滝のパワーで心身のバランスが整う「河津七滝」
静岡県賀茂郡河津町梨本の、河津川に沿って「河津七滝」(かわずななだる)があります。伊豆半島の南端部に近い河津町は、太平洋に面した町です。町の81%が山林と原野で、天城山南東の山稜を源流とする河津川の、下流の平野部に市街地が広がっています。
「河津桜」の発祥地であることや、小説「伊豆の踊子」の舞台で知られる河津町には、数々の滝が存在しています。その中で特に有名な滝が、「河津七滝」です。河津七滝の周辺には、全長850mの遊歩道が整備され、片道およそ1時間ほどで巡ることができます。
雄大な自然に囲まれた遊歩道の途中には、吊り橋や展望デッキ・伊豆の踊り子像などもあり、観光名所としてもパワースポットとしても人気です。
名称にあるように、「釜滝」・「エビ滝」・「蛇滝」・「初景滝」・「カニ滝」・「出合滝」・「大滝」と、河津七滝には7つの滝があります。ダイナミックな河津七滝は、迫力ある力強い流れの滝から、繊細な流れの小さな滝もあります。
雄大な自然に囲まれた、変化に富んだ河津七滝を、ゆっくりと歩き楽しみましょう。降り注がれる自然のパワーは、ヒーリング効果抜群です。ネガティブな感情・心身の疲れは一掃され、気分がスッキリし、心身のバランスも整うことでしょう。
河津七滝の特徴
河津七滝は上流から順に、①釜滝(落差22m・幅2m)②.エビ滝(落差5m・幅3m)③蛇滝(落差3m・幅2m)④初景滝(落差10m・幅7m)⑤カニ滝(落差2m・幅1m)⑥出合滝(落差2m・幅2m)⑦大滝(落差30m・幅7m)と、7つの滝から構成されています。
河津町では平安時代の頃より、滝は水が垂れる「垂水」(たるみ)と呼ばれたことから、滝を「たる」と読む特有の表現があります。そのため、河津七滝も「かわづななだる」と呼ばれてきました。
河津七滝には、「7つの頭を持つ大蛇」の伝説が残されています。昔、伊豆半島の最高峰・天城連峰の1つ万三郎岳には、万三郎と呼ばれる天狗が住んでいました。万三郎には美しい妻がおり、2人で仲良く暮らしていたそうです。天狗の万三郎は毎日、野山を飛び回っては獲物をとっていました。
ある日のこと、天城の八丁池で妻が洗濯をしていると、7つの頭を持つ大蛇に妻は狙われます。妻は慌て驚き、必死で逃げ帰りました。この話を聞いた万三郎は、大蛇を退治しないと妻が危険だと考えます。
どうやって退治するか思案していると、万三郎によい案が浮かびました。大蛇は酒好きなので、強い酒をたくさん飲ませ、酔った隙にやっつけると決めたのです。
そして、強い酒を入れた樽7つを用意し、八丁池の至る所に置いておきました。すると、大蛇は酒の入った樽を見付け、7つの頭それぞれが樽の酒をがぶ飲みし、大蛇は酒を飲み過ぎて酔いが回りそのまま寝てしまいました。それを見た万三郎は、大蛇の1つ1つの首を切り落としたそうです。
夜が明けて倒れた大蛇を見てみると、大蛇の大きな体はみるみる川となり、切り落とした7つの首の切り口は、滝となり流れ始めました。
この伝説から、いつしかこの河津の7つの滝は、「ななだる」と呼ばれるようになりました。清らかな水が轟音をたてて、豪快に流れ落ちる河津七滝を、そんな大蛇の伝説を思い浮かべつつ散策するのも楽しいことでしょう。
河津七滝のご利益
河津七滝の遊歩道の途中には、大願成就にかけて「大岩成就」とした、「拝み石」(願い石)が2カ所あります。この拝み石はご利益スポットで、願い事を唱えつつ小石を拝み石に投げます。小石を3個投げるうち、1個でも岩上に小石が乗ると願いが叶うそうです。
河津七滝のどこが見どころか?
河津七滝は、伊豆半島の中央エリアに位置し、小説「伊豆の踊子」の舞台・天城峠の近くにあります。河津川に沿ってできた河津七滝の水の流れは、河津温泉郷へと流れていきます。河津川沿いの遊歩道から河津七滝を見ることができ、上流から下流へと下りながら散策するほうが歩きやすいようです。
途中には、吊り橋・階段など上り下りもあり、歩きやすい靴を準備しましょう。
遊歩道は全ての滝を周ると、往復約2時間ほどの道のりですが、夏でもひんやりと快適で、水しぶきがかかるポイントもあり、心地よい爽快感を味わえることでしょう。
また、夏には「風涼渓」(ふうりょうけい)と呼ばれる催しがあり、遊歩道には七滝風鈴が並べられます。澄んだ景色の中、涼やかな音色が響き渡る、河津七滝の夏の風物詩として人気です。青く澄んだ水の流れ、新緑の瑞々しい青紅葉、秋の赤紅葉も大きな見どころとなっています。
釜滝
河津七滝の1番上流に「釜滝」があります。滝つぼの形が「釜の底」に似ているため、「釜滝」と名付けられました。落差約22mから流れ落ちる滝の流れは、迫力があり圧倒されることでしょう。展望デッキでは水しぶきを浴び、びしょ濡れになってしまうほどです。
滝つぼは深く、藍色の清らかな水を眺めていると、吸い込まれそうなほどの神秘的な美しさです。滝の左側の岩肌はゴツゴツとした、「柱状節理」(ちゅうじょうせつり)と呼ばれる溶岩が冷え固まってできたものです。対して右側の岩肌はつるんと滑らかで、1000万年ほど前の地層とされています。
左右で異なる岩肌に、抗えない自然の節理を目の当たりにできます。
エビ滝
釜滝の下には、「エビ滝」と呼ばれる滝があります。エビの尾びれのような形から、名前が付けられました。滝の幅が約3mあり、他の七滝と比べても落差が少ない分、少し幅が太めです。
河津踊子滝見橋
エビ滝と蛇滝の間には、大きな吊り橋の「河津踊子滝見橋」があります。この吊り橋は、床板が緩やかに波打っている特徴があります。全国的にも珍しい、片塔式(かたとうしき)ウェーブ橋です。
地形に合わせて作られた吊り橋で、高さが上下しているので、アスレチック感覚を味わえます。高さによって、眺める景色も変わる面白さがあります。
蛇滝
「河津踊子滝見橋」から望める「蛇滝」は、ゴツゴツとした柱状節理の間を、緩やかに蛇行するように流れます。川底の黒光りした玄武岩により、水の流れが蛇のうろこのように見えます。蛇滝の落ち口を正面から見ると、蛇の顔にも見え迫力があります。
初景滝
河津七滝の中で、代表的な滝が「初景滝」です。滝の前には、石に腰を下ろす「踊り子と私」と呼ばれる像があります。美しい初景滝をj背景に、絶好の撮影スポットとなっています。
「初景滝」の名前の由来は、いくつかあります。伊豆半島を縦断する際に、旧下田街道から入ると最初に見える滝であったことや、滝修行した僧侶の名にちなんだなど、諸説あるようです。
初景滝周辺は緩やかな遊歩道が続き、駐車場からのアクセスも良く、気軽に散策できる滝となっています。
拝み石(願い石)
遊歩道の途中には、「大岩成就」の立札と、たくさんの小石が用意されています。昔、川沿いにある巨石が、手のひらを合わせ拝んでいる形に見えたことから、「拝み石・願い石」と呼ばれるようになりました。
願い事を唱えながら、岩の上の縄に囲まれた場所に、小石を投げてみましょう。小石は3回投げられ、1個でも岩の上に乗れば、願望成就のご利益があるそうです。
カニ滝
遊歩道を進むと、河津川へと下りられる階段があります。階段を下りると、小さく控えめに流れる「カニ滝」が見えます。滝の左右の岩肌が、カニの甲羅のようであることから名前が付けられました。
河津七滝で1番小さなカニ滝は、滝の水に触れられる安心なスポットです。周辺にはテーブルやベンチがあり、ゆっくりと休憩することもできます。夏には「風涼渓」の催しに合わせ、「カニ滝ナイトウォーク」も催され、ライトアップされた幻想的で美しいカニ滝も楽しめます。
出合滝
出合滝は、本流の河津川・支流の荻野入川が、合流することから名付けられた滝です。2つの流れが、1筋の流れとなり流れ落ちます。河津川を挟んで両側には険しい柱状節理がそそり立ち、水流により地形が丸く削られたようになっています。
大滝
河津七滝の中で最大の高さを誇る大滝は、垂直に立つ玄武岩の上を、勢いよく雄大に流れ落ちます。大滝は温泉宿の敷地内であったため、以前は一般の人は展望台からしか見学ができませんでした。今では大滝も見学でき、河津七滝全てが楽しめるようになっています。
河津七滝の一番パワーのある所
河津七滝は、全体が浄化のパワースポットであり、癒しのヒーリングスポットでもあります。清らかな自然の中に身を置くことで、考えも前向きになり、心身のバランスが整うことでしょう。また、元々人に備わる自然治癒力も、引き出されることでしょう。
河津七滝のまとめ
静岡県賀茂郡河津町梨本に、「河津七滝」があります。河津川に沿って数々の滝が存在する河津町の中でも、特に有名な滝です。
周辺には全長850mの遊歩道も整えられ、河津七滝の7つの滝全ては、片道およそ1時間ほどで巡ることができます。遊歩道の途中には、吊り橋や展望デッキ、伊豆の踊り子像などもあり、観光名所・パワースポットとしても人気です。
河津七滝はダイナミックな力強い流れから、繊細で静かな流れの滝まで、バラエティーに富んだ豊かな景色を堪能できます。雄大な自然に囲まれた中、降り注がれる自然のエネルギーには、浄化力やヒーリング効果があります。日常を離れて、河津七滝に身を置いてみてはいかがでしょうか。
(ライター 梅花桜花)
基本情報
〒413-0501 静岡県賀茂郡河津町梨本
TEL 0558-32-0290(一社)河津町観光協会
定休日 無
拝観時間 大滝歩道開放時間
6月~9月 8時~18時
10月~5月 8時~17時
拝観料 無
アクセス 伊東マリンタウンより 車で約60分
伊豆急行河津駅から 東海バス修善寺駅行き25分 河津七滝下車徒歩10分
駐車場 有

