飛騨国分寺

飛騨の人気観光スポット「飛騨国分寺」
かつて城下町だった岐阜県高山市は、古い街並みが残り、「飛騨の小京都」と称されています。今や日本だけでなく、海外旅行者からも高い人気を誇る観光スポットです。そんな高山市で観光の際に、ぜひおすすめの場所が「飛騨国分寺」(ひだこくぶんじ)です。

今から約1200年以上前の757年の奈良時代、聖武天皇より国分寺建立の詔が発せられ建立されたという由緒ある古いお寺です。飛騨国分寺の境内には、主に山門・本堂・大師堂・鐘楼門・不動堂・飛騨国分寺塔跡・三重塔などの重厚な建物が点在しています。しかも、本堂をはじめとした多くの建造物が国や岐阜県の重要文化財に指定されているなど、どれも見応え十分です。

今回は、飛騨高山でも特に長い歴史を持つ飛騨国分寺の見どころや魅力などをご紹介します。岐阜へ旅行を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

飛騨国分寺の由来
飛騨国分寺は、聖武天皇の詔によって行基菩薩が開基した古寺です。天平13年(741年)、聖武天皇が全国に国分寺・尼寺を建立するよう命じ、天平勝宝9年(746年)に高野山真言宗の国分寺として創建されました。

その後、焼失にも遭いましたが、800年以上経った天正15年(1587年)、中興第一世玄海法印の望みにより、豊臣秀吉の家臣・金森長近が再建しました。室町時代に建立された本堂は、現在では国の重要文化財に指定されています。本堂の他にも、高山城から移築された鐘楼堂は高山市の文化財に指定されています。

さらに、天平13年(714年)に建立された塔婆を起源とする飛騨地方唯一の三重塔は、岐阜県の指定重要文化財です。内部には四天柱があり、大日如来が安置されています。境内には、創建時の七重大塔の巨大な礎石(心礎)が残っています。本堂は室町時代の建築で薬師如来坐像等が安置され、本堂の1m下には金堂(奈良時代)の遺跡があります。

R高山駅から商店街を抜けて、徒歩5分ほど東へ歩いた距離にある飛騨国分寺。立派な三重塔を中心として威厳ある建物が建っており、遠くからでもその場所はひと際目を引きます。建立されたのは757年と飛騨地方随一の古刹ですが、以後火災や、兵火、暴風雨などさまざまな災難に見舞われながらも再建され、今日に至っています。

 

飛騨国分寺のご本尊
木造の薬師如来坐像が安置されてます。平安時代後期、行基の作とされ国の重要文化財に指定されています。

 

飛騨国分寺の最もパワーがある場所
大銀杏
飛騨国分寺が建立されるときには、すでに存在していたといわれる巨木の銀杏は、樹齢が推定1250年と云われています。飛騨国分寺の長い歴史を見守り続けてきたことから、その存在感の重みが感じられます。目通りが約10メートル、樹高は約28メートルの大きさがあり、見ごたえ十分の迫力です。眺めているだけでも、不思議な力を与えてくれるパワーが感じられます。昭和28年3月31日に国の天然記念物に指定されました。 

大銀杏にまつわる悲しい「乳イチョウ物語」が残されています。天平の昔、ここに七重の塔が初めて建てられた時のことです。 大工の棟梁がどうしたことか、間違って柱を短く切ってしまいました。

棟梁の一人娘で親孝行の八重菊は、父の心配事を知ると、色々と考えをめぐらしました。そして、 「柱の上に枡組(木を方形に組む)を作って補えば、それが装飾になり逆に美しくなりますよ。」と父に教えます。後日 塔は無事に完成を迎え、その見事な出来栄えは国中の評判になりました。

ところが、娘に教えてもらったことを誰にも知られたくない父の棟梁は、自分の名誉を守ろうと八重菊を殺して境内に埋めてしまいます。最後まで父のためにと思っていた八重菊は「願わくば十方の諸仏、わが亡き後永くこの寺を護って諸人を利益し、諸菩薩わが願いによって必ず女人の心願を満たされん事を」と祈り、自ら悲願の人柱になったと伝えられています。こうして 八重菊の塚の上には、1本の銀杏が植えられました。今では、鐘楼門を軽く超すほど成長した大銀杏になり、秋には見事な黄葉が人々の目を引きつけています。

現在、大銀杏の根元には石の親子地蔵が祀られています。多数の垂下している気根(きこん:根っこが地中ではなく空中に露出していること)がまるで乳房のように見えることから、「乳イチョウ」という愛称があります。古来より、母乳の出ない母親がここで祈ると母乳が出るようになると云われていました。

大銀杏は、毎年11月初旬から中旬にかけて見頃を迎えます。また12月初旬の落葉の時期になると、昔より「国分寺のイチョウが落葉する頃に雪が降り始める」と、言い伝えられています。飛騨国分寺の公式ブログには毎年、大銀杏が徐々に紅葉していく姿が写真付きで更新されています。

気になる方はチェックしてみましょう。見頃の時期には黄色一色に衣替えした景観は壮麗で、まさに感動的です。

 

飛騨国分寺の見どころ
鐘楼門
飛騨国分寺の入り口、山門をくぐると目の前に飛び込んでくるのが、正面にある「鐘楼門(しょうろうもん)」です。 重層入母屋造りと呼ばれる造りになっています。

実は、この鐘楼門の下層部分はかつて高山市に存在した高山城の一部遺構を移築し、利用したものです。高山城は、三木氏を討伐した金森長近が豊臣秀吉の命を受けて建て始め、三代目の重頼の時代に完成したとされています。しかし、江戸時代の幕府の天領(直轄地)となったために取り壊されました。

ちなみに上層部分には重厚な梵鐘があり、1761年に鐘を交換した時に作られたものです。鐘楼門にもまた、長い歴史の重みを感じることができます。

三重塔
三重塔は、飛騨国分寺境内で圧倒的な存在感を放っています。国分寺建立の詔で七重塔として建立されましたが、819年に一度焼失しています。五重塔として850年代にようやく再建されましたが、戦乱によりさらに2度消失と再建をくり返しました。1791年には強風で倒壊しますが、1821年に信者の浄財によって現在のような三重塔に再建され、現在に至ります。

当初と比較すればかなり低くなりましたが、それでも約22メートルの高さを誇ります。昔ながらの街並みが広がる「飛騨の小京都」高山市ですが、意外にも三重塔はここにしかありません。消失と再建をくり返しながらも、飛騨高山の歴史を見守り続けた三重塔は、必見スポットです。

本堂
本堂は、飛騨国分寺の一番奥に構えています。現存する本堂は、757年に建立した当時のものではなく、室町時代に建てられたものです。金森氏により大修理が施され、さらに時を経て昭和29年にも解体をともなう修理が再び施されています。

大規模な修理を経ているものの、室町時代からの貴重な建築物である本堂は、重要文化財に指定されています。本堂の内部には、行基菩薩一刀三礼の作と云われる「本尊薬師如来御像」、平安時代に仏師春日により作られた「聖観音菩薩立像」、岐阜にゆかりのある円空上人によって彫られた「弁財天」などが安置されています。文化的にも歴史的にも貴重な飛騨国分寺「本堂」は、いずれも価値があり必見です。

六地蔵
六地蔵と呼ばれる6体のお地蔵さんが安置されています。迷いあるものが6種の世界に生まれ変わりを繰り返すとされる仏教の「六道輪廻の思想」に基づき表現されたものです。6体それぞれが、様々な世界を現わしています。貴重な建物が点在する飛騨国分寺ですが、六地蔵様へも忘れずにお参りしましょう。

願かけなでさるぼぼ
庚申堂(こうしんどう)には、たくさんのさるぼぼが吊り下げられています。さるぼぼとは、飛騨高山地方に代表される民芸品のひとつです。さるぼぼは飛騨弁が由来の「猿の赤ちゃん」という意味で、災いが去る(猿)や家庭円(猿)満などともじって、大変縁起が良いものとされています。

2007年には、飛騨のさるぼぼ製造協同組合が「願かけなでさるぼぼ」の石像を寄進し、設置されました。このさるぼぼをなでると様々なご利益が頂けると、訪れる人々の人気を集めています。ちなみに「願かけなでさるぼぼ」のどこの部位を撫でるかで効果が変わります。

「頭」は頭が良くなる、「心臓」は出世ができる、「自分の体の不自由なところ」はその体の状態が良くなるなどです。この他にも商売繁盛や学業成就など願いを込めながら、さるぼぼを撫でるとご加護に恵まれると云われています。「願かけなでさるぼぼ」の石像の横には、人形を供養する棚が設けられています。願いが叶った折には、さるぼぼ人形をここに戻す仕組みになっています。

飛騨国分寺の授与品
御朱印
飛騨三十三観音霊場の一番札所にもなっている、飛騨国分寺。御朱印は、庫裏(くり)にある受付でもらえます。国分寺のシンボル的存在の本堂と三重塔、大銀杏が描かれたオリジナルの御朱印帳もあります。

お守り
御朱印と同じ受付には、乳イチョウをモチーフにしたお守りも頒布(はんぷ)されています。女性の健康全般にご利益があるとされています。

 

まとめ
由緒正しいお寺・飛騨国分寺は、JR高山駅や飛騨高山の中心部からアクセスも良好な場所に位置しています。岐阜や飛騨高山観光では外せないスポットになっていますので、ぜひ一度訪れてみてくださいね。

 

基本情報
住所:〒506-0007 岐阜県高山市総和町1-83
電話番号:0577-32-1395
公式HP:https://hidakokubunji.jp
アクセス:
・JR:JR高山駅より徒歩で約5分。
・車:中部縦貫道高山ICから国道41号経由5㎞、10分
・バス: 濃飛バス、高山市コミュニティバス「国分寺」で下車後徒歩1分
高山市コミュニティバス「朝日町」で下車後徒歩約3分
濃飛バス「高山濃飛バスセンター」で下車後徒歩約3分
高山市コミュニティバス「高山濃飛バスセンター」で下車後、徒歩約3分
営業時間:9:00~16:00
定休日:12月31日、1月1日
本堂拝観料金:300円
宝物拝観料金:個人料金:大人300円 小中学生250円、団体料金(30人以上):大人250円 小中学生150円
駐車場:駐車場10台、大型バス駐車可
  *最新の情報は公式ホームページでご確認ください。

 

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