き立てたとの説があります。また、天上界の伊弉諾尊・ 伊弉冉尊が日本を創生するため、大地に天沼鉾を突き刺してかき混ぜたとされる説もあるようです。
鉾の刃の部分は噴火で消失して、柄の部分が残されたため、刃は幕末以降に作られたものとされています。
御池
直径約1㎞の円形をした神秘的な御池は、約4600年前の噴火によりできた火口に、地下水が溜まりできた火口湖です。水深は深いところで100mあり、九州で1番の深さがあります。御池は「龍の涙からできた池」との伝説があります。
かつて性空上人が御池のほとりで修業をしていると、九つの頭を持つ神龍が現れ、上人に宝珠を渡したという伝説が残されています。宝珠は「災難を除き、濁水を清くする」、思い通りにできる珠のことです。
神龍より宝珠を託された、信仰心の篤い性空上人が偲ばれます。高千穂峰・御池周辺は、多くの神々と神龍に守られた聖地です。
忍穂井(おしほい)
鳥居をくぐり右手には、神龍の泉と伝えられる「忍穂井」の泉があります。龍神の安息地とされ、太くから霊泉としての効験があるそうです。「東方からこの池に女人の影が映ると、たちまち異変がある」とされ、女性は泉を覗き込むまないよう伝えられています。
また、ご神水を汲んだら、少しでも不敬の扱いをすることはいけないと伝えられる霊泉です。
ご神木
神門の前には、注連縄で繋がれた2本の杉のご神木が聳えています。ご神木の辺りからは拝殿まで一望でき、また、振り向けば眼下に御池を望めます。参拝前にこの2本のご神木の間を通ると、ご利益があると伝えられています。ただし、帰りに神門の方からくぐるのは良くないそうです。
倒木更新のサカキ
社殿横には、朽ちた切株から新しく芽を出した、サカキの若木が育っています。倒木更新と呼ばれる、倒れた古木を礎として、新たな世代の木が受け継がれています。倒木更新は松や杉などの巨樹が多い中、神棚にお供えするサカキが芽生えていること、神社の境内であることにより更に神聖なパワーが感じられます。
霧島東神社の一番パワーのある所
霧島東神社は、神話や伝説として伝承されている通り、御代の頃からの長い歴史があります。高千穂峰から流れてくる清らかなパワーに、境内全体が包まれています。中でも、飛地境内地である山頂の「天の逆鉾」は最強のパワーがあります。
霧島東神社のまとめ
宮崎県西諸県郡高原町の高千穂峰の中腹に、霧島東神社が鎮座しています。瓊瓊杵尊の天孫降臨の地とされる高千穂峰の山頂には、「天の逆鉾」が天に刃を向けて突き立てられています。「天の逆鉾」は瓊瓊杵尊が立てたとされる、霧島東神社のご神宝です。
神話の時代から山岳信仰の対象として仰がれてきた高千穂峰は、修験場としても栄えました。霧島東神社の境内から望める「御池」には龍神伝説が残され、境内にも龍神にまつわるスポットもあります。霊験あらたかな霧島東神社は、高千穂峰から流れる清らかなパワーに満ちています。
(ライター 梅花桜花)
基本情報
〒889-4414 宮崎県西諸県郡高原町祓川
TEL 0984-42-3838
定休日 無
拝観時間 24時間参拝可能
拝観料 無
アクセス 宮崎自動車道 高原ICから 車で約25分
JR吉都線 高原駅から 車で約26分
広原駅から 車で約38分
駐車場 有

