物部神社

国造りで活躍されたご祭神が集う「物部神社」
石見国一宮・物部神社は、島根県大田市川合町に鎮座しています。ご祭神は、物部氏のご祖先とされる、宇摩志麻遅命(うましまじのみこと)が祀られています。

神話の時代に、国造りをされたご祭神は、最後に現在の鎮座地である石見の国に入られました。軍事・神事共に長けていたご祭神は、古くから文武両道・勝運・鎮魂の神として信仰されています。

物部神社の神使は「鶴」で、ご祭神は鶴に乗って、物部神社の背後にある八百山を探したと伝えられています。鶴と縁ある物部神社のご神紋は、太陽を背に鶴があしらわれた「ひおい鶴」で、日本で唯一のご神紋です。境内では、ご神紋や鶴の置物などを各所で目にすることでしょう。

物部神社は勝運にご利益があるため、スポーツや受験の必勝祈願に、全国各地から参拝者が訪れます。安産祈願・お宮参り・七五三詣でなどでも人気の神社です。

霊験が伝えられるご祭神の腰掛け岩や、ご神墓・ご神井などがあり、多くの境内社には様々な神が祀られパワースポットとして知られています。鎮守の森に守られた物部神社は、すっきりと爽やかで優しいご神気に満ちています。 


物部神社の特徴
物部神社のご祭神・宇摩志麻遅命は、大和朝廷時代の有力氏族であった、物部氏のご祖神と伝えられています。ご祭神の父神は、饒速日命(にぎはやひのみこと)で、母神は御炊屋姫命(みかしきやひめみのみこと)です。ご祭神は父神と同じく、国土開拓に尽くされました。

初代天皇である神武天皇(じんむてんのう)が、東遷された時には忠誠を尽くし、天皇より霊剣「フツノミタマノツルギ」を賜っています。

また、神武天皇が即位された時には、十種神宝(とくさのかんだから)と呼ばれる、父神が遺した霊力を宿した十種類の神の宝を奉じ、天皇のために国の発展・天皇の延命・長寿・子孫繁栄を祈願をしました。これが「鎮魂祭」の起源とされています。

その後、ご祭神は異母兄である天香具山命(あめのかぐやまのみこと)と共に、物部兵を率いて尾張・美濃・越国を平定されました。そして、天香具山命は弥彦神社(新潟県)に鎮座されています。更にご祭神は、播磨・丹波・石見国に至るまで、兇賊を倒し平定されました。

そして、厳瓮(いっへ)と呼ばれる神聖な土器3つを各所に納め、天神を祀って奉斎し平和を祈ります。 その1つが、境内社の一瓶社です。 2つ目は浮布池・邇幣姫神社、3つ目は三瓶山の麓・三瓶大明神に奉納されました。 

それから、ご祭神は鶴に乗って鶴降山に降り立ち、国見をしたそうです。八百山が太古より神聖な山とされた天香具山(奈良県)に似ていたことから、この八百山の麓に宮居が築かれました。

当初は、ご神体山として八百山を崇拝していました。継体天皇(けいたいてんのう)の時には、天皇の勅命により、513年に社殿が創建されています。

物部神社の社殿は、近くの石見銀山争奪の際に、兵火によって3度焼失しました。現在の社殿は、江戸時代1753年に再建され、1818年の修理・1856年の改修が行われたものが現存しています。 


物部神社のご祭神
ご祭神
      宇摩志麻遅命(うましまじのみこと)  

相殿神 
    右座
      饒速日命(にぎはやひのみこと)
      布都霊神(ふつのみたまのかみ)

    左座
      天御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)
      天照大神(あまてらすおおかみ)

    客座 五神 別天神(ことあまつかみ)
      天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
      高御産巣日神(たかみむすびのかみ)
      神産巣日神(かんむすびのかみ)
      宇麻志阿新訶備比古遅神(うましあしかびひこじのかみ)
      天之常立神(あめのとこたちのかみ)

鎮魂八神(たましずめやはしらのかみ)
      高皇産霊神(たかみぶすびのかみ)
      神皇産霊神(かんむすびのかみ)
      魂留産霊神(たまつめむすびのかみ)
      生産霊神(いくむすびのかみ)
      足産霊神(たるむすびのかみ)
      大宮売神(おおみやめのかみ)
      事代主神(ことしろぬしのかみ)
      御食津神(みけつかみ)
 

物部神社のご利益
物部神社は古くより、文武両道・鎮魂・勝運・交通安全・社業繁栄・厄除けの神として、崇敬されてきました。ご祭神・宇摩志麻遅命が、鎮魂祈祷を最初に行ったとされ、神職の始めとなる神として、占い・まじない・祈祷の神としても篤く信仰されてきました。

授与品の鶴みくじ・祈祷しゃもじの「おすくいしゃもじ」が人気です。また、石見銀山にちなんだ「金・銀・銅のお守り」も人気があります。銅守りは1,000円、銀守りは8,000円、金守りは150,000円です。金はさすがに値が張りますが、運全般の一生もののお守りとなっています。
 

物部神社のどこが見どころか?
物部神社のすっきりとした境内を、どっしりと大きな木製の明神鳥居が、ご神域を守っています。創建1500年記念事業として平成25年に新しく建てられた、島根県では最大の木製鳥居です。

鳥居の先の参道は、真っ直ぐ拝殿まで続いています。拝殿は入母屋造・銅板葺の屋根で、後方には本殿の春日造りの三角の屋根に、置き千木・鰹木が見えています。高さ16mの本殿は、春日造りでは日本一の規模を誇ります。

大鳥居をくぐると、参道両脇に狛犬・狛鶴が出迎えてくれます。境内には、ご祭神が鶴に乗って下りられた腰掛石や、「神井」と呼ばれる神さまが飲まれる井戸から流れる、手水舎の水などパワースポットがあります。

社殿裏の森には、ご神墓の円墳も残されています。物部神社は境内社も多く、様々なご神徳がある神々が祀られ、多くの見どころがあります。

手水舎
大きな石でできた手水舎は、砂金が含まれた石(富金石)で作られています。その石の上には、5つの曲玉が浮き彫りとなっています。勾玉に触れると、「浄・勝・財・健・徳」のご利益が授かれるそうです。手水舎にはご神水が流れていますので、十分に清めてからパワーある勾玉に触れましょう。

ご神墓
物部神社の社殿が創建されるまでは、ご祭神が鎮まるご神体山・八百山を崇めていました。社殿の裏に見える八百山のふもとには、ご神墓とされる円墳があります。山道の石段を上りますが、ご神墓付近は神聖な空気に満ちています。

勝石
拝殿の左側には、ご祭神がこの地に降臨された際、腰を下ろされたと伝わる岩「勝石」があります。この岩には「勝運」のご利益があるとされ、触れると全ての願いが叶う勝運を授かれるそうです。元々「勝石」は、神社から600mほど離れた折居田にありました。

昭和56年には、折居田で道路拡張が行われたため境内に移されました。また、岩のそばに立つ桜の木も共に移されています。その桜の木は、大きく伸びることなく、枯れることもない不思議な桜として伝えられています。

パーソロン号御神馬像
物部神社は、競馬ファンから人気の神社でもあります。境内にある御神馬像のモデル「パーソロン号」は、七冠馬「シンボリルドルフ」の父馬です。サラブレッドの血統で、氏子であった馬主・和田共弘氏から奉納されました。

初代の御神馬像は大正時代に奉納されましたが、太平洋戦争の際に供出されたため、平成2年の午年に新しく奉納されています。

ご神井
物部神社のご神井には、平安時代から枯れずにご神水が湧き出ています。古文書には「石見国安濃郡川合郷に甘露降る」と記され、朝廷に献上したご神水を、天皇は吉兆として喜ばれ元号が「仁寿」と改められたと伝えられています。

清らかなご神水は手水舎にも流れ、正月節分の際にも物部神社のご神酒に用いられています。

柿本神社
末社の柿本神社は、学業成就・学問向上・安産・防火などのご利益があります。万葉集の代表的な歌人・柿本人麿(かきもとのひとまろ)が祀られています。宮廷に奉仕した歌人で、物部氏の子孫とされる説もあります。 石見と深い縁もあり、石見国で没しています。

淡島神社
末社の淡島神社は、少彦名命(すくなひこなのみこと)が祀られています。 医薬の神・足傷神・女性の守り神として信仰されています。特に、腰下の病に霊験があるそうです。

夜なき椨(タブ)・聖天さん
物部神社のご神木・椨の木は、古くより子育てのご神木として知られています。「夜なき椨」と呼ばれる通り、夜泣きがひどい子にご利益があるそうです。木の空洞に夜泣きする子を1晩寝かせれば、夜泣きしなくなると伝えられてきました。

また、 夜なき椨の中には「大聖歓喜天」が祀られています。縁結び・安産の神で「聖天さん」と親しまれ、子どもの病気平癒・夫婦和合・縁結び・子宝授けなどのご利益があります。

石見尊徳岩谷九十老翁頌徳碑
岩谷九十老翁は、幕末から明治中期にかけての地元の豪農でした。翁は飢饉の際、私財をなげうって、人々に食料を分け与え、地域のために多大な貢献をされた人物です。その偉業を顕彰するために、石碑が物部神社の境内に建立されました。
 

物部神社の一番パワーのある所
物部神社は、ご祭神が鎮められた八百山に守られ、境内全体にパワーがあります。中でも拝殿前にはパワーがあります。また、勝石やご神井にもパワーがあるとされています。
 

物部神社のまとめ
島根県大田市川合町に鎮座する物部神社は、物部氏のご祖先・宇摩志麻遅命が祀られています。神話時代の国造りで活躍されたご祭神は、軍事・神事に長けていたことから、文武両道・勝運・鎮魂の神として信仰されてきました。

物部神社はパワースポットとして人気で、勝運・必勝祈願に全国から参拝者が訪れます。ご祭神の勝負強さを授かれることでしょう。

(ライター 梅花桜花) 


基本情報
〒694-0011島根県大田市川合町川合1545
TEL 0854-82-0644
定休日   無
拝観時間  24時間参拝可能
拝観料   無
アクセス  山陰自動車道 出雲I.C・江津I.Cより 約1時間
      JR山陰本線 大田市駅より バスで約20分・タクシーで約10分
駐車場    有
https://www.mononobe-jinja.jp/

関連記事

  1. 竈門神社

  2. 豊川稲荷

  3. 中尊寺

  4. 気多大社

  5. 櫛田神社

  6. 十日恵比須神社

  7. 箱根元宮

  8. 札幌三吉神社

  9. 豊川稲荷東京別院

2026年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
  1. 登録されている記事はございません。
error: Content is protected !!